123AV
123AV
https://thumb.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/54/Agency_for_Cultural_Affairs_Kyoto_Buildings_20230413.jpg/500px-Agency_for_Cultural_Affairs_Kyoto_Buildings_20230413.jpg?utm_source=commons.wikimedia.org&utm_campaign=imageinfo&utm_content=thumbnail
京都に移転した文化庁の庁舎。著作権制度を所管する官庁である(123AVとは無関係の参考写真。出典:ウィキメディア・コモンズ、CC BY 4.0)
サイト名 123AV
言語 多言語(日本語・英語・中国語ほか)
タイプ 動画ストリーミングサイト
国 不明
種類 無料動画配信(広告収入型)
創設 不明
創設者 不明
運営者 不明(匿名運営)
収益 広告
営利性 営利(広告収入)
登録 不要
開始 不明
現在の状態 権利者の許諾を確認できない配信を行っているとされる

概要[編集]

123AVとは、日本のアダルトビデオを権利者に無断で配信しているとされる、海外の無料動画ストリーミングサイトである。運営者は名乗り出ておらず、所在地も不明。画面構成や更新のペースがMissAVによく似ていることから「MissAV系」「MissAVのクローン」とひとくくりにされることが多く、セキュリティ企業や国内のITコラムからは「危険度の高い海賊版サイト」の一つとして名前を挙げられている。

詳細[編集]

どんなサイトなのか[編集]

123AVは、日本のメーカーが制作・販売しているアダルトビデオを、会員登録なし・料金なしでブラウザ上で再生できるようにしているサイトだとされる。収益源は動画の前後やページ内に表示される広告で、利用者からお金を取るのではなく「アクセス数を広告に換える」という、海賊版サイトに典型的なビジネスモデルをとっている。サイトの自己紹介文では「10万本超の動画」「毎日更新」「再生中は広告なし」などとうたっており、規模と使い勝手を売りにしていることがうかがえる。ただし、これらはあくまでサイト側の自称であり、第三者による検証はされていない。

名前の由来と「123」系ネーミング[編集]

「123」を冠した海賊版サイトといえば、映画・ドラマの違法配信で世界的に有名になった「123Movies」が知られている。123AVと123Moviesの間に運営上のつながりがあるという確かな情報はなく、「覚えやすい数字+ジャンル名」という命名パターンがたまたま一致しているだけと見るのが自然だ。海賊版サイトの世界では、有名サイトの名前に数字や単語を足した派生名が乱立しやすく、利用者側から見ると「どれが本家でどれが便乗なのか」すら判別しにくいという混沌とした状態になっている。

MissAVとの関係[編集]

123AVが語られるときに必ずセットで出てくるのがMissAVである。国内のITコラムでは123AVを「MissAV似のUIとコンテンツ更新頻度」を持つクローンサイトとして紹介しており、海外のURL検査サービスの解析でも、123AVのページからJAVGGやMissAVを名乗る別ドメインなど複数の類似サイトへのリンクが張られていることが確認されている。ただし、123AVとMissAVが同一の運営者によるものなのか、単にデザインを真似た別グループなのかを裏付ける公的な資料や報道は見当たらない。「同系列」という見方は、あくまで見た目やリンク構造からの推測にとどまっている。

技術的な特徴[編集]

セキュリティ診断サイトの記録によると、123AVを名乗るドメインの多くは米国の大手CDN事業者であるCloudflareを経由して配信されており、サーバーの実際の所在地は外からは見えない構造になっている。あるドメインはCloudflare経由で2024年11月に登録されたことが記録されており、比較的新しいドメインを使い回していることがうかがえる。また、短縮URLや複数回のリダイレクトを使っている点が診断サービスから「注意点」として指摘されている。こうした仕組みは、ドメインが差し押さえられたりブロックされたりしても、別ドメインへ素早く誘導できる「逃げ足の速さ」につながっている。

運営者について(判明している範囲)[編集]

123AVの運営者については、2026年時点で個人名・法人名ともに公的に特定された情報はない。サイト上に会社概要や問い合わせ先として機能する連絡先は示されておらず、ドメインの登録者情報もプライバシー保護サービスによって伏せられているとされる。

比較対象として、兄貴分とされるMissAV側の事情を見ると状況がやや見えてくる。MissAVの前身とされる「ThisAV」は2009年に香港で立ち上がったサイトで、1980年代生まれの香港人男性がリーマン・ショック下の2008年ごろに「アダルトは商売になる」と考えて始めたと報じられたことがある。2015年ごろには1日あたり約100万のユニークIPを集め、そのうち約6割が日本からのアクセスだったとされる。

また、アダルトビデオメーカーのWILLがMissAV/ThisAVの運営者だとして香港在住の個人と香港の会社をアメリカ合衆国・ワシントン州西部地区連邦地方裁判所に訴え、2025年1月に欠席判決で約450万ドルの損害賠償とドメインの移転が命じられたと報じられている。123AVについては、このような訴訟で運営者が名指しされた例は確認できない。

ドメインの変遷・閉鎖や摘発[編集]

「ドメインを替えて生き延びる」パターン[編集]

123AVは、末尾(トップレベルドメイン)の異なる複数のドメインで同名のサイトが確認されてきた。どれが本家でどれが便乗サイトなのかは外部からは判別できず、セキュリティ診断の結果もドメインごとに「危険」「問題なし」と大きく割れている。同じ「123AV」の看板でも中身や広告の質がまったく違う可能性があるということで、これ自体が利用者にとってのリスクになっている。

MissAVのドメイン差し押さえ(2025年)[編集]

類似サイト群の歴史で最大の事件が、2025年1月のMissAVドメイン差し押さえである。海外の著作権ニュースサイトTorrentFreakによると、当時のMissAVは月間3億回超の訪問を集め、世界で上位60位、日本国内で上位15位に入るほどの巨大サイトだった。2025年1月13日ごろ、MissAVと旧ThisAVの「.com」ドメインに差し押さえを告げるバナーが表示され、DMM.com傘下のFANZAが法的手続きによってドメインを取得したことが伝えられた。

ところが、MissAV側は24時間もたたないうちに末尾の違う別ドメインへ移転して運営を再開。台湾のテックメディアは「封鎖に成功したが、すぐに別ドメインで復活した」と報じ、ドメイン単位の対策の限界を指摘した。123AVのような類似サイトが目立つようになったのも、この「本家が揺れた時期」に代わりを探す利用者が増えたことと無関係ではないと見られている。

台湾での遮断(2026年)[編集]

2026年3月には、台湾の新北市政府がMissAVのドメインについて通信事業者に遮断を命じたと報じられた。被害を訴えていたAV女優の作品が無断で配信されていたことなどが背景とされ、アクセスすると「新北市政府により封鎖された」という表示が出るようになった。現地のネット上では「天が落ちてきた」と嘆く声まで出たという。123AV自体が行政処分や刑事摘発の対象になったという報道は、2026年10月時点で確認できない。

アクセス規模[編集]

123AV単体について、SimilarWebなどのアクセス解析を引用した大手メディアの報道は見当たらない。あるセキュリティ診断サービスでは、特定の123AVドメインの世界順位を7万位台と記録しているが、ドメインが分散しているため「サイト全体でどれほどの規模か」は把握しにくい。

一方で、海賊版サイト全体の規模は桁違いだ。コンテンツ海外流通促進機構(CODA)によると、2023年に全世界で海賊版サイトに寄せられたアクセスは1410億件を超えたとされる。MissAV単体で月3億回超という数字も踏まえると、123AVのような類似サイトもそれなりの規模の閲覧者を抱えているとみられるが、具体的な数字は確認できていない。

利用リスク[編集]

マルウェア・詐欺広告[編集]

国内のITコラムでは、123AVの特徴として「ブラウザ拡張機能やダウンロードボタンを装った偽ツールが多い」ことが挙げられ、ウイルス感染報告・法的リスクともに「非常に高い」と評価されている。海賊版サイト一般に共通する被害としては、次のようなものが報告されている。

  • 広告をクリックすると無関係なサイトへ何度も飛ばされる(リダイレクト)
  • 「ウイルスに感染しました」などの偽警告で、不要なアプリや有料ソフトを入れさせる
  • フィッシングサイトへ誘導され、Googleアカウントやクレジットカード情報を盗まれる
  • スマホ向けに不正なアプリ(遠隔操作型のトロイの木馬など)をインストールさせる

実際に、ある海外のURL検査サービスでは123AVの特定ドメインが「フィッシング」と判定され、安全性スコアが100点中10点とされた記録もある。同じ名前の別ドメインでは問題が検出されなかった例もあり、「どれを開くか」で危険度が大きく変わる点がやっかいだ。

著作権法上のリスク[編集]

日本の著作権法では、違法にアップロードされたものと知りながら映像や音楽をダウンロードする行為は、2010年の改正で違法となり、2012年の改正で有償著作物については刑事罰の対象となった。さらに2021年1月1日施行の改正で、漫画村問題などを受けて対象が漫画・小説・写真などすべての著作物に広げられた。映像作品であるアダルトビデオは、この拡大以前から規制の対象である。

一方、ストリーミングで「見るだけ」の行為(再生中に端末へ一時的にデータが保存されるもの)は、文化庁の解説でもダウンロードとは別扱いとされ、現行法では直ちに違法とはされていない。ただし、ここでいう「ダウンロード」には保存ツールや拡張機能で動画ファイルを手元に残す行為が含まれるため、123AVで多いとされる「ダウンロードボタン」や「保存用ツール」を使えば、その時点で違法ダウンロードに当たりうる。また、視聴そのものが合法かどうかとは別に、アクセスした時点で広告経由のマルウェアにさらされるリスクは避けられない。

出演者側の被害[編集]

無断配信は、メーカーの売上だけでなく出演者の権利にも関わる。2022年に施行されたAV出演被害防止・救済法では、出演者が公表後に作品の差し止めなどを求められる仕組みが整えられたが、海外の海賊版サイトに転載された作品は事実上コントロールが効かなくなる。台湾でMissAVへの遮断が行われた背景にも、出演者自身の訴えがあったとされる。

業界団体と権利者の対策[編集]

IPPA(知的財産振興協会)[編集]

日本のアダルトビデオ業界の海賊版対策を担ってきたのが、特定非営利活動法人の知的財産振興協会(IPPA)である。2010年に任意団体として発足し、2011年に法人化。加盟メーカーは約280社とされ、海賊版DVDの販売店やファイル共有ソフトで違法配信していた人物の摘発に警察と協力して取り組んできた。2024年8月には団体名を「適正映像事業者連合会」に改めたが、海賊版対策の部門では引き続き「IPPA」の名前を使っている。2024年12月には、正規のアダルトビデオ作品を認定する新制度「CCAV」も始めた。

CODA(コンテンツ海外流通促進機構)[編集]

アニメや映画など日本コンテンツ全般の海賊版対策では、2002年設立のCODAが中心的な役割を担っている。CODAは中国にも拠点を置き、2024年にはアニメ海賊版サイト「B9GOOD」の運営者が中国の裁判所で有罪判決を受けた。日本側の働きかけをきっかけに海外の海賊版運営者に刑事罰が科された初めてのケースとされ、約15年間で4万5千本以上の作品を無断配信し、アクセスの約95%が日本からだったという。アダルト作品を扱うサイトに直接適用された例ではないが、「海外サーバーだから手が出せない」という常識が崩れ始めていることを示す事例として注目された。

検索エンジンへの削除申請[編集]

権利者側は、Googleなどの検索エンジンに対して著作権侵害ページの検索結果からの削除を申請する手段もとっている。同人作品の販売サイトを運営する企業が、2014年以降Googleへ400万件超の申請を行い、検索結果の6割以上を削除させたという報道もあり、アダルト作品の分野でもメーカーや代行業者による削除申請が日常的に行われているとされる。123AVのような新興ドメインが検索結果に出たり消えたりするのは、こうしたいたちごっこの結果でもある。

合法な代替サービス[編集]

日本のアダルトビデオを正規に視聴・購入できる主なサービスは次のとおり。いずれも権利者に対価が支払われる仕組みで、運営会社や連絡先が明示されている。

サービス名 運営 特徴
FANZA DMM.comグループ 国内最大級。単品購入・レンタル・見放題プランなどを用意
MGS動画 プレステージ系 単品購入のほか月額見放題も。独占配信作品が多い
DUGA アペックス 老舗の配信サイト。インディーズ系メーカーの作品も豊富

見放題プランは月額数千円程度のものが多く、無料体験期間を設けている場合もある。広告経由のマルウェアや詐欺に悩まされることがない、というのも正規サービスの大きなメリットだ。

余談[編集]

  • 「123」の付いた海賊版サイトといえば映画の「123Movies」が元祖格で、こちらはアメリカ映画協会から「世界で最も人気の違法サイト」と名指しされたこともある。123AVとの関係は不明で、「数字で覚えやすくする」という命名の発想が共通しているだけとみられる。
  • 2025年1月にMissAVの「.com」ドメインが差し押さえられた際、サイトは24時間以内に別ドメインで復活しており、「ドメインは取れても運営は止まらない」ことを象徴する出来事として海外メディアにも取り上げられた。
  • 同じ「123AV」の名前でも、診断サービスでの評価は100点満点のものから10点のものまでバラバラ。名前が同じでも中身が同じとは限らないのが、この手のサイトの一番の落とし穴といえる。

外部リンク[編集]

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