NARUTO -ナルト-

概要[編集]

NARUTO -ナルト-は、岸本斉史による忍者バトル漫画。週刊少年ジャンプにて1999年から2014年まで連載され、全72巻が刊行された。落ちこぼれの忍者・うずまきナルトが、里一番の忍「火影(ほかげ)」を目指して成長していく王道少年漫画だが、その人気は国内にとどまらず、世界累計発行部数は2億5000万部超を記録する超国際派タイトルである。

特にアメリカをはじめとする海外での人気が凄まじく、「日本のアニメ・マンガといえばNARUTO」と答える外国人が今なお多いほど。海外のコスプレイベントでは走るときに腕を後ろに引く「ナルト走り」がすっかり定着しており、もはや一種のミームと化しているらしい。

あらすじ[編集]

木ノ葉隠れの里に生まれたうずまきナルトは、体の中に里を襲った尾獣「九尾」を封印された少年。そのせいで里の人々から疎まれ、孤独な幼少期を過ごす。だが「いつか火影になって皆に認めさせる」という夢を胸に、忍者学校(アカデミー)を卒業し、ライバルのうちはサスケ、想いを寄せる春野サクラ、担当上忍のはたけカカシとともに「第七班」として任務に挑んでいく。

物語は、里の存続をかけた戦い、サスケの離反と追跡、そして忍世界全体を巻き込む「第四次忍界大戦」へと壮大にスケールアップしていく。孤独だった少年が仲間と絆を育み、やがて世界を背負う英雄へと成長していく姿が、多くの読者の胸を打った。

主な登場人物[編集]

主人公のうずまきナルトは、明るく前向きでお調子者だが、誰よりも仲間思いの熱血少年。彼の生涯のライバルにして親友が、一族を失った天才忍者うちはサスケである。二人の関係は「友情」と「宿命」の間で揺れ動き、物語全体を貫く最大のテーマとなっている。

ヒロインの春野サクラは医療忍術の使い手として成長し、のちにナルトを陰で支える日向ヒナタも重要な役どころを担う。担当上忍のはたけカカシは「写輪眼のカカシ」の異名を持つ天才忍で、飄々とした性格ながら師として弟子たちを導く。ほかにも自来也綱手我愛羅うちはイタチなど、深い背景を持つキャラが数多く登場し、それぞれの生き様が物語に厚みを与えている。

忍術と世界観[編集]

NARUTOの世界では、忍が「チャクラ」と呼ばれるエネルギーを練り、印を結ぶことで多彩な「忍術」を発動する。火・水・風・雷・土の五大性質変化を基本に、瞳術「写輪眼」「輪廻眼」、影分身、口寄せの術など、バラエティ豊かな技が登場するのが魅力だ。

忍は「里」と呼ばれる組織に属し、里同士の力関係や同盟が世界情勢を左右する。木ノ葉隠れ・砂隠れ・霧隠れなど「五大忍の里」を中心とした政治・軍事のリアルな駆け引きも作品の読みどころ。「うちは一族の悲劇」「尾獣と人柱力」といった重いテーマが物語後半で次々と明かされ、単純な勧善懲悪に収まらない深さを見せる。

BORUTOへの継承[編集]

本編完結後、ナルトの息子・うずまきボルトを主人公とした続編『BORUTO -ボルト-』が連載・アニメ化された。火影となったナルトの新時代を舞台に、科学忍具など新たな要素を盛り込みつつ、新世代の忍たちの物語が描かれている。

旧作ファンからは「親世代の活躍が見られて嬉しい」という声と「ナルトたちが弱体化して見える」という賛否両論があるものの、世界観を受け継ぐ正統続編として定着。岸本斉史自身も監修・執筆に関わり、シリーズの未来を紡いでいる。

アニメと劇場版[編集]

テレビアニメは2002年に放送開始。シリーズは『NARUTO -ナルト-』と、ナルトが成長した後を描く『NARUTO -ナルト- 疾風伝』に分かれ、長期にわたり放送された。劇場版も多数公開されており、特にナルトとヒナタの関係を描いた『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』はファンに高く評価されている。

主題歌には当時の人気アーティストが多数起用され、オープニング・エンディング曲も世代を象徴する名曲ぞろい。海外配信を通じて世界中にファンを獲得し、「日本アニメの世界進出」を象徴する作品のひとつとなった。

第七班とライバルたち[編集]

ナルト・サスケ・サクラの第七班に加え、同期の忍たちもそれぞれ個性的で人気が高い。影を操る奈良シカマル、虫を操る油女シノ、犬を相棒とする犬塚キバ、運命を信じる宿命の少年ネジ、努力の天才ロック・リーなど、サブキャラの掘り下げが丁寧なのもNARUTOの魅力だ。

とりわけシカマルの「めんどくせぇ」が口癖ながら抜群の頭脳を発揮するギャップや、ロック・リーの「努力は才能を超える」という生き様は、多くのファンに愛されている。砂隠れの里の我愛羅は当初は孤独な敵として登場するが、ナルトとの対話を経て心を通わせ、のちに里の長「風影」へと成長していく。こうした「敵すら仲間に変えていく」展開がナルトという主人公の真骨頂である。

暁(あかつき)と最大の脅威[編集]

物語後半で立ちはだかるのが、各里を抜けた凄腕の抜け忍たちで構成される犯罪組織「暁(あかつき)」である。黒地に赤い雲をあしらったマントがトレードマークで、メンバーはいずれも一騎当千の実力者ぞろい。世界中に散らばる尾獣を狙い、忍世界を根底から揺るがす陰謀を進めていく。

うちはイタチ、ペインデイダラうちはマダラなど、暁のメンバーはそれぞれ重い過去と思想を背負っており、単なる悪役にとどまらない深みを持つ。とりわけイタチの「一族抹殺の真実」が明かされる展開は、シリーズ屈指の衝撃として語り継がれている。彼らの存在が、ナルトたちが立ち向かう「第四次忍界大戦」へと物語を導いていく。

主題歌・音楽[編集]

NARUTOシリーズはタイアップ楽曲の名曲ぞろいでも知られる。オープニングには当時の人気バンドやアーティストが多数起用され、世代を象徴するアニソンを多く生み出した。海外ファンの間でも日本語のまま主題歌を歌う動画が人気を集め、アニソン文化の世界進出に一役買った。

劇伴を手がけたのは作曲家チームで、和楽器を取り入れた勇壮な戦闘曲「疾風」系の楽曲は、バトルの盛り上がりを最大限に引き立てると高く評価されている。コンサートやオーケストラ公演も開催され、音楽面からもファンを魅了し続けている。

ゲーム・関連メディア[編集]

NARUTOは家庭用ゲームでも数多くの作品が発売されており、特に3D対戦アクション『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム』シリーズは原作の名バトルを美麗な映像で再現し、国内外で高い評価を獲得した。海外では格闘ゲームコミュニティでも遊ばれるほどの人気タイトルとなっている。

スマートフォン向けゲームや、続編『BORUTO』とのクロスオーバー作品も展開されており、原作完結後も新規ファンを獲得し続けている。フィギュアやカードゲームなどグッズ展開も盛んで、いまや世界規模のメディアミックスへと発展している。

評価と功績[編集]

NARUTOは「努力で道を切り開く落ちこぼれ」という普遍的なテーマを、忍者という日本独自のモチーフで描き切ったことで、国境や文化の壁を越えて支持された。孤独・差別・戦争の連鎖といった重いテーマを少年漫画の枠組みで真正面から扱った点も高く評価されている。

「許し合うことでしか連鎖は断ち切れない」というメッセージは、単なるバトル漫画を超えた普遍性を持つとされ、教育や講演の題材に引用されることもある。海外における日本のポップカルチャー(クールジャパン)の象徴として、その功績はあまりにも大きい。

名シーン・名言[編集]

NARUTOには胸を打つ名言・名シーンが数多く存在する。自来也がナルトに託した「'忍耐」の教えや、命を懸けてナルトを守った師の生き様は、多くの読者の記憶に刻まれている。日向ヒナタがペインとの戦いでナルトを庇い、それまで秘めてきた想いを口にする場面は、シリーズ屈指の名シーンとして愛されている。

「自分の言葉は曲げねぇ。それがおれの忍道だ」というナルトの信念は、作品全体を貫くテーマ。落ちこぼれが決して諦めず、敵すらも理解し受け入れていく姿勢は、世界中の読者に「努力すれば報われる」という希望を与えた。サスケとの長きにわたる因縁の決着は、友情と宿命のドラマの集大成として語り継がれている。

炎上とバズ[編集]

  • 「ナルト走り」の世界的流行 - 腕を後ろに伸ばして走る忍者走りが海外で大ブームに。アメリカでは「エリア51に集まってナルト走りで突入しよう」というネットジョークが社会現象化したこともあった。
  • 最終回のサスケとの決着 - 長年の宿敵サスケとの最終決戦は「少年漫画史に残る名バトル」と絶賛される一方、結末の解釈を巡ってファンの議論が白熱した。
  • カップリング論争 - 誰と誰が結ばれるかを巡るファン同士の「カップリング戦争」は連載中から激しく、最終的な恋愛模様の決着には賛否が渦巻いた。
  • 海外人気の逆輸入 - 海外での爆発的人気が日本に逆輸入され、「世界で一番有名な日本の忍者漫画」として改めて評価される現象が起きた。
  • BORUTOの展開 - 続編での衝撃的な展開がたびたびSNSでトレンド入りし、旧作ファンを巻き込んだ論争を呼んでいる。
  • 岸本斉史の作画スピード - 週刊連載で緻密な忍術バトルを描き続けた画力と構成力は、後進の漫画家たちから尊敬を集めた。
  • スピンオフの充実 - サスケを主人公とした外伝小説・漫画も展開され、本編で描かれなかった空白を埋めるファン必読の作品となっている。

余談[編集]

  • 作者の岸本斉史には双子の弟・岸本聖史がおり、こちらも漫画家として活躍している。
  • ナルトの大好物は「一楽」のラーメンで、作中の食事シーンは思わず腹が減ると評判。実際にコラボラーメンが販売されたこともある。
  • 「だってばよ」というナルトの口癖は、英語版では「Believe it!」と訳され、こちらも海外ファンに親しまれている。
  • 主要キャラの名前には食べ物由来のものが多く、ナルト(鳴門巻き)、サスケ、サクラ(団子)など、よく見ると食卓が浮かんでくる。
  • 「写輪眼」「輪廻眼」などの瞳術デザインはコスプレ用カラーコンタクトの定番モチーフとなり、世界中で商品化されている。
  • 岸本斉史は『ドラゴンボール』の鳥山明を強く敬愛しており、訃報の際には深い追悼コメントを寄せたことでも知られる。
  • 影分身の術は「一人でいくらでも作業できる夢の術」として、忙しい社会人やクリエイターの間で羨望の的になっている。
  • テーマである「忍耐」と「努力」は、落ちこぼれが報われる物語として世界中の子どもたちに勇気を与えた。
  • 木ノ葉隠れの里の象徴「火影岩」には歴代火影の顔が彫られており、ナルトがいつか自分の顔をそこに刻むことが幼少期からの夢だった。物語終盤でその夢が叶う流れは多くのファンの涙を誘った。
  • 「口寄せの術」で登場するガマ(カエル)や蛇、ナメクジといった動物たちも個性豊かで、特に自来也の口寄せ「ガマ吉」は人気が高い。
  • 海外では大学の卒業式や結婚式で「ナルト走り」を披露する猛者が現れるなど、ミーム的な愛され方をしている。
  • アニメ版はオリジナルエピソード(いわゆるアニオリ)も多く、原作の合間を埋める形で長期放送を支えた。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]