東京ラブストーリー

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東京ラブストーリー
Tokyo Love Story
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1991年版で永尾完治を演じた織田裕二(2020年)(出典:ウィキメディア・コモンズ)
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最終回のロケ地として知られる伊予鉄道・梅津寺駅(出典:ウィキメディア・コモンズ)
略称 東ラブ
ジャンル 恋愛ドラマ、トレンディドラマ
放送シーズン 1991年冬(1月期)
放送期間 1991年1月7日 - 1991年3月18日
放送時間 毎週月曜 21:00 - 21:54
話数 全11話(+1993年特別編)
放送国家 日本
言語 日本語
放送局 フジテレビ
配信 FOD、Amazon Prime Video、U-NEXT ほか(2026年時点)
平均視聴率 22.9%(最終回32.3%、ビデオリサーチ調べ・関東地区)
制作
企画 山田良明
プロデューサー 大多亮
演出 永山耕三、本間欧彦
制作 フジテレビ
脚本 坂元裕二
音楽 日向敏文
出演者 鈴木保奈美、織田裕二、有森也実、江口洋介、千堂あきほ、西岡德馬 ほか
その他
原作 柴門ふみ『東京ラブストーリー』(小学館)
関連番組 東京ラブストーリー(2020年 FOD版)、ミュージカル『東京ラブストーリー』(2022年)
オープニング曲 小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」

概要[編集]

東京ラブストーリーとは、柴門ふみが1988年から1990年にかけて『ビッグコミックスピリッツ』で連載した恋愛漫画、およびそれを原作として1991年にフジテレビの「月9」枠で放送されたテレビドラマである。主演は鈴木保奈美と織田裕二。最終回視聴率32.3%を記録し、主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」とともに社会現象となった、トレンディドラマの金字塔とされる作品である。

詳細[編集]

漫画から月9へ[編集]

原作漫画は、愛媛県から上京した若手サラリーマン・永尾完治(カンチ)と、帰国子女の同僚・赤名リカ、そして完治の同級生である関口さとみと三上健一の4人を軸に、東京で働き、恋をする若者たちの群像を描いた作品である。単行本はビッグコミックス全4巻で、のちに小学館文庫(全3巻)、文春文庫(全2巻)でも刊行。累計発行部数は2016年10月時点で250万部を超える。

この漫画を原作に、1991年1月7日から3月18日まで、フジテレビ系の月曜21時枠で全11話のドラマが放送された。月9枠は1987年4月に現在の形でスタートしたばかりで、本作の大ヒットが「月曜9時はフジテレビの恋愛ドラマ」というイメージを決定づけたと評価されている。

若いスタッフが集まった現場[編集]

プロデュースは、のちにフジテレビの名物プロデューサーとして知られる大多亮。演出は永山耕三と本間欧彦が交互に担当し、脚本は当時まだ20代前半だった坂元裕二が手がけた。坂元はのちに『最高の離婚』『カルテット』『花束みたいな恋をした』などで知られる大物脚本家となるが、本作は若き日の代表作として必ず名前が挙がる。

制作陣にとって最大の決断は、物語の視点を変えたことだった。原作が完治中心の構成だったのに対し、ドラマでは「リカ目線の方が面白い」との判断からリカ中心に再構築され、結末も原作とは大きく異なるものになった。この改変が、自由奔放で真っすぐなヒロイン・赤名リカという、日本のドラマ史に残るキャラクターを生むことになる。

数字で見る大ヒット[編集]

視聴率は第1話20.7%からスタートし、物語が佳境に入るにつれて右肩上がりに伸びた。第9話で26.3%、第10話で29.3%、そして最終話「さよなら」では32.3%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録し、全話平均は22.9%となった。

さらに主題歌を収録した小田和正のシングル「Oh! Yeah!/ラブ・ストーリーは突然に」は約270万枚を売り上げ、1991年度のオリコン年間シングルチャート1位を獲得。ドラマの劇伴を収録したオリジナル・サウンドトラックも商業的に発売され、ドラマのサントラ盤が売れる流れをつくった先駆けとされる。「月曜の夜9時になると街からOLが消える」と言われたほどの熱狂ぶりだった。

あらすじ[編集]

1991年版ドラマ[編集]

愛媛から上京し、スポーツ用品メーカーで働き始めた永尾完治は、同じ部署の赤名リカと出会う。ロサンゼルス帰りの帰国子女であるリカは、思ったことを何でも口にする天真爛漫な女性で、完治のことを「カンチ」と呼んでぐいぐい距離を詰めてくる。

一方、東京には完治の高校時代の同級生、関口さとみと三上健一もいた。完治はひそかにさとみに想いを寄せていたが、さとみが惹かれていたのは医大生で女性関係の派手な三上だった。リカのまっすぐな好意を受け止めるうちに、完治はリカと付き合い始める。

しかしリカは上司の和賀夏樹と過去に関係があったことや、その奔放さゆえに、完治は次第に戸惑いを覚えるようになる。そこへ三上との関係に傷ついたさとみが現れ、4人の関係は揺れ動いていく。完治はリカを愛しながらも、彼女の自由さを受け止めきれない自分に苦しむことになる。

終盤、完治はさとみを選び、リカに別れを告げる。リカは完治の故郷・愛媛を訪れて彼と再会し、ロサンゼルス支社への転勤を打ち明ける。そして伊予鉄道の梅津寺駅のホームの柵に「バイバイ カンチ」と書いたハンカチを結び付け、完治の前から姿を消す。

それから3年後。完治とさとみは結婚しており、三上夫妻の結婚式に出席した帰り道、帰国していたリカと東京の街角で偶然再会する。2人は穏やかに言葉を交わし、それぞれの人生へと歩き出していく。

原作漫画[編集]

原作でも完治は最終的にさとみと結婚し、第一子を授かる。リカは完治を愛しながらも自ら身を引き、ひとりで子どもを育てる道を選ぶ。リカは子どもに「アフリカ」という名前をつけたとされ、ドラマとはまた違う余韻を残すラストになっている。

特別編(1993年)[編集]

1993年2月12日には『金曜ドラマシアター』枠で「東京ラブストーリー 特別編」が放送された。出張先の松山を訪れたリカが、完治との日々を回想するという形で本編を再構成した総集編である。

登場人物[編集]

主要人物(1991年版キャスト)[編集]

赤名リカ(演:鈴木保奈美)
本作のヒロイン。明るく率直で、好きなものは好きとはっきり言う。原作ではアフリカのジンバブエで11歳まで育った帰国子女という設定だが、1991年版ドラマではロサンゼルス帰りに変更された。完治を「カンチ」と呼ぶのは彼女だけで、この呼び方自体が作品の象徴になっている。
永尾完治(演:織田裕二)
愛媛出身の若手サラリーマン。素直で誠実だが優柔不断な一面があり、リカとさとみの間で揺れ動く。愛称は「カンチ」。
関口さとみ(演:有森也実)
完治の高校時代の同級生で、幼稚園の先生。おとなしく控えめな性格。三上と完治の間で心が揺れる役どころで、放送当時は視聴者から厳しい目を向けられた。
三上健一(演:江口洋介)
完治の幼なじみで医大生。女性関係が派手なプレイボーイだが、内面には繊細さと劣等感を抱えている。

その他の人物[編集]

長崎尚子(演:千堂あきほ)
三上と同じ医大に通うお嬢様。三上と関わっていく。
和賀夏樹(演:西岡德馬)
完治とリカの上司。リカとの過去が完治を悩ませる。

そのほか、筒井道隆(大滝新太郎)、中山秀征(渡辺)、伊藤美紀(石井ケイコ)、水島かおり(時子)らが出演している。

名台詞とシーン[編集]

「カンチ」[編集]

リカが完治を呼ぶ「カンチ!」は、本作を語るうえで欠かせない一言である。鈴木保奈美の弾むような発音とともに流行語のように広まり、放送から30年以上経った今もドラマの代名詞として使われている。最終回のハンカチに書かれた「バイバイ カンチ」も含め、物語の最初から最後までこの呼び名が2人の関係を象徴している。

「セックスしよ」[編集]

第3話「二人の始まり」のラストで、リカが完治に向かって明るく「セックスしよ!」と誘う場面がある。性的な場面そのものよりも、恋愛において女性が自分の気持ちをはっきり口にするという姿が当時としては衝撃的で、放送当時最も話題になった台詞とされる。のちの論評でも、本作が「恋愛で自分の意思を表明する新しい女性像」を描いた例としてこの台詞がたびたび取り上げられている。2020年版でもこの台詞は継承され、新旧の演出の違いが比較の話題になった。

「おでん女」[編集]

第9話で、さとみが完治を引き留めようと手作りのおでんを持ってくる場面がある。これが視聴者の間で強烈な印象を残し、さとみは一部で「おでん女」と呼ばれるようになった。リカに感情移入した視聴者が多かったことの裏返しでもあり、放送中にはフジテレビに「リカを不幸にしないで」といった趣旨の投書が多数寄せられたとされる。

梅津寺駅のハンカチ[編集]

最終回でリカが去る場面のロケ地となったのが、愛媛県松山市にある伊予鉄道高浜線の梅津寺駅(ばいしんじえき)である。海に近い小さな駅で、ホームの柵にリカがハンカチを結ぶシーンは日本のドラマ史に残る別れの名場面として語り継がれている。放送後はファンがリカを真似てハンカチを結びに訪れるようになり、現在もホームには「東京ラブストーリー」のロケ地であることを示す案内板が設置されている。

主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」[編集]

主題歌は小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」。1991年2月6日に「Oh! Yeah!」との両A面シングルとして発売された。

大多亮プロデューサーは当初、小田にオフコース時代の「Yes-No」のような切ない曲を依頼したが、最初に提出された曲は採用されなかった。そこで小田は「1週間もらえば、ぐうの音も出ないような曲を作る」と宣言し、改めて書き下ろしたのがこの曲だったという。

印象的なギターのカッティングによるイントロは、ギタリストの佐橋佳幸によるもの。シングルは約270万枚を売り上げ、当時の日本におけるシングルCDの売上記録を更新した。小田自身は「Oh! Yeah!」をA面にしたい意向が強かったため、両A面という形に落ち着いたとされる。

イントロの「チャカチャーン」が鳴るだけで東ラブを連想する人も多く、今でもバラエティ番組などでドラマの再会シーンや恋の始まりを表す効果音的に使われることがある。

トレンディドラマ史上の位置[編集]

トレンディドラマの最高峰[編集]

「トレンディドラマ」は、1980年代後半から1990年代前半のバブル期前後に制作された、都会の男女の恋愛や流行を描いたドラマを指す和製英語で、明確な定義はない。1988年の『君の瞳をタイホする!』や『抱きしめたい!』が初期の代表作とされ、1989年の『同・級・生』などを経て、1991年の本作でひとつの頂点を迎えた。

本作の放送された1991年は、バブル景気が終わりを迎えた年でもある。華やかな恋愛模様を描きつつ、どこか切なさの残る結末を選んだことで、「浮かれた時代のドラマ」とは一線を画す作品になったとの評価もある。

その後の月9への影響[編集]

本作の成功を受けて、同年夏には『101回目のプロポーズ』が放送されヒット。さらに『愛という名のもとに』『ひとつ屋根の下』『ロングバケーション』『ラブジェネレーション』と、1990年代の月9は数々のヒット作を生み出していく。

また、主演の鈴木保奈美と織田裕二は本作で一躍トップ俳優となり、以降のフジテレビドラマを支える存在になった。2人はその後、2018年10月期の月9『SUITS/スーツ』で27年ぶりに共演し、大きな話題を呼んだ。

鈴木保奈美が振り返る現場[編集]

鈴木保奈美は2026年のインタビューで、本作について「あのドラマで本当に凄いのは坂元裕二です」と語り、独特な言い回しの脚本に苦労したことを振り返っている。また「若いころの下手な演技が怖くって」と、当時の自分の芝居を見返すことへの照れも明かしている。

2020年版(FOD版リメイク)[編集]

29年ぶりの再ドラマ化[編集]

2020年、本作は「現代版」として29年ぶりに再ドラマ化された。配信プラットフォームのFODとAmazon Prime Videoのオリジナルドラマとして、2020年4月29日午前0時から配信がスタートし、毎週水曜に最新話が追加される形で全11話が配信された。

キャストは、永尾完治を伊藤健太郎、赤名リカを石橋静河、三上健一を清原翔、関口さとみを石井杏奈が演じた。ほかに和賀夏樹役で眞島秀和、長崎尚子役で高田里穂、さとみの同僚の保育士・北川トキコ役で手島実優が出演し、筒井真理子らも共演した。

監督は三木康一郎、永田琴、山本透、脚本は北川亜矢子、プロデューサーは清水一幸。主題歌は当時現役大学生だったVaundyの「灯火」で、清水プロデューサーは「『灯火』というタイトルもこのドラマのシンボルともいえる“東京タワー”とピッタリ」とコメントしている。

令和版の変更点[編集]

舞台は現代の東京に移され、スマートフォンやSNSが登場する。原作者の柴門ふみは発表時に「キャラクターは活かしつつ舞台は現代」になると予想し、若い俳優陣への期待を語った。

リカは広告代理店のクリエイティブ部門でバリバリ働く女性として描かれ、1991年版の「転勤で海外へ」という展開は、本人の意思による「転職で海外へ」という形に変更された。完治も敬語を使う初々しい年下感のあるキャラクターになっており、平成版とのニュアンスの違いが比較記事などでも話題になった。

地上波放送[編集]

2021年10月12日からは、フジテレビ(関東ローカル)で毎週火曜24時35分から地上波放送された。あわせて、1991年版も初回放送終了後からFOD、TVer、GYAO!で期間限定で無料配信され、新旧を見比べられる施策がとられた。

続編とメディアミックス[編集]

東京ラブストーリー After 25 years[編集]

2016年、『週刊ビッグコミックスピリッツ』創刊35周年記念企画として、同誌2016年9号に続編の読み切りが掲載された。その後、同年11月10日発売号から『女性セブン』で全7回の連載が行われ、2017年1月に単行本『東京ラブストーリーAfter25years』(ビッグコミックススペシャル)として発売された。

物語の舞台は最終回から25年後。50歳になったリカは千葉の農場で働き、カンチは愛媛で学校の教頭を務めている。それぞれの娘と息子が結婚を決めたことをきっかけに、2人は再会することになる。柴門ふみは、かつての恋愛関係が「友情」や「戦友」のような感覚に変わっていく様子を描きたかったと語っている。

ミュージカル版[編集]

2022年秋にはホリプロの制作でミュージカル化され、世界初演として上演された。永尾完治・赤名リカ・三上健一・関口さとみの4役はダブルキャストの2チーム制で、「空」チームは柿澤勇人、笹本玲奈、廣瀬友祐、夢咲ねね、「海」チームは濱田龍臣、唯月ふうか、増子敦貴、熊谷彩春が担当。長崎尚子役は綺咲愛里、和賀夏樹役は高島礼子が務めた。

演出は豊田めぐみ、音楽はジェイソン・ハウランド、脚本・歌詞は佐藤万里。2022年11月27日から12月18日まで東京建物 Brillia HALLで上演され、その後大阪(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)、愛知、広島を巡演した。

配信状況[編集]

1991年版は、2026年時点でFOD(プレミアム)、Amazon Prime Video、U-NEXTなどで配信されている。配信情報サイトJustWatchではNetflixでの見放題配信も確認でき、昭和・平成のドラマとしては比較的見やすい環境にある。全11話、1話あたり約47分。

2020年版はFODが配信元のオリジナル作品で、FODおよびAmazonのFODチャンネル経由で視聴できる。配信状況は変動するため、視聴前に各サービスで確認するのが確実である。

過去には2012年にBSフジで再放送されたほか、VHSが1991年に、DVD-BOXが2009年に発売されている。

余談[編集]

  • 「カンチ」の舞台となった梅津寺駅には、「この駅の切符を持っていると素敵な出逢いに恵まれる」という都市伝説まで生まれた。
  • ドラマで完治の母校として使われた愛媛県の学校はファンの聖地になったが、その後校舎ごと解体されている。
  • リカの出身設定は原作ではジンバブエ、1991年版ドラマではロサンゼルスと、媒体によって異なる。
  • 1991年版では西岡德馬が演じた上司・和賀夏樹を、2022年のミュージカル版では高島礼子が演じている。
  • 主題歌のイントロのギターカッティングは、レコーディング時に佐橋佳幸が即興で弾いたものが採用されたといわれる。
  • 2006年にはアメリカ・ニューヨークのテレビ局でも放送されるなど、海外でも人気を集めた。

外部リンク[編集]

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