概要
Ray(レイ)とは、日本の女性向けファッション雑誌である。1988年創刊で毎月23日発売。JJ・CanCam・ViViと並ぶ「赤文字系」4誌の一角を占める。
詳細
創刊は1988年、発行元は主婦の友社。20代前半の女性を主な読者層とし、フリル・レース・小花柄といった「かわいい」方向の要素を前面に置く誌面で知られる。2009年の日本雑誌協会の公表値では発行部数はおよそ21万部とされた。
2021年3月、主婦の友社は本誌に関する事業をドーナツ(DONUTS)へ譲渡し、以後は同社が発行元、主婦の友社が販売を受託する体制となった。
赤文字系4誌の中での位置
JJが読者モデルという手法で市場を作り、CanCamが専属モデルの知名度で規模を広げ、ViViが海外志向で差を付けた——という並びの中で、本誌が取ったのは価格帯の側からの差別化である。
CanCamの記事で整理したとおり、赤文字系4誌は同じ23日に発売される。同じ日に似た作りの雑誌が4冊並ぶ以上、どれか一冊を選ぶ理由を各誌が用意しなければならない。本誌が比較的手の届きやすい価格帯のブランドを中心に扱ってきたのは、「紹介された服を実際に買えるかどうか」という、誌面の方向性とは別の軸で選ばれる位置を確保するためだったと読める。
ファッション誌が実用書としての性格を持つ限り、掲載された服が読者の予算の外にあれば、記事は「見て楽しむもの」に変わる。同じ場面提案でも、買える価格で示されているかどうかで機能がまるで違う。
発行元の移動という事例
2021年の事業譲渡は、出版社がひとつの雑誌を手放し、別の業種の会社が引き継いだという形になっている。譲渡先のドーナツは元々ゲームやライブ配信などを手がける会社である。
紙の雑誌を単体の収支で見れば、部数の減少がそのまま採算の悪化になる。しかし雑誌を「読者層が定義済みのメディア」として見れば、別の事業と組み合わせたときの価値は違ってくる。DMM TVやFODが動画単体の採算と会員全体の採算を切り離して設計しているのと、発想の出どころは同じである。実際、譲渡後はライブ配信やイベントとの連携によって実売率が改善したと報じられている。
ただし、この形が雑誌の延命策として一般化できるかどうかは分からない。読者層が明確な媒体であることが前提であり、そうでない雑誌に同じ手が効く保証はない。
よくある質問
- 発売日はいつですか
- 毎月23日である。JJ・CanCam・ViViも同じ23日発売だった。
- 赤文字系とは何ですか
- 誌名が赤い文字で印刷されていたことに由来する呼び方だが、実際に指しているのは「他者からどう見えるか」を軸に服を選ぶ誌面の方針である。
- 発行しているのはどこですか
- 2021年3月以降はドーナツが発行し、主婦の友社が販売を受託している。
- 何歳くらいの読者向けですか
- 20代前半を中心に想定されてきた。
余談
- 誌名の「Ray」は光線を意味する英語だが、創刊時の由来について公に確認できる説明は見当たらない。
- 赤文字系という呼称そのものは出版社が名乗ったものではなく、読者や書店の側から定着した区分である。対になる「青文字系」も同様で、雑誌業界の公式な分類ではない。
- 4誌のうちJJは2021年に月刊を終了しており、本誌が発行元を変えて継続したのとほぼ同時期にあたる。同じ市場にいた雑誌が、同じ時期に別々の形で「続け方」を選んだことになる。