概要[編集]
コミックシーモアとは、NTTソルマーレ株式会社が運営する電子書籍配信サービスである。2004年8月16日にサービスを開始した国内最古参級の電子コミックストアで、取扱冊数は196万冊規模に達する。
詳細[編集]
2004年という開始時期[編集]
コミックシーモアの位置づけを決めているのは、開始が2004年だったという点に尽きる。スマートフォンがまだ普及しておらず、読者が持っていたのはフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)だった時代である。前身のサービス名は「コミックi」で、携帯電話向けの配信から始まった。
この時期に電子コミックが成り立った理由は、端末の性能でも作品の数でもなく決済にある。携帯電話のキャリア課金は、クレジットカードを持たない層でも数十円から数百円の支払いができる仕組みで、月々の通話料と一緒に請求される。少額の支払いを何度も発生させる商売は、支払いのたびに手続きが必要なら成立しない。日本の電子コミックが世界的にも早い段階で市場になったのは、この小額決済の土台が携帯電話の側に先にあったからだと説明されることが多い。
書店型のサービス[編集]
コミックシーモアは集英社の少年ジャンプ+のような自社連載のための場ではなく、複数の出版社の作品を並べて売る書店型のサービスである。講談社、小学館、集英社、白泉社、秋田書店、双葉社といった各社の作品が同じ棚に並ぶ。
書店型の強みは品揃えの幅にあり、弱みは作品を作る側に回れないことにある。配信専業の事業者は、ヒット作が出てもその権利を持っていないため、収入は販売の取り分にとどまる。近年各社がオリジナル作品のレーベルを持とうとするのは、この構造から抜ける試みにあたる。
読み放題と話売り[編集]
月額制の読み放題と、1話ごとに買う漫画アプリ型の販売が併存している。同じ作品でも、まとめて読みたい読者と続きだけ追いたい読者では最適な買い方が違うため、売り方を1つに揃えないほうが取りこぼしが減るという設計である。
余談[編集]
- サービス開始日の8月16日は「電子コミックの日」として記念日に認定されている。
- 「シーモア」という名は、英語のsee moreに由来すると説明されている。サービス名が意味の分かる語でありながら、日本語としてはカタカナの人名のようにも読めるため、名前だけでは中身が想像しにくい部類に入る。
- 2024年でサービス開始から20年を迎えた。電子書籍の分野では事業者の入れ替わりが激しく、開始時期から続いているサービスは多くない。