概要
コミックナタリーとは、株式会社ナターシャが2008年12月に開設した漫画・アニメ専門のニュースサイトである。音楽ニュースサイト「ナタリー」の姉妹サイトにあたり、出版社の発表を網羅的に記事化する姿勢で知られる。
詳細
成り立ち
運営元の株式会社ナターシャは2005年12月に設立された。代表取締役社長は大山卓也で、設立時の役員には非常勤取締役としてジャーナリストの津田大介も名を連ねていた。2007年2月に音楽ニュースサイト「ナタリー」の運営を開始し、その延長線上で2008年12月に漫画分野を扱う「コミックナタリー」、2009年8月にお笑い分野を扱う「お笑いナタリー」を立ち上げている。本拠地は東京・下北沢に置かれてきた。
2014年8月、auなどを手がけるKDDIがナターシャの発行済株式の90%を取得し、同社を連結子会社とした。ポップカルチャー領域のメディアが通信会社の傘下に入った事例として当時報じられている。
2017年12月からはアニメ情報の扱いを本格的に拡大し、漫画とアニメを横断して扱う体制に移っている。
書き方の一貫性
コミックナタリーの記事は、論評や採点をほとんど置かず、作品名・掲載誌・発売日・話数・関係者のコメントといった事実を定型に近い形で並べる。読み物としての起伏は小さいが、そのぶん1本あたりの制作時間が短く、本数を出せる。
この形式が漫画ニュースと噛み合うのは、この分野の情報が「予定」を中心に回っているからである。連載開始、最終回、単行本の発売日、アニメ化、舞台化、コラボ——いずれも出版社側が日程を決めて発表する種類の情報で、記者が掘り起こさなくても一次情報が定期的に供給される。つまり取材費をかけずに更新頻度を保てる構造がある。更新頻度が高いサイトは検索でもSNSでも拾われやすくなるので、網羅主義はそのまま流通量に変換される。
一方で、この形式は「どの作品が重要か」という判断をサイト側が下さないことを意味する。大作の新刊も無名の新人の初単行本も、記事の体裁としてはほぼ同じ扱いになる。これを公平とみるか、読者にとっての優先順位が分からないとみるかは評価が分かれるところで、決着した論点とは言いがたい。
位置づけ
漫画をめぐるウェブメディアは、出版社の公式発表、X (SNS)での作家本人の告知、まとめ系サイトの転載という層に分かれているが、コミックナタリーはそのうち「発表を確認して記事にする」層を占めている。週刊少年ジャンプ・週刊少年マガジン・週刊少年サンデーといった主要誌から、少年ジャンプ+・マガポケなどの漫画アプリ、ウェブトゥーン分野までを扱う。
余談
- サイト名の「ナタリー」は運営会社名「ナターシャ」と対になっており、会社名から先に決まった形になっている。社名・サイト名ともに音楽的な語感を意識した命名だと語られることがある。
- 下北沢という立地は、音楽ニュースサイトとして始まった経緯を考えると分かりやすいが、漫画業界の中心は東京都の音羽・一ツ橋・神保町といった出版社の所在地であり、取材先と拠点が離れている。ウェブメディアでは発表がオンラインで流れるため、この距離がほとんど問題にならない。
- 「ナタリー」系サイトは記事の末尾に関連記事を長く並べる形式を早くから採っており、1本の記事から同じ作品の過去記事へ遷移しやすい。作品名で検索したときに複数記事が並ぶ状態は、この設計の結果でもある。