概要
キングダムは、原泰久による日本の青年漫画。2006年から『週刊ヤングジャンプ』で連載されている、紀元前の中国・春秋戦国時代末期を舞台にした歴史大河ロマンである。一介の下僕(戦災孤児)だった少年・信が、天下の大将軍を夢見て戦場を駆け上がっていく立身出世の物語と、後に中国を初めて統一して始皇帝となる秦王・嬴政(えいせい)の中華統一事業を、二本の柱として描く。
「ただの歴史漫画」と侮るなかれ。むせ返るような熱量の戦場、何十万もの兵がぶつかる大会戦、そして「漢(おとこ)」たちの生き様が、ページから飛び出してきそうな迫力で描かれるのが本作の真骨頂らしい。累計発行部数は1億部を突破し、現代の青年漫画を代表する超ヒット作のひとつにまで成長した。アニメ・実写映画・舞台と多方面にメディアミックスされ、「歴史にまったく興味がなかったのにキングダムで沼った」という読者を量産していることでも知られる。
中国の歴史書『史記』をベースにしつつ、史実に大胆なフィクションを織り交ぜているのが特徴。実在の人物・武将がほぼ全員「濃すぎるキャラ」として登場し、史実では数行で終わる出来事に血の通ったドラマが吹き込まれている。
炎上とバズ
- 「もう何巻まで出てるんだ」問題 - 長期連載ゆえに巻数が膨大になり、「今から読み始めるには勇気がいる」とよくネタにされる。とはいえ「一度読み始めると止まらない」という声が大多数で、結局みんな沼っていくらしい。
- 実写映画の大ヒット - 2019年公開の実写映画『キングダム』が興行収入57億円を超える大ヒットを記録。続編も次々と作られ、漫画原作実写としては異例の成功例として語り草になった。山崎賢人主演の信、吉沢亮の嬴政らキャスティングがハマったと評判。
- 「合従軍編」の盛り上がり - 大国・秦に他六国が連合して攻め込む「合従軍編」はシリーズ屈指の盛り上がりを見せ、アニメ放送時にはSNSのトレンドを連日席巻した。
- 史実ネタバレ論争 - 実在の歴史が下敷きなので「ネタバレは史実を調べれば分かる」という独特の立ち位置。「結末を知っていてもなお面白い」のが歴史漫画の強みとして再評価された。
- 作画ペースと休載 - 人気絶頂期でも作者の体調や作画都合で休載が入ることがあり、そのたびに読者がやきもきするのも風物詩。
余談
- 作者の原泰久は、デビュー前は会社員をしていたという苦労人エピソードを持つ。読み切りを経て本作で大ブレイクした遅咲きの作家らしい。
- 主人公・信のモデルは、史実に実在した秦の将軍「李信」。史実では数行しか記述がない人物に、これだけの物語を与えた原作者の想像力がすごいと評判。
- 嬴政はのちの「始皇帝」。万里の長城や兵馬俑で有名なあの始皇帝が、本作では理想に燃える熱い若者として描かれており、「始皇帝の見方が変わった」という読者が続出した。
- 登場する武将たちの「必殺技」じみた戦法や一騎打ちはフィクション色が強いが、それがエンタメとして抜群に機能している。
- 「中華」「天下の大将軍」など、作中の独特のワードが読者の間で合言葉のように使われる。
- NHKでアニメが放送されたことで、お茶の間にも浸透。親子で観ているという家庭も多いらしい。
- 史実の流れを知りたくて世界史の教科書や『史記』を読み始める読者が増え、「キングダム経由で歴史好きになった」層が一定数いる。
- 作中の名言は数知れず。「武とは何か」を問う台詞の数々は、ビジネス書のように引用されることもある。
関連項目
外部リンク
- キングダム公式サイト(集英社)
- 週刊ヤングジャンプ公式