概要[編集]

日本アカデミー賞(にほんアカデミーしょう、Japan Academy Film Prize)とは、日本アカデミー賞協会が主催する日本の映画賞である。1978年に始まり、毎年3月に前年の日本映画を対象として授賞式が行われる。アメリカのアカデミー賞の日本版として、映画業界関係者の投票で各部門の最優秀賞が決まる。

詳細[編集]

1978年、米国映画芸術科学アカデミーの許諾を得て創設された。第1回(1978年)の最優秀作品賞は山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』。以後、毎年3月に東京都内のホテル(近年はグランドプリンスホテル新高輪の国際館パミール)で授賞式が開かれ、日本テレビ系で中継されるのが恒例になっている。

選考は二段階で、まず協会の会員(映画会社・製作者・俳優・スタッフなど映画業界の関係者)の投票で各部門の「優秀賞」が年明けに発表され、授賞式当日にその中から「最優秀賞」が発表される。ノミネート=優秀賞受賞という扱いなので、「優秀主演男優賞を受賞」という表現は「最優秀賞の候補になった」とほぼ同じ意味になる。

部門は作品賞・アニメーション作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞・音楽賞・撮影賞・照明賞・美術賞・録音賞・編集賞・外国作品賞のほか、新人俳優賞、協会特別賞、会長特別賞、話題賞などがある。

近年の受賞[編集]

第49回(2026年)[編集]

2026年3月13日に授賞式が行われ、李相日監督の『国宝』が最優秀作品賞を含む最多10部門を受賞した。1作品での10冠は2012年の『八日目の蝉』以来。『国宝』は吉田修一の小説を原作に、歌舞伎役者の50年を描いた作品で、実写日本映画の興行収入記録を22年ぶりに塗り替えたことでも話題になった。

  • 最優秀作品賞:『国宝』
  • 最優秀監督賞:李相日(『国宝』)
  • 最優秀脚本賞:奥寺佐渡子(『国宝』)
  • 最優秀主演男優賞:吉沢亮(『国宝』)
  • 最優秀主演女優賞:倍賞千恵子(『TOKYOタクシー』)
  • 最優秀助演男優賞:佐藤二朗(『爆弾』)
  • 最優秀助演女優賞:森田望智(『ナイトフラワー』)
  • 最優秀アニメーション作品賞:『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
  • 最優秀外国作品賞:『教皇選挙』
  • 話題賞:松村北斗(俳優部門)、『ファーストキス 1ST KISS』(作品部門)

助演女優賞の森田望智は、Netflix『全裸監督』で注目を集めた俳優である。主演女優賞の倍賞千恵子は、第1回の作品賞『幸福の黄色いハンカチ』のヒロインでもあり、第1回と第49回の両方の受賞作に名前が残る巡り合わせになった。

第48回(2025年)[編集]

安田淳一監督の『侍タイムスリッパー』が最優秀作品賞を受賞。東京の1館のみの上映から口コミで全国に広がった自主制作映画で、インディーズ作品が大手配給作を抑えて頂点に立った異例のケースとして大きく報じられた。

第47回(2024年)[編集]

山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が最優秀作品賞を受賞。同作は米国のアカデミー賞でも視覚効果賞を受賞しており、日米のアカデミー賞をダブル受賞した作品となった。

そのほかの主な受賞例[編集]

  • 第25回(2002年):『千と千尋の神隠し』が最優秀作品賞。アニメーション作品が作品賞を取った例として知られる。のちに第30回(2007年)からアニメーション作品賞が独立した部門として設けられた。
  • 第44回(2021年):『ミッドナイトスワン』の草彅剛が最優秀主演男優賞。
  • 第39回(2016年):山﨑賢人が『orange』『ヒロイン失格』で新人俳優賞。

評価と批判[編集]

日本で最も知名度の高い映画賞である一方、会員に大手映画会社の関係者が多いことから、「大手の配給作品が有利になりやすい」「業界の内輪の賞」という指摘がたびたび出てきた。キネマ旬報ベスト・テンや毎日映画コンクールなど、批評家・記者が選ぶ映画賞と結果を比べて語られることも多い。

こうした見方がある中で、第48回の『侍タイムスリッパー』(自主制作)が作品賞を取ったことは、「大手有利」という通説への反例としても注目された。どの程度偏りがあるかは見方が分かれており、決着した論点とは言いがたい。

よくある質問[編集]

本家のアカデミー賞とは関係ある?
米国映画芸術科学アカデミーの許諾を得て「アカデミー賞」の名称を使っているが、選考・運営は日本アカデミー賞協会が独自に行っており、別の賞である。
いつ発表される?
優秀賞は例年1月、最優秀賞は3月の授賞式で発表される。
優秀賞と最優秀賞の違いは?
優秀賞は各部門の候補(ノミネート)にあたり、その中から1人・1作品が最優秀賞に選ばれる。
テレビで見られる?
授賞式は日本テレビ系で放送されるのが恒例である。

余談[編集]

  • 第49回の『国宝』は米国のアカデミー賞でもメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされ、日本のアカデミー賞で10冠、本家でもノミネートという話題性の高い作品になった。
  • 第47回の『ゴジラ-1.0』、第48回の『侍タイムスリッパー』、第49回の『国宝』と、3年連続で「大ヒット・大きな話題作」が作品賞を取っており、近年は興行成績と受賞結果が一致しやすい傾向も見られる。

外部リンク[編集]

  • 日本アカデミー賞 公式サイト

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