伊藤潤二

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伊藤 潤二
Junji Ito
誕生日 1963年7月31日
年齢 63歳
出身地 岐阜県
国籍 日本
職業 漫画家
活動期間 1986年 -
代表的な実績 『富江』『うずまき』『ギョ』『地獄星レミナ』
受賞 アイズナー賞(2021年・最優秀アジア作品賞ほか)


概要[編集]

伊藤潤二(いとう じゅんじ、1963年7月31日 - )とは、日本ホラー漫画家である。『富江』『うずまき』『ギョ』などで知られ、日本国内よりも先に海外で熱狂的な評価を得た作家としても語られる。

詳細[編集]

歯科技工士からの転身[編集]

岐阜県出身。歯科技工士として働きながら漫画を描いていたという経歴が知られており、1986年に応募した『富江』が新人賞に入選して漫画家デビューを果たした。精密な線を積み重ねる作画は、この時期に培われた手先の仕事と結びつけて語られることが多い。

「絵で怖がらせる」作家性[編集]

伊藤作品の恐怖は、幽霊が出てくる、血が流れるといった直接的な要素より、見てはいけないものを見てしまったときの生理的な不快感に寄っている。人の顔が少しずつ壊れていく過程、規則正しく並びすぎたもの、体が本来とは違う形に変わっていくイメージ。理屈で説明されない不条理な現象が、日常の風景の中に静かに置かれるのが典型的な構図である。

読者に恐怖を伝える手段が「絵そのもの」であるため、翻訳を経ても威力が落ちにくい。これが海外での評価につながったと分析されることが多い。

代表作[編集]

富江は、殺されても増殖してよみがえる少女を描いた連作で、伊藤の出世作にあたる。うずまきは、渦巻きという図形そのものに取り憑かれていく町を描いた長編で、代表作として挙げられることが最も多い。ギョは、機械の脚を持った魚が陸に上がってくるという不条理な設定を、悪臭という感覚描写で押し切った作品である。ほかに『地獄星レミナ』『首吊り気球』『双一』シリーズなど、短編・長編ともに引き出しが広い。

太宰治の『人間失格』やメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』といった文学作品の漫画化も手がけており、原作の陰惨さを自身の絵で再構築する仕事として評価されている。

海外での評価[編集]

英語圏では長く「知る人ぞ知る」存在だったが、2010年代以降に翻訳出版が進むと一気に評価が高まり、アメリカの漫画賞であるアイズナー賞で複数回の受賞・ノミネートを重ねた。2021年には『地獄星レミナ』などで受賞している。ホラー映画の作り手やゲーム開発者が影響を公言することも多く(伊藤作品を思わせるホラーゲームはゲーム実況の定番ジャンルでもある)、日本の漫画家の中でも特に海外の創作者に直接影響を与えている一人である。

映像化[編集]

実写映画としては『富江』シリーズが1999年以降複数作られた。アニメでは短編を集めた『伊藤潤二「コレクション」』、Netflixで配信された『伊藤潤二『マニアック』』があり、2024年には『うずまき』のアニメ版が海外制作で放送され、日本でも配信された。原作の緻密な線をどこまで動く絵で再現できるかは毎回議論の的になり、作画の情報量をめぐる賛否が出るのが恒例になっている。

余談[編集]

  • 描かれる恐怖の題材には、渦巻き、穴、増殖、対称性など「本来は怖くないはずの図形や現象」が多い。日常のどこにでもあるものを見ただけで落ち着かなくなる、という後遺症を読者に残すことで知られる。
  • 作品に登場する人物は、恐怖の対象そのものより、それを受け入れてしまう周囲の人間のほうが不気味に描かれることが多い。集団が異常を日常として処理していく描写は、都市伝説や実話怪談の構造とも通じる。
  • 猫を飼い始めた体験を描いたエッセイ漫画も発表しており、ホラー作品とのギャップが話題になった。怖い絵柄のまま猫にでれでれする内容で、入門書として勧める読者もいる。

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