コメディ・ギャグ

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概要[編集]

コメディ・ギャグとは、笑いを主目的とする作品を指すジャンル区分である。状況や人間関係から笑いを作る「コメディ」と、瞬間的な可笑しさを積み重ねる「ギャグ」を併記した表記で、アニメ漫画の作品分類で広く使われている。

詳細[編集]

コメディとギャグは、笑いの作り方が異なる。

コメディは状況の構築で笑わせる。登場人物の関係や置かれた状況に無理があり、その無理が積み重なった結果として可笑しさが生まれる。前提の説明が必要なぶん時間がかかるが、一度成立すると長く持続する。

ギャグは瞬間で笑わせる。文脈をほとんど必要とせず、絵や台詞の一撃で成立する。連続性を持たないため、前の回を見ていなくても入れるという強みがある一方、同じ手が二度は効きにくい。

日本の漫画アニメでは両者が同一作品内で混在するのが普通で、切り分けて分類する実益が乏しい。二語を中黒でつないだ表記が定着しているのは、この実情による。

ギャグ漫画の特徴[編集]

日本の漫画におけるギャグは、絵そのものが笑いの手段として使われる点に特徴がある。作画の密度を意図的に落とす、逆に無意味に描き込む、コマ割りを崩す、といった漫画表現固有の操作が笑いを生む。台詞だけを翻訳しても面白さが伝わらないのはこのためである。

週刊少年ジャンプでは、連載の合間に置かれる短いギャグ作品が長らく定番だった。銀魂のように、基本はギャグでありながら長編の物語も進行させる作品は、両方の構造を交互に使い分けることで長期連載を成立させている。

こちら葛飾区亀有公園前派出所のような、一話完結で毎回設定をリセットする形式は、ギャグの「連続性を必要としない」性質を最大限に利用した構成である。

コメディの型[編集]

日常ものは、大きな事件を起こさず登場人物のやり取りだけで進める形式で、ちびまる子ちゃんやサザエさんの系譜がこれにあたる。長期放送に向いており、家族向けの時間帯に定着した。

ずれ型は、常識の異なる者同士を同じ場に置いて、そのずれから笑いを作る。異世界から来た人物、身分の違う人物、価値観の古い人物を配置する構成が繰り返し使われている。

シリアスとの落差型は、緊迫した場面に唐突に馬鹿げた要素を差し込む。落差そのものが笑いになるため、本筋が真面目であるほど効果が大きい。

笑いの土地柄[編集]

笑いは文化的な前提への依存度が最も高い表現領域である。言葉遊びは翻訳で失われ、有名人の物真似は対象を知らなければ成立せず、風刺は制度の知識を要求する。アニメが海外に広く流通した現在でも、コメディ・ギャグ作品の受容が国によって大きく差が出るのはこのためである。

日本国内でも、吉本興業を軸とする関西の笑いと、東京のテレビバラエティが育てた笑いでは、間の取り方や役割分担の作法が異なるとしばしば指摘される。ボケとツッコミという構造を前提にした会話は、漫画のコマ運びにも影響を与えている。

余談[編集]

ギャグ漫画の作者が連載中にストーリー要素を導入する現象は繰り返し観察されており、読者からはしばしば「シリアス化」と呼ばれる。笑いだけで長期の連載を維持することの負荷が背景にあるとされるが、作者側がそれを狙って構成している場合もあり、一概に消耗の結果とは言えない。

「中黒でつないだジャンル表記」は日本の作品データベース特有の慣習で、コメディ・ギャグもその一例である。英語圏ではcomedyの一語で済ませるのが普通で、ギャグに相当する独立したジャンル名は置かれていない。

笑いの寿命は他の表現より短いとよく言われる。数十年前のギャグ作品を読むと当時の流行語や商品名が大量に出てくるため意味が取れない、という現象は、逆に言えばその作品が同時代の空気を最も濃く記録しているということでもある。

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