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2026年9月19日 (土) 17:40時点における最新版
概要[編集]
麻雀(マージャン)とは、4人で136枚の牌を用いて行う卓上ゲームである。中国で生まれ、20世紀初頭に日本へ伝わり、立直(リーチ)などの独自ルールを加えた「日本麻雀」として独自の発展を遂げた。運と技術が同居する構造から、賭博の道具としても競技としても扱われてきた。
詳細[編集]
基本の流れは、各自が13枚の牌を持ち、順番に1枚引いて1枚捨てることを繰り返し、規定の形(3枚組を4つと対子を1つ)を先に完成させることを目指す、というものである。完成形そのものは単純だが、点数が「どういう形で上がったか」によって大きく変動するため、速度と打点のどちらを取るかという判断が常につきまとう。
牌は萬子・筒子・索子の3種類の数牌(各1から9が4枚ずつ)と、風牌・三元牌からなる字牌で構成される。ここに日本独自の要素としてドラ(ボーナス牌)が加わり、点数の振れ幅がさらに広がった。
麻雀が長く遊ばれ続けている理由として、「情報が不完全であること」がしばしば挙げられる。他家の手牌は見えず、山に残る牌も分からない。そのため常に確率と読みの混合で判断することになり、同じ局面が二度と現れない。
歴史[編集]
起源は中国で、19世紀の後半に現在の形に近いものが成立したとされる。それ以前のカード遊戯から派生したという説が有力だが、成立の経緯には諸説あり確定していない。
日本への伝来は明治末期から大正期にかけてである。1909年(明治42年)、四川省で英語教師をしていた名川彦作が牌を持ち帰ったものが、現存する日本最古の麻雀牌とされる。同じ1909年、夏目漱石が新聞連載「満韓ところどころ」の中で、中国で麻雀らしきものを見たと書き残している。
大正から昭和初期にかけて都市部の知識層を中心に広まり、1930年代には立直のルールが日本で考案された。立直・ドラ・責任払いといった要素は中国麻雀には存在せず、日本で追加されたものである。
戦後は雀荘の普及とともに大衆娯楽として定着し、1970年代から1980年代にかけて漫画と実話系の読み物が麻雀ブームを支えた。
競技麻雀とネット麻雀[編集]
賭けを伴わない競技としての麻雀は、日本プロ麻雀連盟をはじめとする団体によって運営されてきたが、長らく一般の認知は限られていた。
状況を変えたのが2018年に発足したMリーグである。企業がチームを保有し、選手は賭けを行わず、対局は配信で無料公開されるという形式を採った。2019年に15歳から79歳の1万人を対象に行われた調査では、およそ500万人がMリーグを視聴していたとされ、これは日本の人口のおよそ4%にあたる。岡田紗佳のように、麻雀以外の分野で先に知名度を得た人物が競技者として活動する例も増えた。
オンライン麻雀の存在も大きい。天鳳は登録者数が400万を超える規模に達し、段位制による厳格な実力評価が競技者の指標として機能してきた。後発の雀魂はキャラクターと演出を前面に出すことで新規層を取り込み、2025年7月時点で最高位である魂天に到達したプレイヤーは3,052人、段位認定を受けたプレイヤー全体の0.22%にあたるとされる。天鳳と雀魂を含めた競技志向の麻雀人口は、およそ100万人と推計されている。
賭博との関係[編集]
日本の法律上、金銭を賭けて麻雀を行うことは賭博にあたる。一方で雀荘という業態自体は風俗営業として合法に存在しており、「場所は合法だが、そこで一般的に行われている遊び方の一部は違法」というねじれた状態が長く続いてきた。
このねじれが表面化した例として、2020年に検察幹部が新聞記者らと賭け麻雀を行っていたことが週刊文春の報道で明らかになり、辞職に至った一件がある。金額の多寡ではなく、法を執行する立場の人物が関与した点が問題とされた。
Mリーグが「賭けない」ことを規約の中心に据えたのは、この歴史的な結びつきを競技から切り離す意図によるものである。
麻雀を扱った作品[編集]
麻雀を題材にした漫画は一大ジャンルを形成しており、専門誌が長期にわたり刊行されてきた。ギャンブル描写に振り切った作品と、競技としての読み合いを描く作品、部活動として扱う作品が並立しているのが特徴である。
映像分野では、対局そのものを長時間配信するという形式がYouTubeと配信サービスの普及によって成立した。ルールを知らない視聴者にも解説付きで見せられるようになったことが、競技人口とは別に「観る人」を増やした。
余談[編集]
牌を混ぜるときの音を「洗牌(シーパイ)」と呼ぶが、全自動卓の普及によってこの音を実際に聞く機会は大きく減った。全自動卓は1970年代に日本で実用化されたもので、麻雀という遊びの物理的な体験を最も大きく変えた発明とされる。
麻雀用語の多くは中国語の読みが日本語化したもので、「立直」だけは日本で作られた語である。中国語の発音から離れた日本独自の読み方が定着している牌名も多く、同じ牌を指しているのに日中で発音がまったく通じない場合がある。
「雀荘」という業態は日本と韓国、台湾に多く、中国本土では家庭や茶館で打つのが主流である。同じゲームでも、どこで打つかという習慣は国ごとにかなり違う。