(読み:おうしゅうれんごう、英:European Union、エスペラント:Eŭropa Unio、中:欧盟)
概要[編集]
ヨーロッパを中心に27か国が加盟する国家連合である。簡称はEU、日本語ではヨーロッパ連合とも称する。EUは、加盟国が一体となって行動することに同意した場合にのみ、これらの事項についてすべての加盟国に適用される標準化された法制度を通じて、域内単一市場を発展させてきた。
EUの政策は、域内市場における人・物・サービスおよび資本の自由な移動を確保し、司法および内政に関する法律を制定し、貿易・農業・漁業および地域開発に関する共通政策を維持することを目的としている。
EUの憲法上の基盤に対する最近の大きな改正であるリスボン条約が2009年に発効した。
EUの経済は、2023年の成長鈍化に続き、2024年も従前の予想を下回って弱い成長となる見通しである。23年は家計の購買力低下、強い金融引締め、財政支援の一部撤廃及び外需の落ち込みで経済成長が抑制される。2024年の経済活動は次第に加速すると予想されている。
EUは、加盟国の権限を前提としつつ、最大限EUとしての共通の立場を取ることで、政治的にも「一つの声」で発言している。
歴史[編集]
発足までの経緯[編集]
欧州連合(EU)の歴史は、第二次世界大戦後のヨーロッパで始まる。戦争の惨禍を経て、平和を確固たらんとする国際的結束を求める政治的機運が広まった。
1952年、利権争いの場となっていた石炭と鉄鉱石を共同で管理する超国家機構「欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)」が設立された。1957年に署名されたローマ条約により、欧州経済共同体(EEC)と欧州原子力共同体(EURATOM)が設立され、経済と科学技術の領域での協力が強化された。これらの組織は1967年に統合され、欧州共同体(EC)が成立した。
1973年には、イギリス[1]、デンマーク、アイルランドが加盟し、ECの影響力と範囲が拡大した。1980年代には、さらにギリシャ、スペイン、ポルトガルが加盟し、ECは南ヨーロッパにまでその影響を広げた。
1992年に調印され、その翌年に発効されたマーストリヒト条約により、それまでの欧州共同体(EC)は欧州連合(EU)へと進化した。
EUは、その設立当初から経済の統合を目指し、特に経済や貿易面ではEU自体があたかも1つの国家と同じように第三国と交渉を行える。また、加盟国数もEU設立当初は12だったが、2024年現在は27か国まで増えている(2020年に英国の脱退により28から27に減った)。
EUの歴史は、平和と経済の統合を目指す国際組織としての役割を果たしつつ、その形状を変えてきた。その過程で、EUはヨーロッパ全体の経済の統合を目指し、世界最大の単一市場を形成してきた。
脚注[編集]
- ↑ 後に脱退