R18.com
R18.com
DMMcom_logo.svg
R18.comを運営していたDMM.comのロゴ(出典:ウィキメディア・コモンズ、パブリックドメイン)
サイト名 R18.com
言語 英語、中国語
タイプ 成人向け動画配信・販売サイト
国 日本
種類 動画配信(ストリーミング・ダウンロード販売、月額チャンネル)
創設 2013年5月
創設者 DMM.com
運営者 株式会社デジタルコマース(2018年3月以降。それ以前はDMM.com)
営利性 営利
登録 必要(DMMアカウントでのログインも可)
開始 2013年5月
終了 2023年1月31日(販売終了は2022年10月24日、完全閉鎖は2023年5月12日)
現在の状態 サービス終了
別名 R18

概要[編集]

R18.comとは、DMM.comグループが運営していた、日本のアダルトビデオを海外のユーザー向けに配信・販売するための英語圏向けウェブサイトである。国内向けブランド「DMM.R18」(現・FANZA)の海外版という位置づけで、2013年5月に開設され、約9年半の運営を経て2022年10月に販売を終了、2023年1月31日に閉鎖された。

詳細[編集]

どんなサイトだったのか[編集]

R18.comは、日本で制作・販売されている成人向け映像作品を、日本語が読めない海外ユーザーでも購入できるようにした「公式の窓口」である。英語版Wikipediaでは、20万本を超える作品をストリーミングとダウンロードで提供する「インターネット上で最大の英語による日本製アダルトビデオのライブラリ」と紹介されている。

扱っていたのは国内のDMM.R18/FANZAと同系統の作品群で、単品購入(PPV)の動画のほか、月額制のチャンネル、VR作品、成人向けアニメなども販売していたとされる。サイトの表記は英語が基本で、中国語表示にも対応していた。いわば「FANZAの国際版」だったわけである。

運営会社の変遷[編集]

開設したのはDMM.comである。その後、2018年3月1日にDMM.comのインターネットサービス事業の一部が分社化され、成人向け事業は株式会社デジタルコマースに譲渡された。日本語版Wikipediaの「FANZA」の記事では、この時にデジタルコマースが譲り受けた事業の一つとしてR18.comの名前が挙げられている。

つまり2018年以降のR18.comは、国内のFANZAと同じデジタルコマースが運営する「FANZAの兄弟サイト」だったということになる。なお英語版Wikipediaでは、DMMと関係の深い流通会社である北都(Hokuto Corporation)の項目の中でR18.comが紹介されており、海外ではDMM系列の一事業として認識されていた。

開設から閉鎖までの年表[編集]

  • 2013年5月 - DMM.comが英語版の成人向けサイトとしてR18.comを開設。
  • 2018年3月1日 - DMM.comの成人向け事業がデジタルコマースに移り、R18.comもその対象に含まれる。
  • 2018年8月1日 - 国内向けブランド「DMM.R18」が「FANZA」に名称変更。
  • 2022年10月24日 - コンテンツの販売を終了し、サイト閉鎖を告知。以降は購入済み作品の視聴のみ可能に。
  • 2023年1月31日 - 会員アカウントに関する問い合わせ窓口を除いてサイトを閉鎖。購入済み作品も視聴できなくなる。
  • 2023年5月12日 - 告知どおり完全に閉鎖。

閉鎖時のサイトには「After 9 years of helping people discover and share great contents, R18.com ended selling content.」(9年にわたり素晴らしいコンテンツとの出会いを手助けしてきたR18.comは、コンテンツの販売を終了しました)という趣旨の文言が掲げられていた。「9年」という数字は2013年開設とぴったり合う。

海外向けサービスとしての特徴[編集]

英語のインターフェースと作品情報[編集]

R18.com最大の売りは、なんといっても英語で探せることである。国内のFANZAは基本的に日本語のみで、作品タイトルや出演者名、ジャンル名もすべて日本語表記だった。日本語を読めない海外ファンにとっては、検索すらままならない状態だったのである。

R18.comでは作品タイトルや出演者名、ジャンルなどが英語に翻訳・ローマ字化されて掲載されていた。このため、海外のファンの間では作品データベースとしても重宝されていた。後述するように、作品情報を自動で取得する海外製の管理ソフトの多くがR18.comのページを情報源にしていたほどである。

英語字幕について[編集]

「R18.comなら英語字幕付きで見られるのか」という疑問はよく見られるが、基本的に販売されていた作品は国内向けと同じ日本語音声の映像であり、全作品に英語字幕が付いていたわけではない。一部に字幕付きの作品があったという話もあるが、確認できる情報は少ない。

海外ユーザーにとっての「英語対応」は、主にサイトのメニューや作品情報が英語で読める点にあったといえる。作品そのものの言語の壁は残っていたため、字幕を求める声は海外のファンコミュニティで根強かった。

モザイク処理[編集]

R18.comで販売されていたのは日本の正規メーカーの作品であり、日本国内で流通しているものと同じくモザイク処理済みの映像である。日本では刑法175条(わいせつ物頒布等の罪)との関係から、国内で流通する成人向け映像には修正を入れるのが業界の慣行となっている。

海外向けサイトだからといって無修正版が売られていたわけではなく、この点は海外ユーザーの間でもよく知られていた。逆にいえば、日本の正規の流通ルートに乗った作品を、そのままの形で海外から合法的に買える数少ない手段だったわけである。

決済とアカウント[編集]

決済は海外発行のクレジットカードなどで行う方式で、日本の国内サービスで壁になりがちな「海外カードが通らない」という問題を回避できる点も海外ユーザーにとっての利点だったとされる。また、R18.comには国内のDMMアカウントでもログインできた。

一方、DMM系列のサービスは国内向けのアフィリエイト制度を海外向けには提供しておらず、日本在住者はR18.comのアフィリエイトに登録できない状態だったと紹介されている。あくまで海外ユーザー向けに切り分けられたサービスだったことがうかがえる。

視聴方式とDRM[編集]

購入した動画はDRM(デジタル著作権管理)で保護されており、R18.com専用のプレーヤーでしか再生できない仕組みだった。ストリーミングでもダウンロードでも、ファイルを自由に扱える形では提供されていなかったのである。

この仕様が、のちの閉鎖時に「買ったはずの作品が見られなくなる」という大きな問題につながっていく。

サービス終了の経緯[編集]

突然の販売終了告知[編集]

2022年10月24日、R18.comは新規の販売を終了し、サイトを閉鎖することを告知した。それまで目立った前触れがなかったこともあり、海外のファンコミュニティには驚きが広がった。

発表後は購入済み作品の視聴のみが可能な状態となり、2023年1月31日をもって会員アカウント関連の問い合わせ窓口を除いて閉鎖された。その後も残っていた問い合わせ対応も、2023年5月12日に終了している。なお、英語版Wikipediaの一部記事では閉鎖日を「2023年1月1日」とするものもあるが、多くの情報源は1月31日としている。

閉鎖の理由[編集]

運営側から閉鎖の詳しい理由は公表されていない。そのため、海外ではさまざまな推測が語られた。

よく挙げられるのは、違法アップロードサイトの増加で正規販売の採算が取りにくくなったという見方、競争の激化や海外向けのライセンス処理の複雑さといった事業上の事情、そして国際的なカードブランドによる成人向けコンテンツへの締め付けである。カードブランドの規制は、同じ日本の成人向け販売サイトであるDLsiteなどでも決済手段の停止として表面化しており、R18.comの閉鎖とも関連づけて語られることがある。ただし、いずれも公式に認められた理由ではない。

購入済み作品の扱い[編集]

最もユーザーに打撃を与えたのが、購入済み作品が閉鎖とともに視聴できなくなったことである。前述のとおり作品はDRMで保護され専用プレーヤーでしか再生できなかったため、サイト閉鎖後は手元に残す手段がなかった。

国内のFANZAへの購入履歴の引き継ぎについて、公式な移行措置が用意されたことを確認できる情報は見当たらない。海外のフォーラムでも「購入履歴をFANZAに移せた」という報告はなく、ユーザーの多くは閉鎖期限までに何とかしようと奔走することになった。

移行先としてのFANZA[編集]

R18.comの閉鎖後、海外の利用者の間で「正規の受け皿」として名前が挙がったのは、同じデジタルコマースが運営する国内版のFANZAである。もともとR18.comはFANZAの海外版であり、扱う作品の大部分は共通していた。FANZAの方がむしろカタログは広く、4K作品や月額見放題なども揃っている。

ただし、FANZAは日本語中心のサイトであり、R18.comのような英語の作品情報はない。しかも後述のように、FANZAには日本国外からの利用に制限がかかっている。結果として、R18.comの閉鎖は「海外から日本の作品を正規に買うための最も手軽な手段が失われた」出来事として受け止められた。

FANZA(旧DMM.R18)との関係[編集]

DMM.R18からFANZAへ[編集]

国内向けの成人向けブランドは、かつて「DMM.R18」と呼ばれていた。2018年8月1日、このブランドは「FANZA」に名称を変更している。当時のプレスリリースによれば、FANZAという名前は「ファンタジー(FANtasy)」の「FAN」と、「座」や「ZからAまで」を表す「ZA」を組み合わせたもので、「さまざまな空想を提供する場所」という意味が込められている。

日本語版Wikipediaでは、この名称が「海外展開を考え英語圏でも通じやすい名称」として考えられたことが紹介されている。皮肉なことに、英語圏でも通じる名前に変えた国内ブランドは残り、英語で運営していた海外版の方が先に姿を消すことになった。

名前の由来[編集]

「R18」は、日本で18歳未満の閲覧・購入を禁止する区分を表す一般的な表記である。国内ブランド名だった「DMM.R18」の「R18」をそのままドメイン名にしたのが「R18.com」というわけだ。シンプルながら海外でも意味が伝わる、非常に覚えやすいドメインだったといえる。

一般向けDMMとの分離[編集]

DMMグループでは、全年齢向けのDMM.comと成人向けのFANZAがドメインで分けられている。R18.comも同様に、全年齢向けサービスとは切り離された独立ドメインで運営されていた。一方でDMMアカウントは共通で使えたため、国内ユーザーがR18.comにログインすることも可能だった。

終了後の状況[編集]

FANZAの海外利用制限[編集]

R18.com閉鎖後、海外ユーザーがFANZAを利用しようとする動きもあったが、DMMグループは日本国外のIPアドレスからのログインや閲覧に制限をかけている。中国語の百科事典サイトでは、日本国外のIPからはDMMにログインできず、トップページ以外にアクセスできないと説明されている。

韓国のナムウィキによれば、この海外アクセス制限は2024年5月20日ごろから本格的に強化されたとされる。原因については、国際的なカードブランドによる成人向けコンテンツ規制との関係を指摘する声があるが、DMM側から公式な説明は出ていないとされる。

作品データベースとしての穴[編集]

R18.comの閉鎖は、作品を買っていたユーザーだけでなく、作品情報を整理していた海外のファンにも影響した。海外製の動画管理ソフトには、作品番号からタイトルや出演者、ジャケット画像などを自動で取得する機能を持つものが多く、その取得元として英語の情報が揃っていたR18.comが使われていた。

たとえばGitHubで公開されている管理ツール「Javinizer」では、2022年に「R18.com is closing down」という課題が立てられ、予告編動画や出演者画像の取得先をDMMのサーバーに切り替える方法などが議論された。また、有志によってR18.comの作品データを保存・公開するメタデータのプロジェクトも立ち上がっている。

海外ファンの反応[編集]

「買ったのに失った」という不満[編集]

閉鎖の告知後、海外のフォーラムでは「何年も買い続けてきたのに、すべて失った」「騙された気分だ」といった声が相次いだ。200本以上の作品をライブラリに持っていたというユーザーもおり、閉鎖期限までに手元に残す方法を探す投稿が多く見られた。

この一件は、ダウンロード販売であってもDRMで保護された作品は「所有」ではなく「視聴する権利」にすぎないという、デジタルコンテンツ全般の問題を象徴する例としても語られた。

正規の購入手段が減ったことへの嘆き[編集]

もう一つ多かったのは、「海外から合法的に買える手段がまた一つ減った」という嘆きである。R18.comは、海外ファンが制作者に正規の対価を払える数少ない窓口だった。閉鎖によって、英語で検索でき、海外のカードで決済でき、日本のメーカーの作品を正規に買えるという三拍子が揃ったサービスが消えたことになる。

その後、管理ソフトの開発者が「R18.comは閉じたが、DMM(FANZA)という別の扉はまだ開いている」として、国内版を通じた正規購入を呼びかける記事を公開するなど、FANZAへの移行を勧める動きもあった。

日本国内での反応[編集]

一方、日本国内ではR18.comの存在自体があまり知られておらず、閉鎖も大きなニュースにはならなかった。国内ユーザーにとってはFANZAを使えば済むため、影響はほとんどなかったのである。海外では大ニュース、国内ではほぼ無風という温度差も、このサイトの性格をよく表している。

炎上とバズ[編集]

閉鎖告知が海外コミュニティで話題に[編集]

2022年10月の閉鎖告知は、海外の掲示板や動画管理ソフトのコミュニティで大きな話題となった。GitHubやインディーゲーム配信サイトitch.io上の開発者コミュニティなどで「購入済み作品をどうするか」「作品情報の取得先をどう切り替えるか」といった議論が相次いだ。

FANZAの海外制限への不満[編集]

R18.com閉鎖後に受け皿とされたFANZAでも、海外からのアクセス制限が強化されたことで、海外ユーザーの不満はさらに高まった。海外のツール開発者が「DMMは日本国外のユーザーに対して敵対的な姿勢を強めている」と批判する記事を公開するなど、R18.com閉鎖からの一連の流れとして語られることが多い。

余談[編集]

  • 閉鎖時に掲げられた「After 9 years」の文言のとおり、R18.comの寿命はちょうど約9年半。開設は2013年5月、販売終了は2022年10月である。
  • 一部の海外の紹介記事では「1998年開設」「2009年から運営」など開設時期がまちまちに書かれているが、これはDMM本体の歴史などと混同されたものとみられる。英語版Wikipediaでは2013年5月開設とされている。
  • 英語版Wikipediaの記事のなかには、閉鎖日を「2023年1月1日」とするものと「2023年1月31日」とするものが混在している。
  • FANZAという名前は「英語圏でも通じやすい名称」として考えられたが、肝心の英語圏向けサイトはFANZAに統合されることなく閉鎖されるという結果になった。
  • DMM系列ではその後も海外ユーザーをめぐる話題が続き、2025年4月には動画再生アプリ「DMM動画プレイヤー」のiOS版が突如として新規ダウンロードできなくなり、FANZAが新しい視聴アプリの提供を検討していると発表したことが報じられた。

外部リンク[編集]

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