読者モデル

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概要

読者モデル(どくしゃモデル)とは、ファッション雑誌に「一般読者」という肩書きで登場するモデルのことである。略して「読モ」(どくモ)とも呼ばれる。職業モデルではないという前提そのものが、誌面での役割になっている点に特徴がある。

詳細

女子大学生・専業主婦・会社員といった肩書きとともに誌面に登場し、実名または愛称、年齢、所属や職業が併記されるのが一般的である。アマチュアという立場で出演するため、報酬は少額か無償であることが多いとされる。

日本で読者モデルという形式を確立したのは1975年創刊の『JJ』とされる。同誌は一般の女子大学生を誌面に登場させ、着ている服の店名・商品名・価格を明記した。以後、CanCamViVi』『Ray』といった赤文字系各誌が同様の企画を持ち、1990年代から2000年代にかけて雑誌の定番構成となった。

なぜ素人であることが価値になったのか

読者モデルが機能した理由は、掲載されている情報の質ではなく、「読み手がその情報をどう使えるか」にある。

職業モデルが着ている服は、多くの場合「かっこいいかどうか」でしか判断できない。身長も体型も生活も自分とは違うからである。ところが同じ大学に通っていそうな人が同じ服を着ていれば、読者は「自分が着たらどう見えるか」を推測できる。JJの記事で整理したとおり、読者が知りたかったのは流行そのものではなく、自分の予算と生活の中で実行できる具体例だった。

つまり読者モデルは、モデルとしての能力で選ばれているのではなく、読者との距離の近さという一点で選ばれている。「素人であること」が欠点ではなく条件になっている職能というのは、それ自体かなり珍しい。

雑誌の外へ出た読者モデル

読者モデルとして知られた人物が、その後にタレント・インフルエンサー・ブランド運営者として活動する例は多い。雑誌側から見れば、誌面が人を見つける場として働いていたことになる。

ここには構造上の摩擦もある。読者モデルは「一般読者」であることが前提だが、知名度が上がれば上がるほど一般読者ではなくなる。読者が親近感を持った理由そのものが、活動が成功すると消えていく。名前が売れるほど役割の前提が崩れるという意味で、これはnon-noCanCamの専属モデル制が抱える「看板を人に置いたときの配分問題」とは別種の、しかし同じく避けられない構造である。

SNS以降の位置の変化

2010年代以降、InstagramTikTokの普及によって、「同じ立場の人が実際に着ているところ」は雑誌を介さずに見られるようになった。読者モデルという枠組みが担っていた機能の相当部分は、SNS上の一般利用者とインフルエンサーが引き受けている。

一方で、雑誌の側にしかない条件も残っている。誌面は編集部が選んで並べた結果であり、順序と量が管理されている。SNSでは同じ立場の人の投稿が無限に流れてくるが、それは「選ぶ手間が読者側に戻ってきた」ということでもある。どちらが便利かは、読者がその時に何を負担と感じているかで変わる。

よくある質問

読者モデルは職業ですか
一般には職業モデルとは区別される。報酬も少額か無償であることが多い。
読モとは何の略ですか
読者モデルの略である。
どうやってなるのですか
雑誌の公募、編集部による街頭での声かけ、イベントでの選考などが一般的とされる。誌によって方法は異なる。
専属モデルとは違いますか
違う。専属モデルは特定の雑誌と契約して毎号出演するモデルで、職業として成立している。

余談

  • 読者モデル出身であることが後の活動で経歴として語られる一方、「読モ」という呼び方が軽い響きを持つとして本人が使わない例もある。呼称の受け取られ方は一定ではない。
  • 読者モデル企画が成立するのは、雑誌が定期刊行物で、同じ読者が繰り返し手に取ることが前提になっているからである。一回限りの媒体では「読者」という関係自体が成り立たない。
  • 男性向け誌にも同様の企画は存在するが、女性誌ほど誌面の柱にはならなかった。理由について定説は確認できない。

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