概要[編集]

星のロミとは、漫画村の閉鎖後に現れた漫画海賊版サイトの名称として知られた語である。名称は漫画村の元運営者とされる星野ロミの名に由来するが、実際にサイトを運営していたのが同一人物かどうかは公には確認されていない。現在は稼働していない。

詳細[編集]

漫画村は2016年1月ごろから2018年4月まで運営された海賊版サイトで、出版社側は被害額を3,200億円と主張した。2018年に同サイトが閉鎖した後、同種のサイトが相次いで現れ、その中で「星のロミ」という名称が広く知られた。漫画村と似た画面構成や作品の並べ方を採っていたと報じられ、いわゆるクローンサイトの一つとして扱われた。

漫画村の元運営者とされる星野ロミは、2019年7月7日にマニラの国際空港でフィリピン入国管理局に拘束された。日本大使館の要請に基づく措置と報じられ、その後日本へ送還されている。2021年6月、福岡地方裁判所は著作権法違反と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)により懲役3年、罰金1,000万円、追徴金約6,257万円の判決を言い渡した。2023年9月には本人が判決を不服として再審請求を行ったことを自身のXで明らかにしている。

名前がサイトより長く残る[編集]

このサイト名の特徴は、人名に由来しているという点にある。一般的なサイト名は事業やサービスの内容を表す語から作られるが、この名称は個人名の言葉遊びになっており、その人物が報道で繰り返し取り上げられたことで、サイトが稼働を止めた後も検索語として残り続けた。

その結果として起きたのは、需要が実体から離れて残るという状態である。サイトが存在しないのに「見られない」「代わりを知りたい」という検索が続き、その検索に合わせた記事が量産される。閲覧者が実際に遭遇する問題も、サイト本体ではなくその周辺に移っている。同じ名前を掲げた別のサイトや、検索結果に並ぶ広告から誘導される先で、広告経由の偽警告や不正な課金の画面が表示されるといった報告が続いた。名称の知名度そのものが素材として使われている形である。Googleなどの検索結果に残る語がそのまま集客の材料になるため、出版社側が個別のサイトを止めても需要の側は動かない。

クローンが生まれる構造[編集]

海賊版サイトが同じ名前や見た目を引き継ぐ形で次々に現れるのは、この種のサイトが技術的な独自性をほとんど持たないためである。中身は他者が作った作品の画像を集めたもので、閲覧の仕組み自体はありふれている。したがって新しく作るために必要なのは技術ではなく、人が集まる名前だけになる。

言い換えれば、価値のすべてが知名度に置かれている。漫画BANKのように別の名前で現れたサイトも含め、閉鎖のたびに同種のサイトが現れたのは、閉鎖によって失われるのがサーバーとドメインだけで、需要は残ったままだったからである。この構造は、削除や摘発が個別のサイト単位で行われる限り終わりにくいという指摘の根拠にもなっている。制度の側では2020年の著作権法改正で、誘導を専門に行うリーチサイトの規制と侵害コンテンツのダウンロード違法化が加えられた。

被害額という数字の読み方[編集]

出版社側が示した3,200億円という額は、無料で読まれた回数に正規の価格を掛けて算出された推計である。この方法には「無料でなければ読まなかった人」も含まれるため実際の損失より大きくなるという指摘がある。

一方で、掲載された作品が本来は有料で提供されているものである以上、読者が無料の経路を選んだ分だけ有料側の機会が失われたという反論もある。どちらの見方も推計の前提が異なるため、金額の妥当性は決着した論点ではない。判決で約6,257万円の追徴が命じられたことは、広告収入という形で運営側に実際の金銭が流れていた事実を示しているが、これは被害額とは別の数字である。

余談[編集]

星野ロミは日本、ドイツ、イスラエルの多重国籍者と報じられており、拘束が国外で行われたことも含め、インターネット上のサービスに対する捜査が国境をまたぐ性質を持つことを示す事例として扱われた。サーバーが国外にあり運営者も国外にいる場合、国内の法だけでは対処が完結しないという論点は、後の制度改正の議論にも引き継がれている。

なお「ロミ」という表記のゆれや、漫画村系のサイト名を一括して指す使い方も見られ、名称が個別のサイトを指すのか一連のサイト群を指すのかは文脈によって異なる。

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