アパレル

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概要[編集]

アパレルとは、衣料品そのもの、および衣料品の企画・生産・流通・販売にかかわる産業を指す語である。日本では「アパレル業界」「アパレル企業」のように産業の呼称として使われることが多い。

詳細[編集]

英語のapparelは衣服一般を指す一般名詞だが、日本語では業界用語として定着し、繊維から小売までの流れのうち「衣料品として形にして売る」部分を指すことが多い。

産業の流れは慣用的に三つに分けられる。糸や繊維を作る紡績が川上、生地を織り染め縫製する工程が川中、店頭で売る小売が川下である。この分け方が残っているのは、それぞれの工程を別の会社が担ってきたためで、工程の性質が違うからではない。ユニクロZARAのような製造小売(SPA)が注目されたのは、この三段を一社の中に取り込んだからである。

日本国内の市場規模は1990年前後の約15兆円をピークに縮小が続き、2010年にはおよそ10兆円、2015年には9兆3,609億円となった。

点数は倍、単価は三分の一[編集]

この産業を理解するうえで最も重要な数字は、市場規模そのものではなく、金額と点数が逆方向に動いたという事実である。

国内生産と輸入を合わせた供給点数は、約20億点から約40億点へおよそ倍に増えた。同じ期間に市場規模は縮んでいる。売られた枚数が倍になって売上が減ったということは、1枚あたりの値段が下がったということで、単価はおよそ三分の一になったと整理されている。

ここから導かれるのは、日本の衣料品が「売れなくなった」のではなく「安くなった」ということである。生産が海外へ移り工賃が下がったこと、ZARAH&Mといったファストファッションの参入で価格の基準が下がったこと、そして点数が増えれば増えるほど売れ残りも増えるため値引きが常態化したことが、互いを強める形で働いた。

売れ残りが出るのは読み違えのためだが、点数を増やすこと自体が読み違えの確率を上げる。数を増やして単価を下げ、下がった単価を数で補おうとすると、さらに読み違えが増える。この循環が長期の縮小として現れたという見方が一般的である。

在庫という中心問題[編集]

衣料品が他の小売と違うのは、作る数を決める時点が売る時点よりはるか前にあることである。季節商品であるため売れる期間が限られ、期間を過ぎた在庫は翌年に持ち越しても流行が変わっている。

ユニクロ無印良品が定番中心の品揃えを採るのは美意識の問題である以前に、この性質への対応である。流行に左右されない商品なら在庫が翌年も生きる。逆にしまむらのような仕入れ型は、作らない代わりに在庫の責任が軽く、そのかわり原価を自分で下げる手段を持たない。ZARAの少量生産も、同じ問題に対して「読み違える量をあらかじめ減らす」という別の答えを出したものといえる。

どの方式も在庫の置き場所を変えているだけで、在庫の問題そのものを消してはいない。

販売経路の変化[編集]

かつて衣料品の主要な売り場は百貨店と専門店だった。2015年時点では専門店が4兆9,616億円で最大の経路であり、EC販売が1兆4,144億円と伸びていた。

その後の変化としては、ZOZOTOWNのような衣料品専門のオンラインの場が定着したこと、メルカリをはじめとするフリマアプリで個人間の古着取引が大きく育ったこと(原宿や下北沢の古着店が担っていた役割の一部が画面の中へ移った)が挙げられる。後者は新品の需要を一部置き換える形になっており、点数の増加が別の市場を作り出した面もある。

余談[編集]

「アパレル」という語が日本で産業名として広まったのは1970年代とされ、ファッション雑誌が新しい商品を紹介する役割を強めた時期と重なる。それ、以前は「既製服」「洋品」といった呼び方が一般的だった。An・anNon-noといった雑誌が新しい売り場と商品を紹介する役割を担っていた時期と重なる。

業界内では「アパレルメーカー」が製造を自社工場で行っているとは限らない。企画と販売を担い、縫製は外部に委託する形が多く、名称と実際の機能が一致していない語の一つである。

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