| 株式会社ワニブックス WANI BOOKS CO., LTD. | |
|---|---|
| 国家 | 日本 |
| 種類 | 株式会社 |
| 市場情報 | 非上場 |
| 業種 | 出版 |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区恵比寿4丁目4番9号 |
| 設立日 | 1979年11月 |
| 設立者 | 岩瀬順三 |
| 資本金 | 1500万円 |
| 上場 | なし |
| 所有者 | 講談社 |
| 主要株主 | 講談社(親会社・2024年に全株式取得) |
| 主要部門 | 写真集事業、書籍事業、雑誌事業 |
| 主要子会社 | ワニ・プラス |
| 代表作品 | 写真集、ワニブックス「PLUS」新書 |
| リンク | https://www.wani.co.jp/ |
概要
ワニブックスとは、東京都渋谷区恵比寿に本社を置く日本の出版社である。1979年11月に岩瀬順三が設立し、グラビアアイドルやタレントの写真集を主力とする版元として知られる。2024年に講談社の完全子会社となった。
詳細
ワニブックスの位置づけは、日本の写真集市場を見ればすぐに分かる。集英社・講談社・小学館といった総合出版社が自社の雑誌グラビアと連動して写真集を出すのに対し、ワニブックスは雑誌の後ろ盾を持たないまま写真集を主力商品にしてきた出版社である。タレント写真集の刊行点数では長く上位を占めており、この分野の専門版元と言える。
社名の由来は少し変わっている。光文社の看板シリーズだった「カッパ・ブックス」への対抗意識から、「カッパを食うワニ」という意味で名づけられたとされる。後発の出版社が先行するベストセラーレーベルを名指しで意識した命名で、業界の空気がそのまま残っている例である。
設立の経緯も出版業界の内部で完結している。ベストセラーズの創業者である岩瀬順三が、ペップ出版の社員数名を引き取る形で立ち上げた会社であり、まったくの新規参入ではなかった。
沿革の要点
- 1979年11月 - 岩瀬順三が設立。
- 2007年3月 - 吉本興業との共同出資で株式会社ヨシモトブックスを設立。
- 2009年 - 関連会社として株式会社ワニ・プラスを設立。
- 2024年5月24日 - 講談社が全株式を取得し、完全子会社となる。
講談社による子会社化
2024年5月、講談社がワニブックスの全株式を取得した。年商規模20億円台の中堅出版社が大手の傘下に入った案件である。
背景として指摘されるのは、写真集市場の主戦場が紙からデジタルへ移ったことである。デジタル写真集は撮影一回分の素材を紙の写真集と別商品として販売できるため、収益構造が紙時代とまったく違う。青山ひかるのデジタル写真集『Hikaru's Departure』のように、紙の写真集の未収録カットを電子で別売りする形は近年の標準になった。この転換に単独で対応するより、週刊ヤングマガジンやFRIDAYという媒体を持つ講談社の傘下でグラビア事業を束ねたほうが効率的だ、という判断と見るのが自然である。
もっとも、この統合が編集の自由度にどう影響するかは現時点で評価が定まっていない。専門版元としての機動力が失われるとする見方と、資本の安定によって企画の幅が広がるとする見方の両方がある。
グラビア界での役割
グラビアタレントにとって、写真集の刊行は雑誌グラビアの次に来る節目にあたる。雑誌は編集部の企画に呼ばれる形だが、写真集は一冊まるごとが本人の商品になるためである。ワニブックスはその受け皿として長く機能してきた版元であり、ゼロイチファミリア所属のタレントを含め、多くのグラビアアイドルの写真集を手がけている。
雑誌側の週刊プレイボーイ・週刊ヤングジャンプ・週刊ヤングマガジン・FLASH・FRIDAYと、写真集側のワニブックスという二層構造が、日本のグラビア産業の基本的な形になっている。
余談
- 「カッパを食うワニ」という命名は、後発出版社の気概を示す逸話として業界内で繰り返し語られてきた。ちなみにカッパ・ブックスを擁した光文社は音羽グループで、ワニブックスを買収した講談社と同じ系列である。45年越しに同じ陣営に収まったことになる。
- 2007年に設立されたヨシモトブックスは吉本興業との共同出資で、お笑い芸人の書籍を集中的に扱った。芸人の著書が書店の棚で一ジャンルを形成する流れは、この時期に加速している。
- デジタル写真集の普及によって、写真集は「一冊の本」から「撮影素材のパッケージ」へと性格を変えつつある。長く現役を続けるタレントほど過去の撮影分の在庫が厚くなるため、キャリアの長さがそのまま商品数になるという構造が生まれた。