概要
月刊コロコロコミックとは、小学館が発行する小学生男子向けの月刊漫画雑誌である。1977年創刊。ドラえもんの総集編的な雑誌として始まり、以後は玩具・ゲームと連動した作品を主軸に、小学生向け漫画誌の最大手であり続けている。
詳細
創刊は1977年4月15日、定価320円、発行部数13万部。出発点は雑誌としてはかなり変則的で、小学館の学年誌に載ったドラえもんを読み返せる場所を作る、という発想から生まれている。創刊当初は毎号ドラえもんが100ページ載ることが売りだった。
刊行のペースも段階的に上がっている。創刊当初は3か月に1冊の季刊で、4号(1978年1月号)から隔月刊、12号(1979年4月号)から月刊になった。読者がついてくるかを確かめながら刊行間隔を詰めていった形である。
現在は毎月15日ごろの発売。日本雑誌協会の集計では2024年4〜6月期の印刷部数が323,467部で、小学生向けの雑誌としては群を抜いた規模を保っている。
玩具と連動する雑誌という構造
コロコロを他の漫画誌と分けているのは、作品と商品が同時に動く点である。ミニ四駆、ベイゴマ、カードゲーム、携帯ゲーム機のソフト——時代ごとに対象は変わるが、構造は一貫している。
この仕組みは、雑誌が漫画を載せて商品を紹介するという一方向のものではない。漫画の連載、玩具の発売、大会やイベント、アニメ化が同じ時期に噛み合うように設計されており、雑誌はその全体の時刻表として機能する。読者である小学生にとって、雑誌は「次に何が来るか」を知る唯一の窓口になる。
同じことは逆向きにも働く。玩具が売れなくなれば連載も終わる。作品単体の人気ではなく、商品の売れ行きが連載の寿命に直結する構造は、他の漫画誌にはあまり見られない。読み物としての評価と商業的な成否が分かちがたく結びついているため、「漫画雑誌なのか販促媒体なのか」という論じられ方を昔からされてきた。この点は、商品と結びつくからこそ小学生の生活に食い込めたという評価と、作品が商品の都合に振り回されるという批判が並んでおり、どちらか一方に決着したことはない。
読者が卒業する雑誌
コロコロの読者層は小学生に限られる。中学に上がるころには読まなくなるため、読者は数年で完全に入れ替わる。
これは弱点であると同時に強みでもある。読者が入れ替わるということは、同じ企画を数年おきに繰り返しても新鮮に受け取られるということでもあり、実際に往年の題材が世代をまたいで復活することが多い。一方で、読者を長く抱え込めないため、雑誌は常に新しい小学生を獲得し続けなければならない。週刊少年ジャンプのように読者が成長とともに読み続ける雑誌とは、そもそも設計思想が違う。
読者が卒業することを前提にしているため、上の年齢層に向けた受け皿として別冊や派生誌が用意されてきた。
マスコットと誌面の作り
マスコットキャラクターは初代が「コロちゃん」、1981年4月号以降は「コロドラゴン」で現在に至る。
誌面は漫画だけでなく、玩具の攻略記事、読者投稿、シール類の付録が同じ比重で並ぶ。文字より図と写真が多く、ページの色数も多い。雑誌の厚みが目立つのは、この構成と付録の存在によるところが大きい。
海外の反応
海外では雑誌そのものより、そこから生まれた玩具やゲームの方が先に知られている。玩具連動という形式は各国に輸出されたが、雑誌・玩具・アニメ・大会を同じ時期に噛み合わせる運用まで揃っている例は多くない。
この形式については、子ども向けの商業展開として洗練されているという評価と、購買を前提にした設計だという批判が並立しており、評価は定まっていない。
余談
- 創刊時は季刊だった。現在の知名度からすると意外だが、月刊化までに2年かかっている。
- 小学生向け雑誌が軒並み部数を落とすなかで30万部台を保っているのは、付録と玩具連動が電子書籍に置き換えにくい形式だからだという見方がある。紙でなければ成立しない要素を抱えていることが、結果的に紙の雑誌を守っている形になる。
- 誌名の「コロコロ」は、雑誌の分厚さと丸みのある判型に由来するとされる。