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バラエティでは、演じる能力より「その場で反応する能力」が評価される。台本があっても、出演者が想定どおりに動かなかったときのほうが面白くなる、という前提で作られているためである。お笑いの芸人が司会と回し役の中心を占めてきたのは、話の流れを崩さずに脱線を回収する技術が、この形式に直接必要だったからである。 | |||
同時に、この評価軸は出演者を固定しやすい。一度「こういう反応をする人」として認識されると、その役割を期待される仕事が集まり、別の性格の仕事に移りづらくなる。バラエティ出身のタレントが俳優として再評価されるまで時間がかかる例が多いのは、演技力の問題というより、視聴者の側の認識が先に固まっているためである。 | 同時に、この評価軸は出演者を固定しやすい。一度「こういう反応をする人」として認識されると、その役割を期待される仕事が集まり、別の性格の仕事に移りづらくなる。バラエティ出身のタレントが俳優として再評価されるまで時間がかかる例が多いのは、演技力の問題というより、視聴者の側の認識が先に固まっているためである。 | ||
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この変化には「表現の幅が狭まった」という評価と、「以前の形式が成立していたのは苦情が可視化されていなかっただけだ」という評価の双方がある。どちらが正しいかは論者によって分かれており、決着していない。 | この変化には「表現の幅が狭まった」という評価と、「以前の形式が成立していたのは苦情が可視化されていなかっただけだ」という評価の双方がある。どちらが正しいかは論者によって分かれており、決着していない。 | ||
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制作の中心は[[キー局]]、すなわち[[日本テレビ]]・[[テレビ朝日]]・[[TBS]]・[[フジテレビ]]・[[テレビ東京]]の各局にある。[[NHK]]も独自のバラエティ枠を持つが、[[広告]]収入を持たないぶん[[視聴率]]の扱いが異なる。各番組の数字は[[ビデオリサーチ]]が調査している。 | |||
放送後の番組は[[TVer]]で一定期間公開され、[[Hulu]]や[[ABEMA]]といった[[動画配信サービス]]に回る例も多い。[[YouTube]]の公式チャンネルで過去回や未公開部分を出す運用も定着しており、放送の一回で終わらない構造に変わりつつある。 | |||
== よくある質問 == | == よくある質問 == | ||
'''Q. バラエティに台本はある?''' | '''Q. バラエティに台本はある?''' | ||
2026年9月19日 (土) 18:19時点における最新版
概要[編集]
バラエティ番組とは、トーク・ゲーム・ロケ・コント・クイズなどを組み合わせて構成される娯楽番組の総称である。テレビドラマのように筋書きを最後まで演じ切る形式ではなく、出演者の反応そのものを見せ場にする点に特徴があり、日本の民間放送の編成で最も大きな比重を占めてきたジャンルである。
詳細[編集]
何をもってバラエティと呼ぶのか[編集]
バラエティという語は、もともと寄席の「バラエティショー」に由来し、歌・踊り・寸劇などを取り合わせた興行を指していた。テレビに持ち込まれた当初もこの意味に近かったが、現在の日本の用法はさらに広く、「テレビドラマでもニュースでもスポーツ中継でもない娯楽番組」をほぼ全て含む。定義が緩いというより、他のジャンルを引き算した残りがバラエティという枠に入っている。
制作費の構造が形を決めた[編集]
バラエティが編成の中心になった理由は、内容の人気だけでは説明できない。テレビドラマは脚本・美術・ロケ地・出演者を一話ごとに揃える必要があり、一話あたりの費用が大きい。バラエティはスタジオのセットを使い回し、同じ出演者が毎週集まる形にすれば、回を重ねるほど一回あたりの費用が下がる。
さらに、当たり外れの読みやすさが違う。ドラマは初回が振るわなければ最終回まで立て直しが難しいが、バラエティは企画を差し替えながら続けられる。長期間続く番組が多いのはこのためで、視聴率が安定した枠を作りやすいという点が、広告枠を売る側にとって大きな利点になっている。
出演者の性格[編集]
バラエティでは、演じる能力より「その場で反応する能力」が評価される。台本があっても、出演者が想定どおりに動かなかったときのほうが面白くなる、という前提で作られているためである。お笑いの芸人が司会と回し役の中心を占めてきたのは、話の流れを崩さずに脱線を回収する技術が、この形式に直接必要だったからである。
同時に、この評価軸は出演者を固定しやすい。一度「こういう反応をする人」として認識されると、その役割を期待される仕事が集まり、別の性格の仕事に移りづらくなる。バラエティ出身のタレントが俳優として再評価されるまで時間がかかる例が多いのは、演技力の問題というより、視聴者の側の認識が先に固まっているためである。
表現をめぐる変化[編集]
1980年代から1990年代にかけて主流だった、体を張る企画や出演者をいじる形式は、2000年代以降に見直しが進んだ。放送基準の運用が厳しくなったこと、SNSで放送後の反応が可視化されるようになったこと、切り抜き動画として一部分だけが切り出されて拡散するようになったことが重なっている。
この変化には「表現の幅が狭まった」という評価と、「以前の形式が成立していたのは苦情が可視化されていなかっただけだ」という評価の双方がある。どちらが正しいかは論者によって分かれており、決着していない。
制作の中心と配信[編集]
制作の中心はキー局、すなわち日本テレビ・テレビ朝日・TBS・フジテレビ・テレビ東京の各局にある。NHKも独自のバラエティ枠を持つが、広告収入を持たないぶん視聴率の扱いが異なる。各番組の数字はビデオリサーチが調査している。
放送後の番組はTVerで一定期間公開され、HuluやABEMAといった動画配信サービスに回る例も多い。YouTubeの公式チャンネルで過去回や未公開部分を出す運用も定着しており、放送の一回で終わらない構造に変わりつつある。
よくある質問[編集]
Q. バラエティに台本はある? ある。ただし全ての発言が決まっているわけではなく、流れと企画の骨組みを示す構成台本であることが多い。
Q. 「ひな壇」とは? スタジオの後方に段状に並んだ出演者席のこと。司会が話題を振り、そこから反応が返る構成が定着した。
Q. 深夜のバラエティはなぜ実験的? 視聴者数が少ない時間帯は広告枠の値段も低く、外したときの損失が小さい。新しい企画を試す場として使われてきた。
Q. 配信のバラエティとテレビのバラエティは違う? 動画配信サービスでは放送時間の制約と放送基準の適用が異なるため、尺と表現の幅が変わる。出演者と制作陣はかなり重なっている。
余談[編集]
- 長寿番組の多くは、開始時の企画から中身がほぼ入れ替わっている。看板と出演者だけが残り、内容が別物になっても同じ番組として続くのは、バラエティという枠の緩さゆえに可能なことである。
- 「バラエティ」は海外では variety show として歌と寸劇の番組を指すのが普通で、日本語の用法とは範囲が食い違う。海外向けに日本の番組を説明するとき、この語の訳し方が毎回問題になると言われる。
- 大阪の民間放送が制作するバラエティが独自の色を保ってきたのは、キー局とは別に制作機能が残り続けたためである。