東京大学
The University of Tokyo
国家 日本
キャンパス 本郷・駒場・柏キャンパス
在学生 学部生 14,062名
大学院生 13,033名
ウェブサイト 公式サイト



概要[編集]

Discover Excellence. 志 あ る 卓 越

東京都文京区に本部を置く日本の一流名門国立大学である。 略称は「東大(とうだい)」。 英語名「The University of Tokyo」の略称は「UTokyo」。

最初の帝国大学らしく自他共に認める日本最古の大学。日本で教員数が最も多い大学であり、学生数が最も多い国立大学だ。

評価[編集]

アジア最高の研究大学として16人のノーベル賞受賞者を輩出し、ARWU学術のランキングやネイチャーインデックスなどの様々な公的な信用のある学術研究力量指数で不動のアジアトップを維持している。建築学の業績を称えているプリツカー賞もハーバード大学に続き、世界2位の受賞者数を記録している。

大学に対する国際的な評価では、2020年QS世界大学ランキングで22位(日本ランキング1位)、2020年THE世界大学ランキングで36位(日本ランキング2位)、2020年ARWUで26位(アジア1位)、2020-21年CWURで14位(アジア1位)を記録している。2020年QS世界大学ランキング集計基準では、世界20位内に25個の学術分野がランクされており、国際的な影響力を持つ学術誌82冊に発表する論文を基にした学術研究の成果のみを評価するネイチャーインデックスでは2017年6位、2018年4位、2019年5位、2020年上半期7位下半期5位など、常に世界10位内に入っている。

卒業生に対する国際的な評価の場合、2017年 フォーブスとニューヨークタイムズが共同で調査した「米国の企業が好む大学」10位、emergingおよびザ・タイムズで共同発表した「世界の企業が好む大学」では2019年7位、2020年6位だった。

歴史[編集]

歴史[編集]

1855年:洋学校を開校。ただし安政江戸地震により焼失。
1856年:学校を再建し、蕃書調所と改称。
1861年:幕府直轄の西洋医学教育機関である「医学所」を創設。 同年「医学校」に改称。
1864年:蕃書調所が開成所に改称。
1874年:開成所が様々な変遷を経て東京開成学校となり、医学学校も変化の末に東京医学校となる。
1877年:東京開成学校と東京医学校が合併し、日本初の大学である東京大学が設立。
1878年:学士号授与権付与。
1886年:帝国大学令の頒布により帝国大学に改編。
1897年:京都帝国大学を皮切りに全国各地に帝国大学が設立されるのに伴い、東京帝国大学と改称。
1947年:帝国大学令の廃止により東京大学と改称。
1949年:第一高等学校と東京高等学校を統合、新制東京大学に転換。第一高等学校跡地に駒場キャンパスを造成。
1991年:大学院重点化を開始
2000年:柏キャンパスを造成。 様々な研究所をここに移転。
2004年:国立大学の法人化により国立大学法人東京大学となる。

組織[編集]

学部の場合、6つの科類で募集し、入学後は教養学部に所属し、2年間の前期課程を履修する。その後、教養学部も含めた10学部に分かれて2年間(ただし医学部医学科及び農学部獣医学専攻、薬学部薬学科は4年間)の後期課程を履修する。学部ごとにかなりの独立性を持っている。例えば法学部は学科を置かずにコースを設けている一方、文学部は学科内部でも専修課程が別々にある。また他の学部は授業当たりの取得単位が2単位であるが、工学部は授業当たりの取得単位が1.5単位である。 2011年度までは学部ごとに授業開始時間も異なっていた。2012年度には一部の学部が授業開始時間を統一したが、2015年度からは学部ごとに学期制が変わり、授業時間の統一も意味を失った。

大学院研究科の場合、文系理系に分けて共通内容の試験を行う学部とは異なり、入試の手続きや受験科目が研究科によってすべて異なる。ただし意外にも他の研究科との連携は強い。輪講等を通じて他の研究科のように発表会等を行ったり、研究室ごとにも他の研究科とつながっている場合が多く、同じ研究室でも複数の研究科に入学できる場合がある。もちろん大学院の特性上そうせざるを得ないこともある。例えば生命科学分野であれば、総合文化研究科、理学系研究科、工学系研究科、農学生命科学研究科、医学系研究科、新領域創成科学研究科ですべて取り上げているなど、詳細研究だけが少しずつ異なる共通のテーマを複数の研究科においているので当然と言えば当然である。

入試[編集]

学部入試[編集]

系列別区分
文科1類- 法学部
文科2類 - 経済学部
文科3類 - 文学部/教育学部/教養学部
理科1類 - 工学部/理学部/薬学部/農学部 (数学、物理学、地球科学中心)
理科2類 - 工学部/理学部/薬学部/農学部 (生物学、化学中心)
理科3類 - 医学部

  • 学部、学科単位での生徒を募集しておらず、上記のように6つの系列に分け、教養学部として一括募集する。その後全ての学生が2年生まで教養学部に所属する。科類により進学可能な学部が決まっている。例えば、法学を専攻したいなら、「文科1類」に入学し、法学部に進学するのが一般的だ。文系1類には法学部に進学可能な定員が多く割り当てられているので、法学部に行きたいなら単位最下位がない以上、ほとんど無条件に進学することができる。逆に言うと、文科1類でも成績最下位圏は法学部に行きたくても行けない。
  • 現役で理科3類に入学する者は、「人間ではない」と言われるレベル。ドラゴン桜では「東京大理科3類に行く人は宇宙人」といわれている。東京大学の他の学科に入学しておいて、理科3類で行くという人もいる。浪人していない現役合格者の割合は、6つの募集単位のうち、理科3類で最も高い。 この10年間の入試結果を見ても、他募集単位の現役合格者の割合が高かったことは3度しかない。「鉄緑会」という予備校が理系3類への進学では非常に有名だといわれているが、やはり理系3類に対する羨望の眼差しは並大抵のものではない。
  • ただし、全ての医大が最上位圏の学生を独占する韓国の大学入試傾向と比較すると、日本は比較的少ない方だ。日本には82の医学部が設置されているが、東京大学工学部より難しいと言えるのは、東京大学医学部と京都大学医学部だけだ。日本で東京大学という看板がどれだけ強いかが分かる。終身雇用に代表される日本の安定的な雇用環境もあり、医師のような専門職でなくても一流大企業の研究職に入って熱心に働けば豊かに稼ぐことができるからでもある。
  • 2015年の入試基準で、東京で最も偏差値が高い開成高校が、なんと34年連続最多進学者を記録した。2015年の東京大学入試では、開成高が185人、筑波大学付属駒場高校が107人、灘高校が92人の順に多く入学させた。 ただ理科3類に一番多く行くのは灘高だ。だから医学科の半分は関西出身だ。他の学科は1/7程度が関西出身であるのに比べると、非常に珍しい。このため東京大学医学部生の標準語は、関西弁という笑い話もある。
  • 東京大学附属中学校及び高等学校があるが、ここに通ったとして早稲田大学や慶應義塾大学などの私立大学付属学校のように、試験無しで自動的に大学に入学することは不可能だ。ほかの大学付属の中高では名門大学への進学が目標であることと違い、ここでは生徒を対象にした教育学的な観察が主な目標だ。
  • 学費は全ての学部共通で年間535,800円であり、他の海外名門大学に比べて圧倒的に安い方だ。これはソウルにある大学と比べても低価格で、全専攻の授業料が同一なので、専攻によってはソウル大学の授業料がもっと高いこともある。
  • 東大学部の性比は8:2程度である。当然だが女子学生たちも文科で、ただでさえ男性が集中する理科はもっと深刻だ。それこそ一人二人いるかいないかのレベル。女性の割合を引き上げるため東京大は、2017年度から自宅から通学していない女子学生に対し、家賃の補助金を支給する制度を運用している。学校推薦型選抜入試でも男女の性比差に合わせるため、各学校から男女1人ずつだけ推薦を受けるという。
  • 入学者の3人に2人(60%台)が現役合格者だという。

東京大学の学部には約160名の正規留学生がおり、そのうち韓国人は毎年10名前後だという。 2019年度基準、東京大学学部一般入試受験者8,583名中3,018名が合格している

大学院入試[編集]

  • 韓国のように前期募集と後期募集(再募集)に分かれ、入学は10月または4月の入学を選ぶことができる。 受験料は2020学年度入学生募集基準で3万円。ただし、書類の送料・入金手数料などは別途かかる。
  • 入試手続き及び受験科目は研究科によって全て異なるので、当該研究科サイトにアクセスして手続きの確認が必須である。 ほとんどの研究科の似たような内容だけを簡単にまとめると、次のようになる。
    • 一次で研究計画書もしくは志望理由書を英語や日本語で作成して提出。語学試験(主にTOEFL)点数、大学学業成績、大学卒業証明書もしくは大学卒業予定証明書、自己評価書もしくは指導教授推薦書(外国大学出身の場合)を提出する。
    • 二次では専攻入学試験を受験しなければならない。入学試験は学科ごとに異なる。
    • 三次では研究計画について様々な質問をし、専門科目について質問する面接を実施する。
  • 一部の研究科では留学生特別入試選考を実施しており、一般入試よりも比較的簡単に希望する研究室に配属してもらえる。 ただし、外国国籍であっても日本の高校、または日本の大学を卒業した場合は留学生選考は利用できない。
  • 外国大学出身の大学院進学者は、研究生という身分で入学前に半年~1年程度研究室に所属して勉強することが多い。その理由は、大学院入学前に研究室の雰囲気に慣れ、研究のための日本語能力を養うためである。 また大学院入学のためには、筆記試験を受けなければならないので、その試験の過去問を取って試験勉強をする期間も必要だからだ。
  • 理工系においても、この研究生を経ることが多いが、日本では理工系の場合、学部3年次半ばから、遅くとも4年次からは個別研究室に所属し、卒業論文のための実験を行う。そのため日本で理工系学部を出ると、その専攻についての全般的な知識は学部生レベルであっても、学部生活の中で1年近く研究室に閉じこもって一分野に関する研究だけをしてきたので、該当専攻についての研究遂行能力は韓国の修士号に比肩するレベルを持って修士課程に進む。 しかし外国大学部出身の場合、この課程を経ていないため、日本の大学院に入学する前に半年~1年間、研究生として研究室に所属し、勉強や研究を進めるケースが多い。
  • 東大理学部の場合、修士進学率が実に92.7%と日本で最も高い。 実際東京大学だけでなく、日本は理工系ならほとんどが修士に進学する。 旧帝国大学水準の理系は大学院進学率が80~90%程度で、特に工科大の場合日本25位圏外の大学も修士進学率がおよそ65%を超える。 日本の大企業は修士号以上の理工系学生をかなり好むことから、最上位圏大学の大学院は当然競争率が非常に高く、大学を卒業して大学院浪人をする場合もかなりあるという。 反面、文系は大学院進学率が韓国よりも低い。これは文系は大学院を卒業しても企業ではあまり認めてくれない社会的雰囲気が反映された結果だと言える。
  • 工学系研究科、情報理工学系研究科、新領域創成科学研究科など、主に理工系研究科ではなく、東京大学直属の研究室ではなく、JAXA、理化学研究所をはじめとする複数の連携機関や研究所の研究室で研究を行い学位を取得する場合もある。
  • 学費はすべての研究科で共通して、修士は年間535,800円で、博士はもう少し安い520,800円。 ただし法科大学院は804,000円で唯一、他の学科より高い方だ。2019年度基準、東京大学大学院入試受験者7,720名中3,260名が合格している。

キャンパス[編集]

  • 駒場キャンパス
    • 駒場第一キャンパス
    • 駒場第二キャンパス
  • 本郷キャンパス
    • 浅野キャンパス
    • 弥生キャンパス
  • 柏キャンパス
    • 柏IIキャンパス
    • 柏の葉駅前キャンパス
    • 白金台キャンパス
    • 中野キャンパス
    • 小石川キャンパス
    • 田無キャンパス
    • 検見川キャンパス
    • 東海村キャンパス
    • 三鷹キャンパス

一つの大学がこのようにの機能に応じて、複数のキャンパスに分散している。東京大学の場合は三極構造の一環として、伝統的な専門領域および基礎分野の研究を担う本郷キャンパス、学際的な研究分野を中心とする駒場キャンパス、新生の学問および新領域研究が中心である柏のキャンパス。
いったん学部に入ると, 全学生が駒場キャンパスの教養学部に所属し、 2年間通う。2年生の冬学期からは、専攻科目を受講できる本郷キャンパスに移動し、4年生からは柏キャンパス、本郷キャンパス、駒場キャンパスなどに所属する研究室で研究を進め、卒業論文を作成する。 大学院に進学する場合は同じく柏キャンパス、本郷キャンパス、駒場キャンパス等の諸キャンパスに分散している研究室、あるいは諸附属研究所に所属し専門的な研究を進める。

その他[編集]

作品における東大[編集]

  • 国内に東京大学の知名度を上げたのはやはり漫画の「東京大学物語」。 日本社会における東京大学の位置づけを伝えている。
  • 2000年代に入って有名なのは、ドラゴン桜。 ここでは、東京大学は他の名門大学より入学しやすい、などの話も出ている。ただ易しいというのではなく、入試問題のパターンが定型化されているため、どのような方式で備えるべきかが他大学より明確だという話だ。 絶対的な難易度では越えられない壁だが、他のことは考える必要なく、勉強、特に決められたパターンの反復学習に地道に集中できる人が有利だという意味。
  • 「ラブひな」では作品の主な舞台として働く。 主人公の慶太郎が彼女と一緒に行くことに約束した大学。 主人公たちの目標が東大入学で、その理由は幼い頃「愛する人と東大に行けば幸せになる」と言われたからだ。
  • デスノートの主人公 夜神月がセンター試験満点で入学した。 Lも一緒に入学したが、キラ疑惑のあるライトに近づくためだったのでしばらくして辞めた。
  • 同大学の建物をモチーフにしたかは分からないが、ダンガンロンパシリーズに登場する希望ヶ峰学園の姿が安田講堂と酷似している。
  • クロスロード 新海誠監督のZ会CM、およびそれを原作とする同名の小説に登場。
  • キテレツ大百科:苅野 勉三が7回目の挑戦の末、東京大学に合格する。
  • 孤独のグルメ 2巻 8話で東大本郷キャンパスを訪れる内容が出てくる。
  • おジャ魔女どれみ:マキハタヤマリカが東京大学医学部に進学することになる。

東大生のイメージ[編集]

  • 東大生自らの反応

かつて東大在学生の4ほとんどは、大学名を尋ねると「とりあえずは東大生です」と答えた時期があった。これは東京大学という地位を見て判断するよりも、自分自身を大目に見てほしいという意味から出た言葉で、後に様々なメディアで言及され、関連出版物も出てきた。 日本における東大の持つ意味を端的に表現する事例の一つと考えられる。 このように他大学の友達や他人との対話で相手に不快感を与えないために気を使う人が多い。
これと関連して野口幸雄教授は「『超』勉強法」で、東大を出た中年の名誉退職者から再就職電話の問い合わせで、面接者が特技や経歴などを聞いても「とりあえずは東大生ですが…」を繰り返し、結局電話を切ってしまったという内容だ。

  • いかにも東大生(略してイカ東)

勉強ばかりして、他のことは知らない田舎くさい優等生をさすマイナスイメージの単語だ。 具体的にはチェック柄のシャツをジーンズの中に入れて着て、白いスニーカーを履く。

  • 暗記の帝王、しかし創意力はハズレ

入試教育が基本的に暗記中心に学生の負担を減らすと科目を大幅に減らしてしまった上に、東京大の学風が「ここは官僚養成のために建てた大学だからお前たちも官僚になるのだ。 だから疑問など抱かずにただ黙って教授の言うことはすべて書き取って覚えなさい」というもので批判を受ける。特に文科1類の学生は深刻すぎて、東大仏文科出身のジャーナリストである立花隆が「東大生はバカになったか」で批判した。

  • 東大の野球部は所属リーグの東京六大学リーグで万年最下位を誇る。

他の大学とは違って唯一の国立大学なので、体育特技生制度はなく、最初から勉強ばかりしていた学生なので、所属チームの中で唯一優勝経歴がない。こんなに万年最下位を誇る野球部らしく94連敗、40シーズン連続最下位など、あらゆる記録も持つ。そのため現在まで日本プロ野球にデビューした選手はわずか6人で、特に目立った活躍をした選手はいなかった。 最近では2017年、法学部在学中の宮台康平投手がドラフト申請を行い、北海道日本ハムファイターズに7位で指名され話題になった。

その他[編集]

  • 時々東京大学に2回目で入学する親もいるという。2012年には息子の入試応援のため、一緒に勉強していた母親だけ合格する出来事が起きた。
  • 1923年、関東大震災の時に大学図書館も崩壊したが、当時同図書館に所蔵していた『朝鮮王朝実録五台山麓』が焼失したという。
  • 東京大学が所有する土地の面積は320km²で、ソウル特別市の面積の半分程度。
  • ボールペンや鉛筆などの記念品が買える。受験生へのプレゼント用や動機付けなどにたくさん買っていく。
  • 一部の学生は発音が同じ点を利用して頭狂(とうきょう)大学と言ったりもする。
  • 五月病という概念が作られた場所でもある。 それこそ約20年の人生を変えるように夢に描いた東京大に進学した学生たちが、いざ東京大に入学してから春のだるさを経験して、そろそろ暑くなる兆しが見え、太陽の光が差し込む時間が長くなる5月頃になって、「東京大に入ってよかったが、今は嬉しい感情も消え、東大は日常になったが、これからは何をすればいいんだろう?これから何をしたらいいかな?」のように何をしたらいいのか分からない状態になってしまい、極度のうつ病や無気力症に陥ってしまう症状が出ていた。 このように「五月病」が流行のように使われ、概念自体がさらに拡大し、春に入社した新入社員が最初の長期休日である5月のゴールデンウィークを経て、極端な憂うつ感と無気力症に陥り、業務能力が著しく低下したり、ひどい場合は無断欠勤や辞表を出すといった状況にも使われるようになった。