稲垣吾郎
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第30回東京国際映画祭(2018年)(出典:Wikimedia Commons「Inagaki Goro from "Another World" at Opening Ceremony of the Tokyo International Film Festival 2018 (45568842182).jpg」・CC BY 2.0)
出身地 東京都板橋区
国籍 日本
職業 俳優、歌手、タレント、司会者
活動期間 1987年 -
別名 吾郎ちゃん、吾郎さん


概要[編集]

稲垣吾郎(いながき ごろう)とは、日本の俳優・歌手・タレントであり、元SMAPのメンバーである。2017年にジャニーズ事務所を離れ、草彅剛・香取慎吾とともにCULEN所属の「新しい地図」として活動している。ワインと花と本を愛する「文化系アイドル」の代表格で、近年は舞台と映画で存在感を強めている。

詳細[編集]

14歳でジャニーズ事務所に入り、翌年結成されたSMAPの一員として国民的グループの黄金期を駆け抜けた。グループ内では、バラエティで仕切る中居正広、ドラマの顔だった木村拓哉とは違う立ち位置で、「クールでちょっと浮世離れした吾郎ちゃん」というキャラクターを確立。この"浮き方"がそのまま個性として定着したのが面白いところである。

俳優としては10代でNHKの連続テレビ小説に出演したのを皮切りに、フジテレビの月9主演、横溝正史原作の金田一耕助シリーズ、三池崇史監督の『十三人の刺客』の暴君役と、主演・助演の両方でキャリアを重ねてきた。特に『十三人の刺客』での冷酷な殿様役は、アイドルのイメージを完全にひっくり返す怪演として映画賞を複数獲得している。

2016年末のSMAP解散、2017年のジャニーズ事務所退所を経て、元マネージャーの飯島三智が代表を務めるCULENへ移籍。以降は地上波から距離を置いた時期もあったが、阪本順治監督『半世界』、今泉力哉監督『窓辺にて』、岸善幸監督『正欲』など作家性の強い映画で主演を重ね、舞台『No.9 -不滅の旋律-』ではベートーヴェン役を繰り返し演じた。2025年には舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役に抜擢され、50代に入ってなお新しい代表作を積み上げている。

経歴[編集]

ジャニーズ入所とSMAP結成(1987年 - 1990年代前半)[編集]

東京都板橋区の高島平で育つ。1987年11月にジャニーズ事務所のオーディションに合格し、ローラースケートのバックダンサー集団「スケートボーイズ」に参加。1988年4月、中居正広、木村拓哉、森且行、草彅剛、香取慎吾とともにSMAPが結成された。

1989年、NHK連続テレビ小説『青春家族』でドラマデビュー。1990年には映画『さらば愛しのやくざ』でスクリーンデビューも果たす。1991年に堀越高等学校を卒業し、同年『Can't Stop!! -LOVING-』でSMAPとしてCDデビューした。

1992年10月、フジテレビの月9ドラマ『二十歳の約束』で連続ドラマ初主演。翌1993年には映画『プライベート・レッスン』で映画初主演を務めた。

俳優としての確立(1990年代後半 - 2000年代)[編集]

1996年の舞台『夜曲』で舞台初主演、翌1997年には『広島に原爆を落とす日』でも主演を務め、早い段階から舞台俳優としての顔も持っていた。

1998年、ドラマ『ソムリエ』でワイン職人を演じた。この作品のためにフランスで修行し、のちにボルドーワインの騎士号を授与されるなど、役作りがそのまま生涯の趣味につながった。同時期にはテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」の名探偵明智小五郎シリーズでも主演している。

2004年からはフジテレビで『稲垣吾郎の金田一耕助シリーズ』がスタート。『犬神家の一族』『八つ墓村』などの横溝正史作品を2009年まで計5作で演じ、ボサボサ頭の名探偵をスマートな稲垣流に仕上げた。バラエティではTBS『Goro's Bar』(2004年 - 2009年)の司会を務めている。

『十三人の刺客』と『ゴロウ・デラックス』(2010年代)[編集]

2010年、三池崇史監督の映画『十三人の刺客』で、民を虐げる暴君・松平斉韶を演じる。役所広司ら刺客たちに狙われる"ラスボス"役を淡々と演じきり、毎日映画コンクール男優助演賞、日刊スポーツ映画大賞助演男優賞を受賞した。

2011年4月からはTBSで冠番組『ゴロウ・デラックス』がスタート。毎回作家をゲストに迎えて新刊を朗読・深掘りする異色の読書バラエティで、2019年3月まで8年続いた。この番組を通じて多くの作家と親交を結んだことも、のちの「読書家・稲垣吾郎」のイメージを決定づけている。

2015年、白井晃演出の舞台『No.9 -不滅の旋律-』でベートーヴェン役に挑戦。聴覚を失っていく天才作曲家を演じたこの作品はその後も再演が重ねられ、2024年まで続くライフワーク的舞台となった。

SMAP解散と新しい地図(2016年 - )[編集]

2016年12月31日にSMAPが解散。2017年9月にジャニーズ事務所との契約が満了し、同年、草彅剛・香取慎吾とともにCULENへ移籍、ファンサイト「新しい地図」を立ち上げた。同年11月にはブログも開設し、SNS時代への適応ぶりも話題になった。同年11月のAbemaTV『72時間ホンネテレビ』、2018年からの月1回生放送『7.2 新しい別の窓』など、ネット配信を足場にした活動が始まる。

2019年公開の阪本順治監督『半世界』では、炭焼き職人の主人公を演じて主演。東京国際映画祭コンペティション部門に選出され、高崎映画祭の最優秀主演男優賞を受賞した。2020年には手塚治虫原作・手塚眞監督の『ばるぼら』でも主演し、二階堂ふみと共演。同年、NHK連続テレビ小説『スカーレット』に医師役で出演し、30年ぶりの朝ドラ出演として注目を集めた。

2022年は今泉力哉監督『窓辺にて』に主演。2023年は朝井リョウ原作・岸善幸監督の『正欲』で、新垣結衣らと共演し検事・寺井啓喜を演じたほか、Netflixの実写ドラマ『幽☆遊☆白書』にも出演した。2024年には入江悠監督『あんのこと』、『風よ あらしよ 劇場版』(辻潤役)に出演している。テレビではNHK『不可避研究中』のMC、NHK Eテレ『ワルイコあつまれ』などでレギュラーを持つ。

2025年 - 2026年の活動[編集]

2025年1月、テレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル『晴れたらいいね』に出演。同年7月からは関西テレビ・フジテレビ系月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』で、磯村勇斗演じる主人公が勤める学校法人の理事長・尾碕美佐雄を演じた。

同じく2025年7月、ホリプロ制作のロングラン舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役に就任。大人になったハリーを演じ、「新しいハリー・ポッターを届けたい」と意気込んだ。

2026年2月から3月にかけては、PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』(ノエル・カワード作、小山ゆうな演出)で主演。孤独と老いへの不安を抱えるスター俳優ギャリーを演じ、東京・PARCO劇場から京都・広島・福岡・仙台を巡演した。

同年6月27日には、草彅・香取との3人主演オムニバス映画『バナ穴 BANA_ANA』(山内ケンジ監督)が公開。2018年の『クソ野郎と美しき世界』の第2弾で、稲垣は公開時に「前作から8年、やるやる詐欺にならなくて本当に良かった」とコメントしている。7月からはテレビ東京ドラマ9『リーガルビート -逆転の法廷-』に、鈴鹿央士演じる主人公の師匠格で勝率100%を誇るエース弁護士・星秀幸役で出演。

さらに舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』東京公演が2026年12月27日で千秋楽を迎えることが決まり、そのラストイヤーに歴代ハリー役10人の一人として再登板。稲垣は2026年11月から12月の出演予定と発表されている。

主な出演作[編集]

テレビドラマ[編集]

  • 1989年『青春家族』(NHK連続テレビ小説) - ドラマデビュー作
  • 1992年『二十歳の約束』(フジテレビ) - 主演
  • 1998年『ソムリエ』(関西テレビ・フジテレビ) - 主演
  • 1998年 - 2000年『名探偵明智小五郎』シリーズ(テレビ朝日「土曜ワイド劇場」) - 主演・明智小五郎役
  • 2004年 - 2009年『稲垣吾郎の金田一耕助シリーズ』(フジテレビ) - 主演・金田一耕助役(全5作)
  • 2020年『スカーレット』(NHK) - 医師役
  • 2023年『幽☆遊☆白書』(Netflix)
  • 2025年『晴れたらいいね』(テレビ東京)
  • 2025年『僕達はまだその星の校則を知らない』(関西テレビ・フジテレビ) - 尾碕美佐雄役
  • 2026年『リーガルビート -逆転の法廷-』(テレビ東京) - 星秀幸役

映画[編集]

  • 1990年『さらば愛しのやくざ』 - 映画デビュー
  • 1993年『プライベート・レッスン』 - 主演
  • 2010年『十三人の刺客』 - 松平斉韶役
  • 2018年『クソ野郎と美しき世界』 - 主演(草彅剛・香取慎吾と)
  • 2019年『半世界』 - 主演
  • 2019年『海獣の子供』 - 安海正明役(声の出演)
  • 2020年『ばるぼら』 - 主演・美倉洋介役
  • 2022年『窓辺にて』 - 主演・市川茂巳役
  • 2023年『正欲』 - 寺井啓喜役
  • 2024年『あんのこと』 - 桐野達樹役
  • 2024年『風よ あらしよ 劇場版』 - 辻潤役
  • 2026年『バナ穴 BANA_ANA』 - 主演(草彅剛・香取慎吾と)

舞台[編集]

  • 1996年『夜曲』 - 初主演
  • 1997年『広島に原爆を落とす日』 - 主演
  • 2015年 - 2024年『No.9 -不滅の旋律-』 - ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン役(再演多数)
  • 2025年、2026年『ハリー・ポッターと呪いの子』 - ハリー・ポッター役
  • 2026年『プレゼント・ラフター』 - 主演・ギャリー役

バラエティ・ラジオ[編集]

  • 『Goro's Bar』(TBS、2004年 - 2009年) - 司会
  • 『ゴロウ・デラックス』(TBS、2011年 - 2019年) - 司会
  • 『7.2 新しい別の窓』(ABEMA、2018年 - ) - 草彅・香取と
  • 『不可避研究中』(NHK) - MC
  • 『ワルイコあつまれ』(NHK Eテレ、2021年 - )
  • 『THE TRAD』(TOKYO FM) - パーソナリティ

人物・エピソード[編集]

  • ワイン通:『ソムリエ』への出演を機にワインにのめり込み、自宅に常時200本ほどをストックしているという。2015年にはソムリエの田崎真也とボージョレ・ヌーヴォーを共同開発し、セブン-イレブンで販売された。2019年10月には東京・銀座にレストラン「BISTRO J_O」「J_O CAFE」をオープンしている。
  • 花が好き:無類の花好きとして知られ、2020年には「花贈りが一番似合う男性著名人」の1位に選ばれた。
  • ヤクルトファン:子どもの頃から東京ヤクルトスワローズの大ファンで、神宮球場にもよく足を運ぶ。
  • 実はガンダム世代:1980年代のアニメブームど真ん中の世代で、『機動戦士Ζガンダム』や『装甲騎兵ボトムズ』『エリア88』を愛好。優雅なイメージと裏腹に、クリント・イーストウッドへの憧れから銃器にも詳しい。
  • 音楽の趣味:デヴィッド・ボウイなどの洋楽、クラシック(特にピアノ曲)、フリッパーズ・ギターや小沢健二、フィッシュマンズといったサブカル寄りの邦楽まで幅広い。20歳ごろに坂本龍一と対談したことで音楽の関心が一気に広がったと語っている。ギターは10代から弾いている。
  • 書く人:『週刊プレイボーイ』『COSMOPOLITAN』でのエッセイ連載のほか、『an・an』の映画コラムは10年以上続いた。
  • 聞き上手:『ゴロウ・デラックス』で共演した外山惠理アナウンサーは、稲垣を「質問が上手で、相手の緊張をほぐす」「誰に対しても態度が変わらない」と評している。演出家からは、どんな球も受け止めて返す「キャッチャーのような俳優」とも評された。
  • ゴルフの腕前:ゴルフが上手く、SMAP時代には中居・木村からもその腕を認められていた。

受賞歴[編集]

  • 2010年度 - 第65回毎日映画コンクール 男優助演賞(『十三人の刺客』)
  • 2010年 - 日刊スポーツ映画大賞 助演男優賞(『十三人の刺客』)
  • 2017年 - GQ MEN OF THE YEAR インスピレーション賞(草彅・香取と)
  • 2017年 - ブログ・オブ・ザ・イヤー2017 最優秀賞
  • 2019年 - 高崎映画祭 最優秀主演男優賞(『半世界』)
  • 2022年 - 岐阜新聞映画部ベスト・テン 主演男優賞(『窓辺にて』)

炎上とバズ[編集]

  • 2001年の逮捕報道:2001年8月24日、東京都渋谷区で駐車違反の取り締まりを受けた際、道路交通法違反と公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕された。同年9月に公務執行妨害については起訴猶予処分となり、翌2002年1月まで芸能活動を自粛した。当時、多くのメディアが「容疑者」ではなく「稲垣メンバー」と表記したことが、報道姿勢をめぐる議論を呼び、「メンバー」呼称はその後もたびたびネットで話題にされている。
  • ブログがバズる:2017年、移籍後に始めたブログが大きな反響を呼び、ブログ・オブ・ザ・イヤー2017の最優秀賞を受賞。長年のクールなイメージと、日常を丁寧に綴る文章のギャップが好評だった。

余談[編集]

  • 左利き。
  • 21歳で初めて買った高級車はマセラティ。
  • 板橋区立高島第三中学校の出身で、高島平団地育ち。
  • 草彅剛・香取慎吾とともに、2018年から国際パラリンピック委員会(IPC)の特別親善大使を務める。
  • NHKの「ベートーベン250」プロジェクトのアンバサダーも務めた。『No.9』でのベートーヴェン役がそのまま縁になった形である。
  • 著書にエッセイ集『馬耳東風』(2001年)、『Blume』(2020年)がある。
  • 2006年の『ONE PIECE THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵』で声優も経験している。
  • 金田一耕助、明智小五郎、ハリー・ポッターと、「名探偵」と「魔法使い」の両方を演じたレアな俳優でもある。

外部リンク[編集]

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