家政婦のミタ
I'm Mita, Your Housekeeper.
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主演の松嶋菜々子(2013年、カンヌ国際映画祭にて)(出典:ウィキメディア・コモンズ)
略称 ミタ
ジャンル テレビドラマ(ホームドラマ・ヒューマンドラマ)
放送シーズン 2011年10月期
放送期間 2011年10月12日 - 2011年12月21日
放送時間 水曜 22:00 - 22:54(初回・第9話・最終回は15分拡大)
話数 全11話
放送国家 日本
言語 日本語
放送局 日本テレビ
配信 Hulu
平均視聴率 約25%(関東地区、最終回40.0%)
制作
プロデューサー 大平太
演出 猪股隆一、佐藤東弥、石尾純、太田雅晴、日暮謙 ほか
制作 日本テレビ
脚本 遊川和彦
音楽 池頼広
出演者 松嶋菜々子、長谷川博己、相武紗季、忽那汐里、中川大志、綾部守人、本田望結、白川由美、平泉成 ほか
その他
原作 なし(オリジナル脚本)
関連番組 さよなら「家政婦のミタ」特別版、怪しい家政婦(韓国リメイク)
エンディング曲 斉藤和義「やさしくなりたい」

概要[編集]

家政婦のミタとは、2011年10月から12月まで日本テレビの「水曜ドラマ」枠で放送された連続テレビドラマである。松嶋菜々子演じる「笑わない家政婦」三田灯が、母親を亡くして崩壊寸前の一家に派遣され、命令に「承知しました」と淡々と従いながら家族を再生させていく。最終回の視聴率40.0%は、21世紀に入ってから初めて40%台に乗った連ドラとして社会現象になった。

詳細[編集]

作品の成り立ち[編集]

脚本は『女王の教室』で知られる遊川和彦によるオリジナル作品。プロデューサーは大平太、音楽は池頼広が担当した。日本テレビの水曜ドラマ枠では3作連続のオリジナル作品にあたる。

主演の松嶋菜々子にとっては、日本テレビの連続ドラマ初主演作。連ドラ主演は2年ぶり、単独主演としては11年ぶりという「久々の主演作」でもあった。

「承知しました」の衝撃[編集]

主人公・三田灯は、無表情でどんな家事も完璧にこなすスーパー家政婦。ただし雇い主に命じられれば、常識外れどころか危険なことでも「承知しました」と実行してしまう。気に入らない命令には「それは業務命令でしょうか」、判断を求められると「それはあなたが決めることです」と突き放すのがお決まりのパターンだった。

この3つのセリフは放送中から職場や学校で真似され、「ミタ現象」と呼ばれるブームに発展した。ファンの集計によれば「承知しました」は全話で88回(うち最終回だけで18回)登場したとされる。

右肩上がりの視聴率[編集]

初回視聴率は19.5%(関東地区)と好スタートだったが、本当にすごかったのはその後。第2話で18.7%とわずかに下げたあとは回を追うごとに数字が伸び、終盤は30%前後に到達。迎えた最終回(2011年12月21日)は40.0%、瞬間最高は42.8%を記録した。

この40.0%は、TBSテレビ系『GOOD LUCK!!』最終回(2003年)の37.6%を抜き、当時の今世紀の連続ドラマで最高の数字だった。初回から最終回までの上昇幅は20.5ポイントで、20ポイント超えの伸びも異例とされた。その後、2013年に『半沢直樹』が最終回42.2%を出すまで、21世紀の連ドラ視聴率トップの座を守っていた。

あらすじ[編集]

序盤:崩壊寸前の阿須田家[編集]

舞台は郊外に暮らす阿須田家。母・凪子が川で亡くなり、残されたのは住宅メーカー勤務の父・恵一と、高校生の結、中学生の翔、小学生の海斗、幼稚園児の希衣の4きょうだい。家の中はぐちゃぐちゃで、子どもたちは父にも反発している。

そこへ晴海家政婦紹介所から派遣されてきたのが三田灯。料理・掃除・洗濯は完璧だが、まったく笑わず、私生活についても一切語らない。子どもたちは面白半分に、あるいは怒りにまかせて三田に無茶な命令を出すが、三田はそれを本当に実行しようとする。命令の重さを突きつけられた子どもたちは、自分の言葉に責任を持つことを少しずつ学んでいく。

中盤:家族それぞれの試練[編集]

凪子の死の背景に父の裏切りがあったことが明らかになり、一家は一時ばらばらに。長女・結は父を家から追い出し、長男・翔は部活のキャプテンを外されて荒れ、次男・海斗は学校でのいじめに苦しむ。凪子の父・結城義之は孫たちを引き取ろうと動き出し、凪子の妹・うららは空回りしながら阿須田家を気にかける。

三田は「家政婦」としての線を一切越えないまま、それぞれの問題を正面から突きつける。その結果、恵一は父親として子どもたちと向き合い、子どもたちも自分で道を選ぶようになっていく。家族がそれぞれ石をビンに入れて「家族の印」にするエピソードは、本作の象徴的な場面として語られる。

終盤:三田の過去[編集]

物語が進むと、三田がなぜ笑わなくなったのかが少しずつ明かされる。幼少期の不幸、結婚して授かった夫と息子を火事で失った過去、そして葬儀の場で言われた「二度と笑うな」という言葉。三田は自分が愛した人を不幸にすると思い込み、感情を封じて生きてきたのだった。

阿須田家の人々は、今度は自分たちが三田を救おうとする。子どもたちは「お母さんになってほしい」と願い出るが、三田が「母親」として見せたのは厳しく家族を支配する姿。そこで子どもたちは、完璧な誰かに頼ることが本当の再生ではないと気づく。

最終回[編集]

最終回、三田は阿須田家を去ることを決める。そして家族の前で、涙を流しながらほんのわずかに微笑む。全11話を通して「三田は笑うのか」が最大の関心事になっていたため、この一瞬の笑顔は「ついに笑った」と大きな話題になった。三田は新しい派遣先へ向かい、物語は幕を閉じる。

登場人物[編集]

主人公[編集]

役名 俳優 人物
三田灯(みた あかり) 松嶋菜々子 晴海家政婦紹介所から派遣された家政婦。常に無表情で、仕事は完璧。背後に立たれることを極端に嫌う。亡き夫と息子の形見のキャップと腕時計を身につけている。

阿須田家[編集]

役名 俳優 人物
阿須田恵一 長谷川博己 父親。住宅メーカー「サワイホーム」の営業マン。家庭から目を背けてきたが、三田との関わりで父親としての自覚を取り戻していく。
阿須田凪子 大家由祐子 亡くなった母親。物語開始時点ですでに故人。
阿須田結 忽那汐里 長女で高校2年生。母の死の真相を知って父と激しく対立する。
阿須田翔 中川大志 長男で中学2年生。バスケットボール部のキャプテン。
阿須田海斗 綾部守人 次男で小学6年生。学級委員でしっかり者。学校でのいじめに立ち向かう。
阿須田希衣 本田望結 次女で幼稚園児。明るく素直な家族のアイドル。三田に一番なつく。

周囲の人々[編集]

役名 俳優 人物
結城うらら 相武紗季 凪子の妹で高校の体育教師。いつも笑顔だが空気が読めず、なぜか不運を引き寄せる。
結城義之 平泉成 凪子とうららの父。元校長で頑固者。孫たちを引き取ろうとする。
晴海明美 白川由美 晴海家政婦紹介所の所長。三田を幼い頃から知る、母親のような存在。
皆川真利子 佐藤仁美 阿須田家の隣人。教育熱心すぎる母親で、阿須田家を見下している。
風間美枝 野波麻帆 サワイホームの経理部社員。
大場 勝地涼 うららのお見合い相手(友情出演)。
三田直也 神尾佑 三田の亡き夫。医師。

制作の裏側[編集]

震災後の時代に生まれたキャラクター[編集]

遊川和彦は放送中のオリコンのインタビュー(2011年12月)で、三田というキャラクターの背景に東日本大震災があったことを語っている。「死者に対して、我々生きている側の人間がこれから抱えていく義務を描く」というテーマから、深い喪失感を抱えた主人公が必要だったという。

また、冷たい言葉を放つ家政婦という設定については「人間は弱いから、優しい言葉は疑うけど、冷たい言葉はすぐ信じちゃう」と説明。優しく励ますのではなく、突き放すことで相手を動かすという、三田の独特なスタイルはこの考えから生まれた。

ブレイクした子役たち[編集]

本作をきっかけに大きく知名度を上げたのが、希衣役の本田望結と翔役の中川大志。特に本田望結は三田になつく末っ子・希衣役で一気に注目を集め、のちにフィギュアスケートと女優業の両立でも話題になった。中川大志はその後、映画・ドラマで主演を張る俳優へと成長している。

また、恵一役の長谷川博己にとっても出世作のひとつで、のちに大河ドラマ『麒麟がくる』で主演を務めるまでになった。

主題歌「やさしくなりたい」[編集]

主題歌は斉藤和義の「やさしくなりたい」(2011年11月2日発売)。斉藤和義にとって民放連ドラの主題歌は初めてだった。オリコン週間シングルチャートで6位を獲得し、自身の最高位を更新。CDの累計売上は10万枚を超え、斉藤和義のシングルで最も売れた作品となった。

ドラマの盛り上がりとともに配信でもロングヒットし、レコチョクでは発売から約2か月後に初の1位を獲得。フル配信の100万ダウンロードを2014年2月に達成している。

評価と受賞[編集]

ドラマ賞を総なめ[編集]

放送翌年の各種ドラマ賞では、本作がほぼ独占状態だった。

  • 第71回ザテレビジョンドラマアカデミー賞:最優秀作品賞、主演女優賞(松嶋菜々子)、助演男優賞(長谷川博己)、脚本賞(遊川和彦)、監督賞、ドラマソング賞(斉藤和義「やさしくなりたい」)
  • エランドール賞(2012年):プロデューサー賞(大平太)、新人賞(長谷川博己)
  • 東京ドラマアウォード2012:連続ドラマ部門グランプリほか
  • TV LIFE年間ドラマ大賞:作品賞・主演女優賞
  • 第15回日刊スポーツ・ドラマグランプリ:主演女優賞(松嶋菜々子)

ネットでの盛り上がり[編集]

最終回はネット上でもお祭り状態になった。2ちゃんねるのドラマ実況では、それまで歴代トップだった『ライフ』を抜いて歴代1位の書き込み数を記録したとされる。当時のTwitterでも、最終回放送時の関連投稿は1万件を超えたとされる。

ロケ地への影響[編集]

劇中に登場した千葉市動物公園は、放送後に入園者が増えたとされる。

韓国リメイク『怪しい家政婦』[編集]

チェ・ジウ主演でリメイク[編集]

本作は2013年に韓国でリメイクされた。タイトルは『怪しい家政婦』(原題:수상한 가정부)で、韓国の地上波局SBSの月火ドラマ枠で2013年9月23日から11月26日まで、全20話が放送された。

主演は『冬のソナタ』で日本でも大人気のチェ・ジウ。父親サンチョル役はイ・ソンジェ、長女ハンギョル役はキム・ソヒョンが演じた。日本版のプロデューサー・大平太は「チェ・ジウさんは、日本のオリジナル版に出てきたミタさんのイメージにも合うと思う」とコメントしている。

日本版との違い[編集]

大まかなストーリーは日本版を踏襲しつつ、韓国版独自の要素として、日本版にはなかった主人公の恋愛模様(ラブライン)が加えられている。視聴率は初回約8%、最高11%前後とされ、日本版ほどの社会現象にはならなかった。日本でも韓国ドラマとしてDVD化やCS・地上波ローカル局での放送が行われている。

『家政夫のミタゾノ』との関係[編集]

結論:別作品[編集]

タイトルがそっくりな『家政夫のミタゾノ』は、テレビ朝日系で2016年10月から放送されている松岡昌宏主演のドラマ。放送局も制作陣も異なり、『家政婦のミタ』の続編やスピンオフではない。

ミタゾノは、女装した大柄な男性家政夫・三田園薫が派遣先の家庭の秘密を暴いて「崩壊」させるブラックコメディ。『家政婦は見た!』と『家政婦のミタ』を下敷きにした新しい家政婦ドラマとして作られており、タイトルの「ミタ」はいわばオマージュ。シリアスなホームドラマの『家政婦のミタ』とは作風もまったく違う。

ミタゾノのその後[編集]

ミタゾノは人気シリーズとなり、2025年1月〜3月には第7シリーズが放送された。2025年にはドラマ放映10年目を記念した舞台『家政夫のミタゾノ THE STAGE レ・ミゼラ風呂』も上演されている。「ミタ」と名の付く家政婦ドラマが局をまたいで長く愛されているのは、元祖『ミタ』のインパクトの大きさゆえともいえる。

さらなる元ネタ『家政婦は見た!』[編集]

そもそも『家政婦のミタ』というタイトル自体が、市原悦子主演のテレビ朝日系の人気シリーズ『家政婦は見た!』(1983年〜)のもじりとされる。「見た」→「ミタ」→「ミタゾノ」と、家政婦ドラマのタイトルが30年以上かけてリレーされているわけだ。

放送・配信状況[編集]

特別版と再放送[編集]

最終回の放送当日には、直前の21:00〜21:57に総集編『さよなら「家政婦のミタ」特別版』が急きょ編成された。新撮シーンを含む構成で、脚本は森山あけみ、監修は遊川和彦が務めた。

地上波での再放送はほとんど行われていないが、CSのファミリー劇場では特別版を含めた全12話構成で放送されている。2024年1月9日からはBS日テレで毎週火曜22時に全11話が放送され、久々のテレビ放送として話題になった。

配信・ソフト[編集]

動画配信は、日本テレビ系のHuluで全話が見放題配信されている。そのほかAmazonのPrime VideoやApple TVでも作品ページが用意されている。DVD-BOX・Blu-ray BOXは2012年4月18日に発売されており、宅配レンタルのTSUTAYA DISCASでも借りられる。

関連書籍としては、劇中で描かれなかった灯の過去をつづったガイドブック『家政婦のミタ エピソード・ゼロ』(2011年12月19日発売)が出ている。

余談[編集]

  • ファンの集計によると、三田の瞬きの回数は全話で563回、そのうち212回が最終回に集中していたとされる。感情を取り戻していく過程を「瞬き」で表現していた…という説がある。
  • 当時の吉本新喜劇でも家政婦ネタとしてパロディにされたほか、ネット上では「家政婦のミク」など無数のパロディ画像・動画が生まれた。
  • 三田のハイスペックぶりは「ぼくのかんがえたさいきょうのかせいふ」と揶揄されるほどで、料理・掃除はもちろん、何をやらせても完璧にこなしてしまう。
  • 結城義之(平泉成)は物語の途中から語尾に「〜ナリ」とつけるようになり、シリアスな展開の中でちょっとした癒やし枠になっていた。
  • 本作の大ヒットで松嶋菜々子のCM出演料が跳ね上がったと週刊誌に報じられたこともある。

外部リンク[編集]

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