YOASOBI

概要[編集]

YOASOBI(ヨアソビ)は、コンポーザーのAyase(アヤセ)とボーカルのikura(幾田りら)からなる、日本の2人組音楽ユニット。「小説を音楽にするユニット」というコンセプトを掲げ、2019年に結成された。投稿された小説を原作に楽曲を制作するという独自のスタイルで、Z世代を中心に絶大な支持を集め、2020年代の日本の音楽シーンを代表する存在となった。

デビュー曲『夜に駆ける』が大ヒットを記録して以降、『群青』『怪物』『アイドル』など数々のヒット曲を世に送り出し、日本の音楽配信チャートを席巻。海外進出も果たし、名実ともに国民的アーティストへと駆け上がった。

結成の経緯[編集]

ソニーミュージックが運営する小説投稿サイト「monogatary.com」の企画から生まれたユニット。投稿された小説を音楽化するという試みのために、ボカロP(VOCALOIDプロデューサー)として活動していたAyaseと、シンガーソングライターのikuraがタッグを組んだ。

ユニット名「YOASOBI」は「夜遊び」に由来するが、「夜に明日への希望をもって遊ぶ」という前向きな意味も込められているという。デビュー曲『夜に駆ける』は、星野舞夜の小説『タナトスの誘惑』を原作としており、このコンセプトの完成度の高さが一躍話題となった。

主な楽曲[編集]

  • 夜に駆ける - 2019年配信のデビュー曲。疾走感あるメロディとikuraの透明感ある歌声で大ヒット。YouTubeのMVは記録的な再生数を達成した。
  • 群青 - 夢を追う人々へのエールを込めた一曲。
  • 怪物 - アニメ『BEASTARS』のオープニングテーマ。力強いメッセージ性が支持された。
  • アイドル - アニメ『推しの子』のオープニングテーマ。世界各国の音楽チャートで首位を獲得し、YOASOBIの世界的人気を決定づけた。

音楽性[編集]

Ayaseが手がける楽曲は、ボカロ的な疾走感とJ-POPのキャッチーさを融合させた独特のサウンドが特徴。高速で展開するメロディと言葉数の多い歌詞は、ikuraの高い歌唱力があってこそ成立する難曲ぞろい。

ikuraのクリアで伸びやかな歌声は、繊細な感情表現から力強いサビまで幅広く対応し、YOASOBIサウンドの要となっている。原作小説の世界観を3〜4分の楽曲に凝縮する構成力も高く評価されており、「聴く小説」とも称される独自の音楽体験を生み出している。

海外進出[編集]

『アイドル』の世界的ヒットを機に、YOASOBIの人気は国境を越えた。英語版楽曲のリリースや海外フェスへの出演を重ね、アジアのみならず欧米でも熱狂的なファンを獲得。日本のアニメ主題歌をきっかけに海外リスナーを取り込む流れの、象徴的な成功例となった。

ライブパフォーマンス[編集]

YOASOBIは、楽曲のクオリティだけでなくライブパフォーマンスでも高い評価を受けている。当初は配信中心のユニットというイメージもあったが、有観客ライブを重ねるごとにステージングは進化を続け、いまや大規模なアリーナ・スタジアム公演を成功させるトップアーティストとなった。

ボーカルのikuraは、難曲ぞろいのYOASOBIサウンドをライブでも安定して歌いこなす実力派。CD音源に勝るとも劣らない歌唱を生で届けることで、ファンの信頼を勝ち取っている。バンドメンバーを加えた生演奏によるアレンジも魅力で、原曲とはひと味違った臨場感を楽しめる。海外フェスや単独公演にも進出し、国境を越えてYOASOBIサウンドを届ける活動を精力的に続けている。

小説とのコラボレーション[編集]

「小説を音楽にする」というYOASOBIのコンセプトは、音楽業界に新しい風を吹き込んだ。原作となる小説には、それぞれ明確な物語があり、楽曲を聴いてから小説を読む、あるいは小説を読んでから楽曲を聴くことで、二重に作品世界を味わえるという独自の体験が生まれる。

このコンセプトは、出版と音楽という異なるメディアを横断する試みとして注目され、多くの書き手・読者を巻き込んだムーブメントへと発展した。楽曲のヒットによって原作小説にも注目が集まり、書籍化されるケースもある。YOASOBIの成功は、後続のアーティストや企画にも影響を与え、「物語性のある音楽」という潮流を生み出した。アニメ・ゲームとのタイアップでも、作品の世界観を深く読み込んだうえで楽曲を制作する姿勢が、各方面から高く評価されている。

音楽シーンへの影響[編集]

YOASOBIの登場は、2020年代の日本の音楽シーンを大きく塗り替えた。ボカロ(VOCALOID)文化を出自に持つAyaseのサウンドが商業J-POPのメインストリームに躍り出たことは、ネット発の音楽が「サブカル」から「メインカルチャー」へと移行する象徴的な出来事だった。

ストリーミング再生やSNSでの拡散を前提とした楽曲づくり、アニメタイアップを通じた海外展開など、YOASOBIの成功モデルは多くのアーティストに影響を与えている。Adoやボカロ出身のアーティストたちとともに、「ネット音楽の時代」を切り開いた立役者として、その存在は日本の音楽史に深く刻まれることになるだろう。

コンセプトの独創性[編集]

YOASOBIを唯一無二の存在たらしめているのが、「小説を音楽にする」という結成当初からのコンセプトである。投稿サイトに集まった小説を原作に楽曲を制作するこの手法は、それまでの音楽制作の常識を覆すものだった。歌詞は単なる詩ではなく、一つの物語を凝縮した「ダイジェスト」として機能し、聴き手は3〜4分の楽曲の中で一編の小説を追体験することになる。

この仕組みによって、楽曲を聴いた人が原作小説を読み、小説を読んだ人が楽曲を聴くという、メディアを横断した楽しみ方が生まれた。物語の背景を知ることで、何気ない歌詞の一節に込められた意味が浮かび上がり、楽曲の印象がガラリと変わるという体験は、YOASOBIならではのもの。このコンセプトは、音楽と文学という異なる表現領域を結びつける画期的な試みとして高く評価され、エンターテインメントの新しい形を提示した。リスナーにとっては「聴く」だけでなく「読む」「考える」楽しみも加わり、作品世界への没入感が格段に深まる。

炎上とバズ[編集]

  • 「アイドル」世界1位 - 米ビルボードのグローバルチャートで日本語楽曲として首位を獲得し、大きなニュースとなった。
  • 『夜に駆ける』のロングヒット - 配信開始から長期にわたりチャート上位に居座り続け、ストリーミング時代の象徴的ヒットとなった。
  • 難曲チャレンジのバズ - 歌唱の難しさから、カラオケや「歌ってみた」での挑戦動画がSNSで人気を集めた。
  • 紅白歌合戦出演 - NHK紅白歌合戦への出場が話題となり、国民的アーティストとしての地位を確立した。

Ayaseとikura[編集]

YOASOBIを構成する二人、Ayaseとikuraは、それぞれ異なるバックグラウンドを持つ。コンポーザーのAyaseは、YOASOBI結成前からボカロP(VOCALOIDプロデューサー)として活躍しており、ネット音楽シーンで高い評価を得ていた。彼が生み出すメロディは、疾走感と中毒性を併せ持ち、言葉数の多い歌詞を絶妙に乗せる構成力に定評がある。

一方、ボーカルのikuraは「幾田りら」名義でシンガーソングライターとしても活動する実力派。透明感がありながら芯のある歌声は、Ayaseの難曲を見事に歌いこなし、YOASOBIサウンドの要となっている。二人がそれぞれソロ活動も行いながらYOASOBIとして集結することで、相乗効果が生まれ、唯一無二の音楽性が確立されている。作曲とボーカルという役割分担が明確でありながら、互いの個性を尊重し合う関係性が、YOASOBIの安定した活動を支えている。

紅白歌合戦と受賞[編集]

YOASOBIは、その圧倒的な人気を背景に、NHK紅白歌合戦への出場を果たすなど、名実ともに国民的アーティストとしての地位を確立した。各種音楽賞でも高い評価を受け、日本のポップスシーンを代表する存在として広く認知されている。

ストリーミング再生数やSNSでの拡散力は群を抜いており、特に『アイドル』のヒットは、日本語楽曲が世界の音楽チャートで首位を獲得するという快挙を成し遂げた。アニメ『推しの子』とのタイアップが世界的な注目を集めたことで、YOASOBIの音楽は国境を越えて愛されるようになった。デジタル時代の音楽の在り方を体現するアーティストとして、その活動はこれからも多くの人々に影響を与え続けるだろう。

余談[編集]

  • ボーカルのikuraは「幾田りら」名義でソロのシンガーソングライター活動も行っている。
  • AyaseはYOASOBI結成前からボカロPとして人気を博していた。
  • 楽曲のMVはアニメーションで制作されることが多く、原作小説の世界観を視覚的に表現している。
  • 「小説を音楽にする」というコンセプトは唯一無二で、後続のアーティストにも影響を与えた。
  • 楽曲のテンポが速く言葉数が多いため、歌詞を覚えるのが大変だとファンの間でよく言われる。
  • グループ名の表記がすべて大文字の「YOASOBI」である点も、デザイン上の特徴。
  • 楽曲のテンポが速く言葉数が多いため、「歌うのが難しいアーティスト」の代表格として知られる。
  • MVのアニメーションは毎回クオリティが高く、楽曲の物語性を視覚的に補完する役割を果たしている。
  • ユニット名がすべて大文字の「YOASOBI」である点も、ロゴデザインとしての統一感を生んでいる。
  • 海外のリスナーの間では、日本語の歌詞を一生懸命覚えて歌うファンも多く、その人気の広がりがうかがえる。
  • タイアップ楽曲では、原作やアニメの世界観を深く読み込んだうえで制作する姿勢が高く評価されている。
  • ボーカルのikuraは料理上手としても知られ、親しみやすい人柄もファンに愛されている。
  • アニメ『推しの子』とのタイアップ曲『アイドル』の世界的ヒットは、日本のアニメ音楽が海外で受け入れられる流れを決定づけた。
  • Adoヨルシカとともにネット音楽出身アーティストの代表格とされ、2020年代のシーンを牽引している。
  • 第76回NHK紅白歌合戦などの大型番組への出演で、国民的アーティストとしての地位を確立した。
  • Z世代を中心に支持を集めており、Z世代のSNS疲れに象徴される若者文化とも親和性が高い。
  • ボーカルのikuraは「幾田りら」名義でソロ活動も行い、その多才ぶりが注目されている。
  • 楽曲のタイトルがひらがな・カタカナ・英語と多彩で、それぞれの原作小説の世界観を反映している。
  • ライブではバンド編成による生演奏アレンジが披露され、配信音源とはまた違った迫力を楽しめる。
  • 「夜」を冠したユニット名にちなみ、夜の時間帯に聴きたくなる楽曲が多いという声もファンから上がる。
  • 原作小説を読んでから楽曲を聴くと、何気ない歌詞の一節に隠された意味に気づけるのが醍醐味。
  • デビューから短期間で国民的アーティストへと駆け上がった、ストリーミング時代を象徴するサクセスストーリーの持ち主。
  • 「物語性のある音楽」という潮流を生み出し、後続のアーティストや企画にも大きな影響を与えた。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]