Back number

概要[編集]

back number(バックナンバー)は、群馬県高崎市出身の3人組ロックバンドである。清水依与吏(しみず いより・ボーカル/ギター)、小畑賢司(おばた けんじ・ベース)、栗原寿(くりはら ひさし・ドラムス)の3名で構成される。2004年に前身バンドとして結成、2012年にユニバーサルシグマよりメジャーデビューを果たした。

切実な恋愛観・失恋観を等身大の言葉で描く清水依与吏の歌詞が特徴で、「失恋バンド」「恋愛ソングの職人」とも称される。代表曲は「高嶺の花子さん」「クリスマスソング」「HAPPY BIRTHDAY」「怪盗」「水平線」など多数。楽曲の多くが映画・ドラマのタイアップを通じて大ヒットし、幅広い世代から支持を受けている。

2021年に発表した「水平線」はTikTokで拡散し、リリース後複数年が経過してからも再生数を伸ばすロングヒットとなった。東日本大震災にまつわる思いを込めた詞世界が若い世代の心を震わせ、「back numberを初めて知った」という新規ファンが急増した。

結成とインディーズ時代[編集]

back numberは2004年、群馬県高崎市で前身バンドとして結成された。当初は複数のメンバー構成で活動しており、幾度かのメンバーチェンジを経て、清水依与吏・小畑賢司・栗原寿の現在の3人体制に落ち着いた。インディーズ時代から関東圏を中心にライブ活動を積み重ね、地道にファン層を広げていった。

インディーズ時代に制作した楽曲の中にはすでに後の「back numberらしさ」が全開なものも多く、自主制作音源はメジャーデビュー後に中古市場でプレミアが付くほど求められるアイテムとなった。清水依与吏の作詞・作曲スタイルはインディーズ期から一貫しており、「素直に言えない男の失恋」「届かない恋心」をテーマにした楽曲群がすでにコアなファンに愛されていた。

2012年のメジャーデビュー後、デビューアルバム「ラブストーリー」に収録された「高嶺の花子さん」がカラオケで口コミ的に広がり、back numberの名前を全国に広める突破口となった。

代表曲と音楽性[編集]

back numberの代表曲を概説する。「高嶺の花子さん」(2013年)は手の届かない女の子への純粋な想いを描いたポップソングで、カラオケ人気を起点に知名度を大幅に拡大した。「クリスマスソング」(2015年)はクリスマスに告白できない男の心情を歌い上げたバラードで、毎年12月になるとSpotifyランキングを急上昇するクリスマス定番曲として定着している。「HAPPY BIRTHDAY」(2016年)は誕生日に好きな人を思う切なさが胸に刺さる名バラード。「ハッピーエンド」(2016年)は映画「orange」主題歌で、SNSで何度も拡散されるロングヒット。「怪盗」(2019年)はドラマ「あなたの番です」主題歌としてヒットし、ストーリー仕立ての歌詞が好評を博した。「水平線」(2021年)は東日本大震災にまつわる思いを込めた楽曲で、TikTokでの拡散後に若い世代が一気に流入した。

音楽スタイルはギター・ベース・ドラムの3ピース編成を基本とし、ストリングスや鍵盤を加えたアレンジも多用する。清水依与吏の語りかけるような歌声と細部まで書き込まれた歌詞がback numberの核であり、「楽曲ごとに主人公が違う短編小説集」とも評される楽曲世界観が特徴だ。メロディは親しみやすいポップなものながら、歌詞の深みが繰り返し聴くほどに増すという構造になっており、長期にわたって聴かれ続ける理由のひとつとなっている。

ライブ活動[編集]

back numberはライブ活動においても高い評価を受けており、ホール・アリーナ・ドームと段階的に規模を拡大してきた。全国ツアーを毎年開催し、現在は大型会場でのワンマン公演を当然のように完声させるほどのライブバンドとして確立している。

清水依与吏のライブMCは独特のユーモアと照れ屋な雰囲気が融合した個性があり、「MCだけで来た価値がある」と語るファンも多い。演出は活気さより音楽的な完成度を重視しており、「余計なものを全部削ぎ落として音楽だけで勝負している」という評価が多い。アンコールでのアコースティックコーナーが毎公演の恒例となっており、スタジオ音源とは異なる温もりある演奏がファンに喜ばれている。

ストリーミング時代とTikTokバズ[編集]

back numberは2010年代後半以降のストリーミング時代において着実に存在感を保ち続けている。「クリスマスソング」はクリスマスシーズンになるたびSpotifyランキングを急上昇する「季節型ヒット」として定着。2021年の「水平線」はTikTokでの拡散がきっかけで10代・20代の新規ファンを大量に獲得し、「back numberって失恋バンドじゃなかったんだ」という驚きの声とともに再評価が進んだ。ストリーミングとTikTokによる「時間差バズ」の成功事例としても業界から注目されている。

炎上とバズ[編集]

  • 「クリスマスソング」毎年チャートイン:12月になるたびSpotifyチャートを急上昇するニュースが報じられ、「back numberはクリスマスを支配している」という言い回りがSNSで定着した。
  • 「失恋したらback number」文化の確立:「振られた。back numberを聴く」というSNS投稿が毎年大量発生し、失恋とback numberが切り離せない文化として定着している。
  • 「水平線」TikTokバズ:東日本大震災にまつわる楽曲がTikTokでバズることへの賛否両論があったが、「より多くの人に震災を知ってほしかったからこそ嬉しい」という清水のコメントが共感を呼んだ。
  • 「高嶺の花子さん」歌詞の"今の目線"論争:「たざ诈の花子さん」的な一方的な片想い歌詞が「令和に聴くとちょっと重い」という声と、「純粋すぎる」という擁護が毎回衝突する。
  • ドラマ主題歌の連続獲得:「またback numberか」という声と「雰囲気に合うんだから仕方ない」という擁護が同居し、J-POPドラマタイアップ最多獲得バンドのひとつとして定着している。
  • 「ハッピーエンド」SNS再拡散:映画公開から数年後にSNSで再度バズを起こし、「まだハッピーエンドが刺さった人がいる」と話題になった。

余談[編集]

  • back numberというバンド名は「バックナンバー(既刊号)」から取られており、「古くても価値あるもの」というニュアンスが込められているとされる。
  • 清水依与吏は群馬県高崎市出身で、地元愛が強いことで知られる。インタビューでたびたび高崎の話を出し、「群馬ってマジでいいところ」と語っている。
  • 「クリスマスソング」の制作秘話として、清水が「クリスマスの定番になってほしくて作った」と語っており、意図通りに定番化したことが「まさか本当になるとは」と本人も驚いていた。
  • 「水平線」の歌詞は震災後の石巻を訪問した経験から生まれたとされており、ライブで演奏する際に清水が感情的になる場面が多く報告されている。
  • カラオケでのback number楽曲の難易度は高く、特に「クリスマスソング」と「HAPPY BIRTHDAY」は採点で高得点を出すのが難しいとして「挑戦曲」として感られている。
  • 米津玄師Official髭男dismKing Gnuとともに「2010〜2020年代邦ロック四天王」として語られることがある。
  • 3人ともプロフィールを積極的に公開しないスタイルで、「メンバーのプライベートを知らなくても楽曲が全てを語ってくれる」というファンの声が多い。
  • 2024年以降も新曲を継続的にリリースしており、デビュー10年以上経ちながらもチャートに名を連ねるバンドとして活躍中。
  • ドラムの栗原寿はライブでの安定感と笑顔が印象的で、「back numberを影から支える縁の下の力持ち」としてコアなファンから絶大な信頼を得ている。ベースの小畑賢司は楽曲の土台を職人的に支えており、3ピース編成の強みを最大限に体現している。


主なディスコグラフィー[編集]

back numberの代表的なリリース作品を以下に記す。

シングル作品では「高嶺の花子さん」(2013年)、「クリスマスソング」(2015年)、「HAPPY BIRTHDAY」(2016年)、「ハッピーエンド」(2016年)、「大不正解」(2017年)、「怪盗」(2019年)、「水平線」(2021年)などが挙げられる。

アルバム作品では「ラブストーリー」(2012年)、「blues」(2013年)、「予定不和」(2014年)、「シャンデリア」(2016年)、「MAGIC」(2018年)、「ユーモア」(2022年)などがある。

ライブBlu-ray・DVDも多数リリースされており、「I LOVE YOU TOUR」「Nihon Budokan 2019」など主要公演の映像作品がファンに親しまれている。アルバムごとに音楽性の深化が確認でき、「ラブストーリー」から「ユーモア」に至る10年以上の歩みを振り返れるアーカイブとなっている。

媒体評価と音楽的位置づけ[編集]

back numberは音楽メディア・批評家からも高い評価を受けており、「Billboard Japan」「オリコン」など国内主要チャートで上位を維持し続けてきた。「カラオケ歌唱率」でも常に上位に名を連ね、楽曲が「日本の恋愛ソングの標準」として定着していることが数値面でも裏付けられている。

清水依与吏の作詞・作曲スタイルは「私的な感情をポップな普遍性に昇華させる能力が突出している」として音楽評論家からも高く評価されており、「J-POPの職人型シンガーソングライター」の代表格として語られることが多い。音楽理論的にはシンプルなコード進行とキャッチーなメロディラインを用いながら、歌詞の細部に繊細なディテールを盛り込む手法が特徴とされている。


back numberはJ-POPのストリーミング時代においても多くの主要プレイリストに選出されており、「失恋ソング」「恋愛バラード」「夜に聴きたい曲」などのカテゴリで常連入りしている。Spotifyが公開している日本国内のデータによれば、back numberの楽曲は毎年クリスマスシーズンと3月(卒業シーズン)に再生数のピークを迎える傾向があり、「季節型アーティスト」としての特性が確認されている。清水依与吏は「歌は誰かの感情の乗り物になれればいい」とインタビューで語っており、リスナーが自分の経験を楽曲に重ね合わせることを意識した作詞スタイルが伺える。バンドとしての長期的な活動の中で、3人のメンバーが育んできた演奏の息の合い方は「長年の積み重ねがなければ出せない音」として評価されており、デビューから10年以上が経過した現在も衰えを見せていない。国内外の音楽ライターからは「back numberの楽曲には普遍性がある」という評価が繰り返し述べられており、特定の時代背景に縛られない強さがロングセラーを支えているとされている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • back number 公式サイト(backnumber.jp)
  • Spotify / Apple Music / YouTube Music