| 国宝 Kokuho | |
|---|---|
| 監督 | 李相日 |
| 製作 | 岩上敦宏、伊藤伸彦、荒木宏幸、市川南、渡辺章仁、松橋真三 |
| 脚本 | 奥寺佐渡子 |
| 原作 | 吉田修一『国宝』(朝日新聞出版) |
| 出演 | 吉沢亮、横浜流星、高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、三浦貴大、見上愛、黒川想矢、越山敬達、永瀬正敏、嶋田久作、宮澤エマ、中村鴈治郎、田中泯、渡辺謙 |
| 撮影 | ソフィアン・エル・ファニ |
| 音楽 | 原摩利彦 |
| ジャンル | ドラマ |
| 制作会社 | CREDEUS |
| 配給 | 東宝(日本)、GKIDS(北米) |
| フォーマット | 通常上映、IMAX、ドルビーシネマ |
| 劇場公開 | 2025年6月6日 |
| 配信 | Prime Video |
| 配信公開 | 2026年6月6日(見放題独占配信) |
| 上映時間 | 175分 |
| 興行収入 | 200億円超(邦画実写歴代1位) |
| 言語 | 日本語 |
| レイティング | PG12 |
概要[編集]
国宝(こくほう)とは、2025年6月6日に公開された李相日監督、吉沢亮主演の日本映画である。吉田修一の同名小説を原作に、任侠の家に生まれた少年が上方歌舞伎の世界で女方として芸の道を極めていく姿を描く。興行収入は200億円を超え、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』を抜いて邦画実写の歴代1位となった。
詳細[編集]
原作は吉田修一が朝日新聞に連載し、2018年に単行本化された長編小説。作者は執筆前に歌舞伎の黒衣をまとって楽屋に入ったとされ、その取材経験がベースになっている。小説は芸術選奨文部科学大臣賞と中央公論文芸賞を受賞した。李相日にとっては『悪人』『怒り』に続く3本目の吉田修一作品の映画化となる。
主人公・立花喜久雄を吉沢亮、そのライバルで名門の御曹司・大垣俊介を横浜流星が演じ、喜久雄を引き取る歌舞伎役者・花井半二郎に渡辺謙が扮した。吉沢と横浜は撮影に向けて約1年半にわたり歌舞伎の稽古を積んだと語っている。歌舞伎指導は四代目中村鴈治郎が担当し、鴈治郎自身も出演している。
公開前の2025年5月18日には、第78回カンヌ国際映画祭の「監督週間」部門で公式上映され、約6分間のスタンディングオベーションを受けた。上映時間175分という長尺ながら、公開後は口コミで評判が広がり、1年近いロングランヒットとなった。
あらすじ[編集]
任侠の一門に生まれた喜久雄は、15歳のときに父を亡くす。やがて上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、喜久雄は歌舞伎の世界へ飛び込む。
半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育った喜久雄は、女方として互いに芸を磨き合う。しかし、ある日半二郎が自らの代役に実の息子ではなく喜久雄を指名したことで、2人の運命は大きく揺れ動く。血筋と才能、栄光と挫折が交錯する中、喜久雄は「国の宝」と呼ばれる存在へと上り詰めていく。
主な登場人物とキャスト[編集]
- 立花喜久雄(花井東一郎) - 吉沢亮(少年期:黒川想矢)
- 任侠の家に生まれ、半二郎に引き取られて女方の道を歩む主人公。
- 大垣俊介(花井半弥) - 横浜流星(少年期:越山敬達)
- 花井半二郎の息子。喜久雄の親友でありライバル。
- 花井半二郎 - 渡辺謙
- 上方歌舞伎の名門の当主。喜久雄の才能を見出す。
- 大垣幸子 - 寺島しのぶ
- 半二郎の妻で俊介の母。
- 福田春江 - 高畑充希
- 彰子 - 森七菜
- 立花権五郎 - 永瀬正敏
- 喜久雄の父。任侠の一門の親分。
- そのほか、三浦貴大、見上愛、嶋田久作、宮澤エマ、中村鴈治郎、田中泯らが出演している。
スタッフ[編集]
- 監督:李相日
- 脚本:奥寺佐渡子
- 撮影:ソフィアン・エル・ファニ
- 照明:中村裕樹
- 美術監督:種田陽平
- 編集:今井剛
- 衣裳デザイン:小川久美子
- 音楽:原摩利彦
- 歌舞伎指導:中村鴈治郎
- 主題歌:「Luminance」原摩利彦 feat. 井口理(King Gnu)
- 製作幹事:MYRIAGON STUDIO
- 制作プロダクション:CREDEUS
- 配給:東宝
撮影を担当したソフィアン・エル・ファニは、カンヌでパルム・ドールを受賞した『アデル、ブルーは熱い色』などで知られるチュニジア出身の撮影監督。歌舞伎の舞台を至近距離からとらえた映像は、公開後に多くの観客や批評家から言及された。
興行成績[編集]
公開初週から動員を伸ばし続け、公開73日間で興行収入105億円・観客動員747万人を記録した。
2025年11月24日までの公開172日間で動員1231万人・興行収入173.7億円に達し、2003年公開の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(173.5億円)を抜いて、22年ぶりに邦画実写映画の歴代興行収入1位を更新した。
その後も上映が続き、2026年2月15日までの公開255日間で動員1415万人・興行収入200億円を突破。邦画実写で興収200億円を超えた初の作品となり、日本の歴代興行収入ランキングでも10位に入った(トップ10のうち実写の日本映画は本作のみ)。2026年6月時点では興収207億円を超えたと報じられ、興行通信社の歴代ランキングでは2026年9月時点で約209億円・歴代8位とされている。
海外では北米をはじめ世界50以上の国と地域で公開された。北米配給はGKIDSが担当し、2026年1月のIMAX特別上映を経て、2月から各地で劇場公開された。
受賞・ノミネート[編集]
日本アカデミー賞[編集]
2026年3月13日の第49回日本アカデミー賞授賞式で、最優秀作品賞を含む最多10部門の最優秀賞を獲得した。
- 最優秀作品賞
- 最優秀監督賞:李相日(『フラガール』以来2度目)
- 最優秀脚本賞:奥寺佐渡子
- 最優秀主演男優賞:吉沢亮
- 最優秀撮影賞:ソフィアン・エル・ファニ
- 最優秀照明賞:中村裕樹
- 最優秀美術賞:種田陽平、下山奈緒
- 最優秀録音賞:白取貢
- 最優秀編集賞:今井剛
- 最優秀音楽賞:原摩利彦
アメリカのアカデミー賞[編集]
本作はアカデミー国際長編映画賞の日本代表に選ばれ、同部門とメイクアップ&ヘアスタイリング賞の2部門で最終候補(ショートリスト)入りした。2026年1月22日のノミネート発表では、国際長編映画賞はノミネートを逃したものの、メイクアップ&ヘアスタイリング賞に日本映画として史上初めてノミネートされた。ノミネート対象は豊川京子(ヘア&メイク)、日比野直美(歌舞伎メイク)、西松忠(歌舞伎床山)の3人。2026年3月15日の第98回アカデミー賞授賞式では『フランケンシュタイン』が同賞を受賞し、本作は受賞を逃した。
その他[編集]
- 第99回キネマ旬報ベスト・テン:監督賞(李相日)、脚本賞(奥寺佐渡子)、主演男優賞(吉沢亮)、読者選出日本映画監督賞(李相日)
- 第50回報知映画賞:主演男優賞(吉沢亮)
- 第80回毎日映画コンクール:主演俳優賞(吉沢亮)
- 第17回TAMA映画賞:最優秀男優賞(吉沢亮)ほか
- 第35回日本映画批評家大賞:主演男優賞(吉沢亮)、助演男優賞(横浜流星)ほか
炎上とバズ[編集]
- 公開後はSNSでの口コミを中心に評判が広がり、175分の長尺ながら繰り返し劇場に足を運ぶ観客が多いと報じられたことや、本作をきっかけに歌舞伎そのものへの関心が高まったことが話題になった。
- 主演の吉沢亮は公開前の2025年1月、飲酒後に自宅マンションの隣室に無断で立ち入った件が報じられた(のちに不起訴)。この影響で別の主演作『ババンババンバンバンパイア』の公開が延期された一方、本作は予定どおり2025年6月に公開された。
- 2025年12月31日には歌舞伎座で特別上映会が開かれ、映画が歌舞伎の本拠地で上映されたことが話題を呼んだ。
よくある質問[編集]
- 『国宝』の興行収入はいくら?
- 2026年2月に200億円を突破し、邦画実写映画として初めて200億円を超えた。2026年6月時点で207億円超と報じられている。
- どこで見られる?
- 2026年5月20日からデジタル購入配信が始まり、6月6日からはPrime Videoで見放題独占配信されている。Blu-ray・DVDは2026年12月2日発売予定。
- 原作はある?
- 吉田修一の長編小説『国宝』(上巻「青春篇」・下巻「花道篇」)が原作。朝日新聞に連載されたのち、朝日新聞出版から刊行された。
- 米アカデミー賞は受賞した?
- メイクアップ&ヘアスタイリング賞に日本映画として初めてノミネートされたが、受賞は逃した。
- 上映時間は?
- 175分。映倫区分はPG12。
- 主人公のモデルはいる?
- 喜久雄は架空の人物である。原作者の吉田修一は歌舞伎の楽屋での取材をもとに物語を創作したとされる。
余談[編集]
- 主演の吉沢亮と横浜流星は、2011年の『仮面ライダーフォーゼ』で親友同士の役(朔田流星と井石二郎)を演じた間柄。その2人が本作でライバル役として再共演した。
- 第49回日本アカデミー賞では、前年に最優秀主演男優賞を受賞した横浜流星がプレゼンターを務め、吉沢亮にブロンズ像を手渡した。
- 李相日監督は『フラガール』以来、2度目の日本アカデミー賞最優秀監督賞となった。
- 邦画実写歴代1位を記念して、2026年1月7日から28日まで銀座のGinza Sony Parkで「映画『国宝』展」が開催された。
- 劇場では監督や歌舞伎の専門家による音声ガイド付き上映も行われ、“聞く『国宝』”としても話題になった。
- 原作小説は映画のヒットで売り上げを伸ばし、2025年には愛蔵版も刊行された。
外部リンク[編集]
- 映画『国宝』公式サイト
- 映画『国宝』公式X
- 東宝 作品ページ