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概要[編集]

ビッグコミックとは、小学館が発行する青年向け漫画雑誌である。1968年2月29日に同年の4月号として創刊され、「大人が読み応えを感じる漫画誌」という分野を確立した最初期の雑誌にあたる。

詳細[編集]

創刊当時、漫画は子どものものという前提が強く、大人向けの漫画雑誌という商品は市場にほとんど存在しなかった。ビッグコミックはそこへ、劇画と呼ばれる写実的な絵柄と、社会・仕事・犯罪といった大人の題材を組み合わせて入っていった。これが成功したことで、週刊ヤングジャンプ週刊ヤングマガジンに代表される青年誌という区分そのものが後から成立していく。少年漫画と青年漫画の線引きが「掲載誌の対象読者」で決まる現在の慣行も、この時期に青年誌という棚ができたことの結果である。

創刊は月刊だったが、1969年4月25日号から毎月10日・25日の月2回刊となり、現在もこの刊行間隔が続いている。2024年の平均発行部数は13万部とされる。

誌面の特徴[編集]

創刊号には手塚治虫や水木しげるといった当時すでに大家だった作家が名を連ね、小説家の小松左京が小説を寄せている。漫画雑誌でありながら小説や読み物を同居させる作りは、大人向けの総合誌として設計されたことを示している。

誌の代名詞となっているのが、さいとう・たかをによる『ゴルゴ13』である。創刊の翌年から連載が始まり、作者の没後も制作体制を引き継いで連載が続いている。一人の作家の手を離れても作品が継続する形は日本の漫画では例が少なく、これは『ゴルゴ13』が当初から分業制のプロダクション方式で描かれてきたことによる。作画・背景・資料調査を分担する体制を早くから組んでいたため、作者個人が抜けても工程が止まらない構造になっていた。

『ゴルゴ13』のほかにも、医療・政治・料理・歴史といった専門領域を扱う長期連載が多いのが特徴で、これは読者が固定していることと表裏一体である。読者が数年で入れ替わる月刊コロコロコミックちゃおのような小学生向け雑誌とは、同じ小学館の雑誌でもまったく設計が違う。

青年誌としての位置[編集]

小学館は青年向けに複数の雑誌を並行させており、ビッグコミックのほかにビッグコミックオリジナル、ビッグコミックスピリッツなどがある。誌名を共有しつつ対象年齢と作風をずらす構成で、これはレーベルを細分化して客層を混ぜない考え方にあたる。同じ発想は出版社漫画部門に広く見られる。

紙の雑誌市場全体が縮小する中で、ビッグコミック系の各誌も部数を減らしている。ただし青年誌は読者の年齢層が高く、単行本を買う習慣がある読者を抱えているため、部数の数字だけでは事業の規模が測りにくい面がある。

よくある質問[編集]

ビッグコミックはいつ創刊?
1968年2月29日発売の4月号が創刊号。2018年に創刊50周年を迎え、復刻版創刊号が発売された。
発行間隔は?
創刊時は月刊、1969年4月25日号から毎月10日・25日の月2回刊。
発行部数は?
2024年の平均で13万部とされる。
『ゴルゴ13』は作者が亡くなった後も続いているの?
さいとう・たかをの没後も、生前から敷かれていたプロダクション体制を引き継いで連載が継続している。
ビッグコミックとビッグコミックオリジナルは何が違う?
同じ小学館の青年誌だが、対象年齢と作風をずらした別の雑誌である。

余談[編集]

  • 創刊号が3人の巨匠と小説家を同時に並べる豪華な布陣だったのは、大人向け漫画誌という前例のない商品に説得力を持たせるためで、「誰が描いているか」で棚の位置を証明しにいった形といえる。
  • 表紙に人物の似顔絵イラストを使い続けている点は、写真を使う雑誌が多い中で異色である。長く同じ形式を保つこと自体が棚での識別性になっている。
  • 青年誌という区分が生まれたことで、漫画は「子ども向けから卒業する読み物」ではなく「年齢に応じて読む雑誌が変わる読み物」になった。日本で成人の漫画読者がこれほど多い理由の一つは、この棚の作り方にある。

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