概要[編集]
ラジオとは、電波に音声を乗せて送る放送、およびそれを受信する装置のことである。日本では1925年に放送が始まり、現在はAM・FM・短波の各方式とインターネット配信が併存している。
詳細[編集]
日本のラジオ放送は1925年3月、社団法人東京放送局の仮放送で始まった。これが後のNHKにあたる。民間放送のラジオは1951年9月、中部日本放送と新日本放送(現・毎日放送)が同日に開局したのが最初で、テレビより1年以上早い。
戦後の放送法と電波法はラジオを前提に作られた法律で、テレビはその枠組みの上に乗る形で制度化された。日本民間放送連盟が1951年に設立されたのも、テレビではなくラジオの民間局が生まれた時点である。つまり日本の放送制度の骨格は、ラジオの時代に一度できあがっている。
AMからFMへの転換[編集]
現在のラジオで最も大きな変化は、AM放送からFM放送への移行である。全国の民放AM47局のうち44局が、2028年秋までにFM局へ転換する方針を示している。
理由は二つある。ひとつはAMの送信設備が大規模で、広い敷地と高い鉄塔を必要とし、更新費用が重いこと。もうひとつはワイドFM(FM補完放送)の普及で、AM局の番組をFMの周波数でも聴けるようになり、受信手段の面で代替が用意できたことである。
注目すべきは、この転換が視聴者の要望から始まったのではなく、設備の維持費という送り手側の事情から始まっている点である。放送は「届く範囲」で価値が決まるが、届く範囲を維持する費用は放送局が単独で負担しており、その費用が収入に見合わなくなれば、番組の人気とは無関係に方式のほうが変わる。一方で、AMは遠距離まで届き災害時に強いという性質があり、停波を懸念する声も残っている。この点は利便性と災害対策のどちらを重く見るかで評価が分かれ、決着した論点とは言いがたい。
radikoとインターネット配信[編集]
2010年3月に始まったradikoは、ラジオ放送をインターネット経由で聴けるようにする仕組みである。当初は放送エリア内に限られていたが、有料の会員制度によりエリア外の局も聴けるようになった。
ここで起きたのは、ラジオの弱点と強みが同時にひっくり返る変化である。ラジオは受信機が必要で、電波の届く範囲でしか聴けないという制約を抱えていたが、スマートフォンで聴けるようになったことで受信機を持たない世代にも届くようになった。反面、「その地域でしか聴けない」ことが番組と地域の結びつきを作っていた面もあり、全国から聴ける状態は、地域密着という強みの根拠を薄くする側面も持つ。
番組の性格[編集]
ラジオは映像がないぶん、出演者の話そのものが商品になる。バラエティ番組のように大がかりなセットも編集も必要としないため、費用が低く、長時間の生放送を毎日続けられる。お笑いの芸人がラジオの冠番組を長く続ける例が多いのは、話芸がそのまま番組になる媒体だからで、ダウンタウンや明石家さんまをはじめ、テレビで知られた演者がラジオを長く手放さない例は珍しくない。
聴取者との距離が近いことも特徴で、投稿(メール・はがき)が番組の構成要素そのものになる。これは視聴者の依頼だけで企画が成り立つ探偵!ナイトスクープのような番組と同じ発想で、番組の中身を作る一部を外側に預ける形式である。