概要[編集]
総務省(そうむしょう)とは、日本の行政機関の一つである。2001年の中央省庁再編で、総務庁・郵政省・自治省の3省庁が統合されて発足した。行政組織、地方自治、選挙、情報通信、郵便、統計、消防という、互いに性格の異なる分野を一つの省が所管している。
詳細[編集]
2001年1月6日、1府12省庁への中央省庁再編にあわせて発足した。本省は東京都千代田区霞が関の中央合同庁舎第2号館に置かれている。
所管は大きく分けて、(1)国家公務員制度・行政組織・行政評価などの行政管理部門、(2)地方自治制度・地方財政・地方公務員制度・選挙・政治資金などの自治部門、(3)インターネット・放送・電気通信・郵便などの情報通信部門、(4)統計、(5)外局としての消防庁、となる。
なぜこの組み合わせなのか[編集]
総務省の所管範囲は、初めて見ると脈絡がないように映る。選挙と携帯電話の電波と消防が同じ省にある理由は、分野どうしの近さからは出てこない。
実際にこの組み合わせを作ったのは、統合前の3省庁がそれぞれ何を持っていたかである。総務庁は内閣の事務のうち各省に割り振りにくいものを引き受ける官庁、自治省は地方自治体との関係を扱う官庁、郵政省は郵便と通信を扱う官庁だった。再編で省の数を減らすとき、この3つが一つにまとめられた結果が現在の姿である。
つまり所管の範囲は、行政の分野を設計し直して決めたものではなく、「元からあった組織を足し合わせた結果」である。読売新聞グループ本社の3本社体制や日本電信電話の1999年分割と同じく、組織の形は理屈より経緯のほうから説明がつくことが多い。
通信・放送を所管するということ[編集]
情報通信の分野では、電波の割り当て、電気通信事業の制度、放送の免許といった権限を持つ。NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルが携帯電話事業を行うために必要な周波数は、同省が割り当てる。日本放送協会の予算は国会の承認を要するが、その手続きにも同省が関わる。
ここには構造上の緊張がある。日本民間放送連盟の記事で触れたとおり、放送や通信は「誰が線を引くか」という問題を常に抱えている。行政が免許と周波数を握っていることは、公共の資源を配分する仕組みとして必要とされる一方、報道機関に対する監督権限を政府が持つ状態でもある。この緊張をどう扱うべきかについては、独立した規制機関を置くべきだという主張と、現行の枠組みで機能しているという反論があり、決着していない。
電波を配るという仕事[編集]
周波数の割り当ては、見た目ほど単純な作業ではない。携帯電話の項で整理したとおり、周波数は高いほど多くの情報を運べるが遠くまで届かず、低いほど障害物に回り込むが容量に限りがある。つまり「どの帯域をもらえるか」は、その事業者の通信品質をかなりの程度決めてしまう。
楽天モバイルが2024年まで低い周波数帯を持たなかったことが不利として語られるのは、この性質による。割り当ては行政の判断で行われるため、事業者の努力や投資額では短期に埋められない差が、制度の側から生じることになる。有限の資源を配る仕事は、配り方そのものが競争条件になるという点で、単なる事務手続きにはならない。
よくある質問[編集]
- いつできた省ですか
- 2001年1月6日、中央省庁再編にあわせて発足した。
- 何を担当していますか
- 行政組織・地方自治・選挙・情報通信・郵便・統計・消防などを所管する。
- 統合前はどこでしたか
- 総務庁・郵政省・自治省の3省庁である。
- 郵便局は総務省の組織ですか
- 現在は民営化されており、総務省は制度を所管する立場である。
余談[編集]
- 「総務省」という名称は、企業の総務部から連想されやすいが、実際の所管範囲は地方自治と情報通信が二本柱で、庶務的な意味合いとは大きく異なる。
- 英語名称は Ministry of Internal Affairs and Communications で、直訳すると「内務・通信省」に近い。日本語名からは通信が読み取れず、英語名からは統計や消防が読み取れない。どちらの言語でも所管の全体を名前で表せていない。
- 統計の作成を担う立場であることから、国勢調査の実施主体でもある。大阪市や東大阪市の人口として引用される数字の多くは、同省の統計に由来する。