概要[編集]
韓国ベーグル(かんこくベーグル)は、韓国のカフェ文化から日本に上陸した、もちもちの食感とインパクト抜群のビジュアルが特徴のベーグル。従来のニューヨークスタイルの硬めのベーグルと異なり、ふんわり・もちもち・かわいいの三拍子で、2025年から2026年にかけて日本のMZ世代(ミレニアル世代+Z世代)を中心に大ブームとなっている食トレンドの一つである。
特徴[編集]
韓国式のベーグルは、米粉や水分量の多い生地を使うことで、外はパリッと、中はもちっとした弾力のある独特の食感を実現している。これは韓国の餅(トック)文化の影響を強く受けているとされる。
主な特徴は以下の通り。
- もちもち感 - 噛むほどに弾力を感じる独自の生地
- カラフルなフィリング - クリームチーズ、フルーツ、スプレッド類が層状に挟まる
- 映えるビジュアル - 断面が美しく、SNS投稿に最適
- やさしい甘さ - 強すぎない上品な甘さで食べやすい
- ボリューム感 - 1個でしっかりお腹を満たすサイズ感
ニューヨーク発祥の硬くてシンプルな伝統的ベーグルとは別物に近く、「ベーグル」というより「もちもちおやつ系パン」と表現されることもある。
流行の背景[編集]
韓国本国での人気[編集]
2020年代に入って韓国のソウル・聖水洞(ソンスドン)エリアを中心に「ベーグルカフェ」が爆発的に増加。ロンドンベーグルミュージアムやナッシュベーグルなど、行列必至の店舗が次々と誕生した。SNSでの拡散も追い風となり、若者のカフェ巡り文化と合体して定番化した。
日本への上陸[編集]
韓国カルチャーへの親和性が高い日本のMZ世代を中心に、2024年頃から韓国旅行で食べた人々が口コミで広め、2025年には東京・大阪を中心に専門店が続々オープン。2025年5月には韓国から上陸した「AREUM BAGEL(アルムベーグル)」が阿佐ヶ谷に本店をオープン。連日行列となり、7月には新大久保に2号店、その後も都内で店舗を拡大している。
大阪のコリアタウン(鶴橋・生野エリア)には「TOMORROW TIGER BAGEL」など人気店が誕生し、関西圏でもブームを牽引している。
ベーグル活[編集]
日本のMZ世代の間では、「ベーグル活」という新語が生まれている。これは、
- 美味しいベーグル店を探し歩く
- 個性的なビジュアルのベーグルを購入する
- 写真を撮ってSNSにアップする
- 自分のおすすめリストを作成・共有する
という一連の行動を指す。推し活やマーラータン巡りに通じる、「美味しい+映える+誰かに勧めたくなる」の三要素を満たすトレンドとして注目されている。
主なフレーバー[編集]
韓国ベーグル店の定番フレーバーは以下の通り。
- プレーン×クリームチーズ - 最もスタンダード
- ガーリッククリームチーズ - 甘くないお食事系
- オレオクリーム - 黒×白の美しい断面で人気
- 抹茶×ホワイトチョコ - 日本上陸時にカスタマイズされたフレーバー
- シナモンレーズン - 鉄板のスイーツ系
- ピスタチオ - インパクト大の緑色
- ベリーミックス - フォトジェニックなピンク色
これらは時期や店舗によって入れ替わり、季節限定フレーバーもファンの楽しみとなっている。
SNSでの広がり[編集]
InstagramやTikTokでは「#ベーグル活」「#韓国ベーグル」のハッシュタグで膨大な投稿が見られる。とくに断面動画(カットして中のフィリングが現れる瞬間)はASMR的な需要もあり、再生数を稼ぎやすいコンテンツとなっている。
Z世代の女性インフルエンサーが牽引する形で広まったため、店舗側も撮影しやすい店内デザインやフォトスポットの設置に力を入れており、ベーグルそのものだけでなく「ベーグル体験」全体がコンテンツ化している。
関連トレンド[編集]
韓国ベーグルの流行は、マーラータンやダルゴナコーヒーなど過去の韓国発フードトレンドの系譜にある。日本における韓国カフェ文化の定着が、こうした食トレンドの土壌を作っていると分析されている。
また、もちもち食感ブームの一環として、台湾の「Q弾パン」や中華圏の「生もち」などとも親和性が高く、2026年は「もちもち×映え」フードが食トレンドの軸になっているとの指摘もある。
評価と将来性[編集]
スイーツ業界の専門家からは、「単なる流行で終わる懸念」も指摘されている。日本では過去にも何度かベーグルブームがあったが定着には至らなかったとの分析がある一方、今回のブームはSNSとの相性の良さで以前のブームとは異なる広がりを見せているとの見方もある。
ファッションプレスなどのメディアでは、「韓国ベーグルブームは2026年も継続する」と予測する記事が複数公開されている。
炎上とバズ[編集]
- 行列商法・転売炎上 — 開店時間前から数時間並ぶのが当たり前で、並ぶアルバイトを雇う転売ヤーの存在がSNSで暴露されて軽く炎上。整理券配布制やアプリ予約制への変更を余儀なくされた店舗も
- 量の盛りすぎ問題 — クリームチーズが多すぎてベーグルとの比率が逆転し、「ベーグルじゃなくてクリームチーズの塊」とツッコまれることがしばしば。「断面のためのベーグル」と揶揄する声もある
- 価格高騰への不満 — 1個700〜1000円という価格設定に「パンに1000円は正気か」と批判が集まることがある。一方で「映えと味のセットなら妥当」と擁護派もおり、SNSでは定期的にバトルが繰り広げられる
- 「日本にもオリジナルのもちもちパンあるじゃん」勢 — 韓国ベーグル流行のたびに「ベーグルじゃなくて白いたい焼きとか、もちもちのパンドミーとか、もっと評価されていい」という邦製もちもちパン擁護派が出現。文化論争に発展することも
- インフルエンサーの食レポ事件 — ある人気フードインフルエンサーが「正直そこまでではない」と本音レビューを投下したところ、ファンと店舗関係者から猛反発。「忖度なしレビュー」の難しさが浮き彫りになる事件もあった
余談[編集]
- 「ベーグル活」という用語は、「推し活」の派生形として自然発生した。同じ流れで「まーらー活」「カヌレ活」など派生語がいくつもある
- 韓国ベーグルブームの背景には、K-POPファンの若者が韓国旅行で食べた経験があるとされる。BTSやNewJeansファンがソウル現地のベーグル店を「聖地」として訪問する流れが下地になった
- 「断面動画」はTikTokやYouTube Shortsで根強い人気カテゴリで、ASMR的な需要もあるらしい
- AREUM BAGELの阿佐ヶ谷本店は「住宅街に突如できた行列」として近隣住民にも話題に。地元では「パンで街が変わった」と笑い話で語られる
- 韓国本国では「ベーグル疲れ」が始まっており、次のブーム候補として「クロッフル(クロワッサン×ワッフル)の再ブーム」「スコーン」などが囁かれている
- もちもち食感の正体は米粉やタピオカ粉、湯種製法などを応用したもので、伝統的なベーグルとは製法が大きく異なる
- オレオベーグルはインスタ映え最強と言われているが、味の感想は「思ってたよりちゃんとお菓子」と賛否が分かれる
- 日本のベーグル老舗(KEPOBAGELSやMaruichi BAGELなど)は韓国ベーグルブームに「うちのベーグルも食べてくれ〜」と複雑な気持ちを抱いているらしい
- 「ベーグル活」で月3万円使う若者の存在がメディアで話題になり、「パン代に投資する世代」として社会学者に分析されている