株式会社GoHands GoHands Co., Ltd. | |
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略称 | GoHands |
国家 | 日本 |
種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
業種 | 情報・通信業 |
本社所在地 | 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目4番16号 NLC新大阪6号館 |
設立日 | 2008年8月 |
設立者 | 岸本鈴吾 |
代表者 | 岸本鈴吾 |
資本金 | 800万円 |
上場 | 非上場 |
従業員数 | 約80名(2023年時点) |
支店舗数 | 2(大阪本社、東京スタジオ) |
主要部門 | アニメーション制作(テレビアニメ、劇場アニメ、OVA) |
関係する人物 | 鈴木信吾(監督・キャラクターデザイナー)、金澤洪充(監督・演出家)、工藤進(監督) |
コミュニティ | n/アニメ・漫画 |
概要[編集]
日本のアニメーション制作会社。社名は「Go Hands」ではなく「GoHands」と続けて表記する。従業員数は約14名と、かなり小規模な会社である。
元SATELIGHTのプロデューサー岸本鈴吾(岸本鈴吾)が、SATELIGHT大阪スタジオのスタッフおよび『守護キャラクター』第1期の制作陣を率いて独立し設立した。そのため本社は大阪に置かれているが、東京スタジオも設けている。
同社は以下をモットーとしている:
- 年間30分テレビシリーズを1本制作
- 1年以上かけて劇場版を制作
- 自社によるオールインワン体制での制作
初の一貫制作作品『Princess Lover!』では、全ての工程を社内で完遂した。以降もSATELIGHT作品への継続的な参加を通じて、スタッフを外部に送り出している。
特徴[編集]
高い映像美が評価され、ミュージックビデオを思わせる演出が話題となったが、その反面、一部評価では他の工程もMVレベルに留まるとの批判を受けている。
キングレコードの支援を受け、一時期は音楽プロデュースや映像ソフトの発売をキングレコードが一手に担っていた。ただし、『ハンドシェイカー』や『朝まで授業Chu!』など、カドカワとメディアファクトリー制作作品では例外的に別扱いとなっていた。
2021年の『東京バビロン』制作を巡る内部対立が最高潮に達し、キングレコードを相手取った損害賠償訴訟が発生した(朝日新聞、2021年)。この影響で以後の音楽プロデュースや映像ソフトの発売はキングレコードを通さない可能性が高い。
社公式サイトは存在せず、作品制作に注力する姿勢を示している。
事件と復帰[編集]
2021年、CLAMP原作の『東京バビロン』アニメ化企画を進めたが、主要キャラクター衣装の盗用疑惑や類似トレース問題が続出し、企画は中止となった。同様に『K』『プレイタの傷』でも盗作・トレース疑惑が相次ぎ、制作委員会からの信頼を失墜させた。多くのスポンサーが撤退し、同社の今後の制作に赤信号が灯った。
一方で、キングレコードから制作依頼を受けた作品では、制作費を12月から翌年8月まで分割で支払う契約のもと、13話分の前製作を完了して納品したものの、デザイン盗用問題でプロジェクトが再起動され修正作業に入るも、最終的に一方的に契約を解除されて残金が支払われなかったとしてキングレコードを訴えた。
制作問題は一部解消されたとみられ、2023年には『やむごとなき猫は今日も憂鬱』『好きな子がメガネを忘れた』の制作を担当し、再び制作現場に復帰した。両作とも、盗作責任から比較的距離を置く工藤進総監督が回帰し、鈴木信吾は総監督や絵コンテを控えめに担当している。
復帰後は、鈴木信吾や工藤進に加え、次世代監督として横峰克久を推進する姿勢を見せている。
特徴[編集]
ufotableや京都アニメーションに匹敵する、演出・作画・CG・撮影・美術・仕上げを社内完結できる希少な体制を有する。ただし規模が小さいため一部工程は外部下請けに委託し、2019年以降はほぼ単独制作体制を採用している。この方式のため、多数の作品を並行制作することは困難とされる。
背景美術は極めて豪華で、高度なバードアイビュー(俯瞰)ショットにより立体感を演出する。キャラクターが動く際も複数のアングルを切り替える演出が好評である。撮影演出では色調をこまめに変化させ、青・緑・赤などコントラストを強調する手法を取る。
また、重責を担う鈴木信吾の影響でキャラクターデザインは極めて精密。下絵の段階から線数が多く、特に髪の毛は一本一本の流れやウェーブを忠実に再現し、作画枚数も多く消費することで高い作画品質を実現している。その結果、視聴者や業界関係者からは演出への好みは分かれるものの、作画クオリティは広く認められている。GoHands出身のアニメーターは実力派として業界で高い評価を得ている。
一方で、このような作風は落ち着いた日常系作品には不向きであるとの批判もある。
作品履歴[編集]
テレビアニメ[編集]
開始年 | 放送期間 | タイトル | 監督 | アニメーション プロデューサー |
原作 |
---|---|---|---|---|---|
2009年 | 7月 - 9月 | プリンセスラバー! | 金澤洪充 | 岸本鈴吾 | ゲーム |
10月 - 2010年3月 | チェブラーシカ あれれ? | 工藤進 | N/A | キャラクター | |
2010年 | 7月 - 9月 | 生徒会役員共 | 金澤洪充 | 岸本鈴吾 | 漫画 |
2012年 | 10月 - 12月 | K | 鈴木信吾 | オリジナル | |
2013年 | 10月 - 12月 | COPPELION | 漫画 | ||
2014年 | 1月 - 3月 | 生徒会役員共* | 金澤洪充 | ||
2015年 | 10月 - 12月 | K RETURN OF KINGS | 鈴木信吾 | オリジナル | |
2017年 | 1月 - 3月 | ハンドシェイカー | 鈴木信吾 金澤洪充 |
菊地貴紀 | |
2019年 | 1月 - 3月 | W'z《ウィズ》 | |||
2021年 | 1月 - 4月 | プレイタの傷 | 鈴木信吾 | 岸本鈴吾 | メディアミックス |
2023年 | 7月 - 9月 | デキる猫は今日も憂鬱 | 工藤進(総) 横峯克昌 |
漫画 | |
好きな子がめがねを忘れた | |||||
2025年 | 1月 - 3月 | もめんたりー・リリィ | 鈴木信吾(総) 工藤進 横峯克昌 |
オリジナル | |
2026年 | 未公表 | 追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する | 鈴木信吾(総) 横峯克昌 |
未公表 | 小説 |
劇場アニメ[編集]
公開年 | タイトル | 監督 | アニメーション プロデューサー |
原作 |
---|---|---|---|---|
2010年 | マルドゥック・スクランブル 圧縮 | 工藤進 | 岸本鈴吾 | 小説 |
2011年 | マルドゥック・スクランブル 燃焼 | |||
2012年 | マルドゥック・スクランブル 排気 | |||
2014年 | 劇場版 K MISSING KINGS | 鈴木信吾 | オリジナル | |
2017年 | 劇場版 生徒会役員共 | 金澤洪充 | 菊地貴紀 | 漫画 |
2018年 | K SEVEN STORIES | 鈴木信吾 | オリジナル | |
2021年 | 劇場版 生徒会役員共2 | 金澤洪充 | 岸本鈴吾 | 漫画 |
OVA[編集]
発売年 | タイトル | 監督 | アニメーション プロデューサー |
原作 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2011年 | 生徒会役員共 | 金澤洪充 | 岸本鈴吾 | 漫画 | -2013年 |
2012年 | 朝まで授業chu! | ||||
2014年 | 生徒会役員共(第2期) | -2019年 |
挿絵[編集]
- やりすぎた魔神殲滅者の七大罪遊戯(2018年)
制作協力[編集]
年 | タイトル | 制作元請 | 備考 |
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2007年 | ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 | カラー | 作画協力 |
2009年 | 聖剣の刀鍛冶 | マングローブ | 各話制作協力 |
2011年 | 魔法少女まどか☆マギカ | シャフト |