ピノキオ (韓国ドラマ)

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ピノキオ
피노키오 / Pinocchio

主演のイ・ジョンソク(2014年4月)
ジャンル ロマンス / 報道・社会派 / 青春
放送期間 2014年11月12日〜2015年1月15日
放送時間 水・木曜 22:00(KST)
話数 全20話
放送国家 韓国
言語 韓国語
放送局 SBS
制作
演出 チョ・スウォン
脚本 パク・ヘリョン
出演者 イ・ジョンソク、パク・シネ、キム・ヨングァン、イ・ユビ、ユン・ギュンサン、チン・ギョン
その他
原作 なし(オリジナル脚本)

概要[編集]

『ピノキオ』(原題:피노키오)は、2014年11月12日から2015年1月15日までSBSの水木ドラマ枠(22時)で放送された韓国のテレビドラマ。全20話。嘘をつくとしゃっくりが止まらなくなる架空の症状「ピノキオ症候群」を持つヒロインと、幼いころに過熱報道で家族を失った青年が、ともに報道記者となって「見たいニュース」と「伝えるべきニュース」の違いに向き合っていく、社会派テーマと青春ラブストーリーを組み合わせた作品である。

主演はイ・ジョンソクとパク・シネ。脚本は『君の声が聞こえる』(2013年)でもイ・ジョンソクと組んだパク・ヘリョン、演出はチョ・スウォンで、同作の脚本家・演出家・主演俳優が再集結した作品として放送前から注目を集めた。初回は全国7.8%(ニールセン・コリア)で同時間帯2位のスタートだったが、回を追うごとに数字を伸ばし、最終回は全国13.3%(首都圏15.1%)で同時間帯1位となって自己最高を更新した。

日本では「ピノキオ症候群」という言葉とともに知られ、BS-TBS、テレビ大阪、TVQ九州放送などで放送されたほか、DVDも発売されている。

あらすじ[編集]

13年前、ある工場火災の現場で消防隊長キ・ホサンが行方不明になる。生存者が残っていたにもかかわらず隊長が現場から逃げたのではないか――そんな疑惑を、放送局MSCの記者ソン・チャオクが十分な裏付けのないまま大きく報じたことで、キ家は世間の非難を浴び、家族は離散してしまう。

次男のキ・ハミョンは海で漂流していたところを島に住む老人チェ・ゴンピルに助けられる。認知症のゴンピルは少年を亡くした長男「チェ・ダルポ」だと思い込み、ハミョンは素性を隠してダルポとして戸籍に入る。こうして彼は、ゴンピルの孫娘で同い年のチェ・イナから見ると「叔父さん」という奇妙な立場で、一つ屋根の下で育つことになった。

イナは嘘をつくとしゃっくりが出るピノキオ症候群の持ち主で、テレビ記者になることを夢見ている。ところが、イナの母こそがキ家を追い詰めたソン・チャオクだった。高校卒業後、成績優秀でありながら進学をあきらめてタクシー運転手をしていたダルポは、イナの夢を応援するうちに自分も記者を目指す決意を固める。やがてダルポはYGN、イナはMSCという別々の放送局の社会部記者として、事件の現場を駆け回りながら13年前の火災報道の真相と向き合っていく。

物語の軸[編集]

ピノキオ症候群[編集]

劇中の「ピノキオ症候群」は、嘘をつくとしゃっくりが出て、本当のことを言うまで止まらないという架空の症状である。作中では「ピノキオ症候群の人の言葉は必ず真実だと信じられる」という社会通念があり、ピノキオ症候群の記者は「嘘をつけない記者」として信頼される一方、「真実と事実は違う」という問題に直面することになる。嘘をつけないイナが取材で何を伝え、何を伝えないかを選ぶ過程が、報道倫理のテーマと直結している。

報道の責任[編集]

本作の中心にあるのは、「視聴者が見たがるニュース」を流すことで、報じられた側の人生が壊れていくという構図である。ハミョンの兄キ・ジェミョンは、家族を壊した報道とその関係者への怒りを抱えて成長し、物語後半ではその怒りが別の事件として表面化していく。主人公たちが記者として成長する物語であると同時に、メディアの加害性を被害者側から描いた作品でもある。

叔父と姪の恋[編集]

戸籍上ダルポはイナの「叔父」であるため、二人の恋は家族の中でも冗談の種となる。この設定は物語のコミカルな要素であると同時に、ダルポが本当の名前と過去を隠して生きていること、そしてイナの母とキ家の因縁を象徴する装置にもなっている。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

  • イ・ジョンソク:キ・ハミョン/チェ・ダルポ
    本作の主人公。消防隊長キ・ホサンの次男。抜群の記憶力を持つ。チェ家に「ダルポ」として迎えられ、のちに放送局YGNの記者となる。
  • パク・シネ:チェ・イナ
    ピノキオ症候群を持つヒロイン。ダルポの戸籍上の姪。母ソン・チャオクに憧れと反発を抱えつつ、放送局MSCの記者になる。
  • キム・ヨングァン:ソ・ボムジョ
    大手デパートを経営する一族の御曹司。家柄を隠してMSCの記者となり、イナに思いを寄せる。
  • イ・ユビ:ユン・ユレ
    ダルポの同期としてYGNに入社する記者。勝ち気で行動派。

その他の人物[編集]

  • ユン・ギュンサン:キ・ジェミョン(ハミョンの兄)
  • チン・ギョン:ソン・チャオク(MSCの記者・イナの母)
  • キム・ヘスク:パク・ロサ(ボムジョの母・デパート会長)
  • ピョン・ヒボン:チェ・ゴンピル(イナの祖父)
  • シン・ジョングン:チェ・ダルピョン(イナの父)
  • イ・ピルモ:ファン・ギョドン(YGN社会部キャップ)
  • イ・ジュスン:アン・チャンス(YGNの記者)

放送・視聴率[編集]

回 全国(ニールセン・コリア) 備考
第1話(2014年11月12日) 7.8% 首都圏8.4%・同時間帯2位
第20話・最終回(2015年1月15日) 13.3% 首都圏15.1%・同時間帯1位・自己最高

放送枠はSBSの水木ミニシリーズ(22時)。1話あたり約60分で、全20話が約2か月かけて放送された。

音楽[編集]

オリジナル・サウンドトラックには、ロイ・キムが歌う作品と同名の主題曲「ピノキオ」のほか、「初恋」「Non-fiction」「愛は雪のように(사랑은 눈처럼)」「たった一人の人(하나뿐인 사람)」などが収録されている。

受賞[編集]

年 賞 内容
2014年 SBS演技大賞 主演のパク・シネ、イ・ジョンソクらが複数部門を受賞(作品として5冠)
— 第27回グリメ賞 イ・ジョンソク 最優秀男優賞
2015年 ソウル国際ドラマアワード 韓流ドラマ優秀作品賞

評価と反響[編集]

「嘘をつけない人間が記者になったらどうなるか」という思考実験を物語の推進力にした脚本が評価され、報道不信が語られる時代に記者の仕事を正面から描いたドラマとして、韓国ではマスコミ志望の学生に勧められる作品としても名前が挙がる。中国の動画配信サイトへの配信権は1話あたり約28万ドルという、当時の韓国ドラマとしては高水準の価格で販売されたと報じられ、韓流ドラマの輸出価格が上昇した時期を象徴する1本としても語られる。

パク・ヘリョンはその後も『あなたが眠っている間に』(2017年)や『スタートアップ: 夢の扉』(2020年)など、特殊な能力や設定を持つ若者を主人公にしたヒット作を手がけており、本作は『君の声が聞こえる』と並ぶ初期の代表作とされる。

余談[編集]

  • ピノキオ症候群の「嘘をつくと身体に出る」という設定は、同じパク・ヘリョン脚本の『君の声が聞こえる』(他人の心の声が聞こえる少年)と対になっているとよく指摘される。
  • 劇中に登場する放送局MSCとYGNは架空の局である。
  • 最終回はハミョンとイナがタキシードとウェディングドレス姿で愛を確かめ合う場面で締めくくられた。制作陣は照明を柔らかく見せるため特殊な布製スクリーンを使うなど、ロマンチックな場面の演出にこだわったと語っている。
  • イ・ジョンソクはのちに『ロマンスは別冊付録』でも主演を務め、パク・ヘリョン脚本の『あなたが眠っている間に』(2017年、ペ・スジ共演)では検事役で主演し、パク・ヘリョン作品への主演は3作目となった。

関連項目[編集]

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