概要
ポケットモンスターとは、1996年2月27日にゲームフリーク開発・任天堂発売で登場したゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター 赤・緑』を起点とするゲームシリーズ、およびそこから広がった作品群の総称である。略称は「ポケモン」。
詳細
原作は携帯ゲーム機用のロールプレイングゲームで、生き物を捕まえて育て、他のプレイヤーと交換・対戦する遊びを中心に据えている。発売当初は市場がすでにゲームボーイから次世代機へ移りつつある時期で、大きな期待を持たれた商品ではなかった。それが口コミで広がり、通信ケーブルを使った交換が学校で流行したことから火がついた、というのが定着した経緯である。
シリーズが長く続いた仕組みとして、次の設計がよく指摘される。
- 同じ内容のソフトを2つのバージョンに分け、それぞれに出現しない種類を置いた。1本では図鑑を完成できないため、遊びの中に必然的に他人とのやりとりが組み込まれる。
- 育てた個体はセーブデータの中で固有のものとして残り、交換に出せば戻ってこない。所有の感覚が強く働く。
- 収集・育成・対戦という3つの遊びが独立していて、どれか1つだけを目的にしても成立する。
つまり「一人で完結しないように設計されている」ことが、遊びを教室や家庭のような集団の中へ持ち出させ、流行の広がり方そのものを作った。本編シリーズの世界累計販売本数は4億8,000万本を超える。
権利と事業の構造
ポケモンの知的財産権は任天堂・ゲームフリーク・クリーチャーズの3社が共有している。1998年にこのIPを専門に扱う会社が設立され、2000年に株式会社ポケモンへ改称した。開発会社でも販売会社でもない「IPを管理してプロデュースする会社」を別に立てた形で、日本のコンテンツ企業としては早い時期の例にあたる。
この構造には実務上の意味がある。ゲーム・アニメ・カードゲーム・映画・商品化はそれぞれ別の会社が手がけるが、どれも同じ一つのIPを使う。権利が1社に偏っていると他分野の展開が後回しになりやすいのに対し、専門会社が中心で調整する形にすると、分野をまたいだ同時展開が組みやすい。「メディアミックスの究極系」と評される展開の速さは、この体制の産物である。
メディア展開
- アニメは1997年に放送開始。以後長期シリーズとして続き、海外でも多数の国で放送された。
- 映画は1998年公開の『ミュウツーの逆襲』が国内興行収入72.4億円を記録し、1999年の全米公開では週間興行ランキング初登場1位となった。日本のアニメ映画が米国で首位を取った早い例である。
- ポケモンカードゲームは1996年10月に発売され、現在も世界規模の競技イベントが行われている。近年は取引価格の高騰が別の話題を生んでいる。
- 2016年7月配信の位置情報ゲーム『ポケモンGO』は配信初月の収益とダウンロード数で世界記録を作り、総売上は60億ドルを超えたとされる。
作品ごとの売上規模を合算したIP収益では、ポケモンが世界1位とする集計が複数ある。集計の範囲(商品化売上を含むか、ゲーム単体か)によって数字は変わるため、順位そのものより「ゲーム発のIPでこの規模に達した例が他にない」という点が重要である。
1997年の放送事故
1997年12月16日放送のアニメの一話で、強い点滅表現により視聴者が体調不良を訴える事案が発生し、多数の搬送者が出た。アニメは数か月間の放送休止となり、以後、放送局と制作側は点滅表現に関する指針を設けた。現在のテレビアニメの冒頭に「部屋を明るくして離れて見てください」という表示が出るのは、この事案を契機に定着した運用である。
よくある質問
- ポケモンの第1作はいつ?
- 1996年2月27日発売のゲームボーイ用『ポケットモンスター 赤・緑』。開発はゲームフリーク、発売は任天堂。
- ポケモンは任天堂の会社?
- 権利は任天堂・ゲームフリーク・クリーチャーズの3社が共有し、株式会社ポケモンが管理・展開を担う。任天堂1社のものではない。
- なぜソフトが2種類あるの?
- 1本では図鑑が完成しない設計にして、プレイヤー同士の交換を前提にしているため。
- ポケモンは何種類いる?
- シリーズが進むごとに追加され続けており、1,000種類を超えている。
- ポケモンGOはまだ人気?
- 2016年の配信以降も運営が続き、長期にわたって高い売上を維持しているゲームとして扱われている。
余談
- 「ポケットモンスター」という名前は英語圏でそのまま使うと別の意味に取られることがあり、海外では略称の Pokémon が正式名称として使われている。日本語の略称が輸出先で正式名になった珍しい例である。
- 初期作品には仕様上の不具合を利用した裏技が多数存在し、それらが攻略情報として口伝で広まったことも流行の一部だった。不具合が文化の一部として記憶されている作品は多くない。
- カードゲームの高額取引はコレクター市場の話題として扱われる一方、ゲームとしてのカード遊びとは別の世界になりつつあるという指摘もあり、評価は分かれている。