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概要[編集]
光回線(ひかりかいせん)とは、光ファイバーを伝送路に用いた固定通信の回線サービスである。日本ではNTT東日本・NTT西日本の「フレッツ光」と、その設備を各事業者が借りて売る「光コラボレーション」が広く使われており、家庭向け固定インターネット接続の主流となっている。
詳細[編集]
光ファイバーは電気信号ではなく光を通す線で、銅線を使う従来の電話回線に比べて距離による劣化が小さく、上りと下りの速度差も付きにくい。加入者宅まで光ファイバーを引き込む形をFTTHと呼ぶ。
日本では長く、電話回線を使うADSLが家庭向け高速通信の中心だったが、2000年代以降に光回線への移行が進み、NTT東西のADSLサービスは2024年1月に終了した。光アクセスの契約数は、フレッツ光と後述のコラボ光を合わせて2017年2月に2,000万契約に到達している。
競争が起きているのは「回線」ではなく「窓口」[編集]
利用者から見ると光回線は各社が別々に提供しているように見えるが、多くの場合は同じ設備を使っている。2015年2月にNTT東西が光アクセスの卸売を始めたことで、携帯電話会社やプロバイダが自社サービスとして光回線を売れるようになった。これが光コラボレーションで、契約先は各社でも、家に引かれている線とその先の設備はNTT東西のものである。NTTドコモやソフトバンク、楽天モバイルが自社ブランドの光回線を売っているのはこの枠組みによるもので、KDDIのように自社設備や電力系事業者の設備を使う回線を併せ持つ例もある。卸売の提供状況は総務省の審議会に定期的に報告されている。
この構造が分かると、「どの光回線がいちばん速いのか」という問いが答えにくい理由も見えてくる。差が出るのは物理的な線ではなく、混雑する時間帯の処理能力、接続方式、宅内の機器や無線の環境といった部分である。事業者ごとの速度の評判が食い違いやすいのは、測っている人の環境が違うからで、5Gの「速いはずなのに速くない」という話が電波の性質から生じるのに対し、こちらは共有された設備と各家の条件から生じている。
卸売の解禁が変えたこと[編集]
それまで光回線でインターネットを使うには、フレッツ光の契約とプロバイダの契約という2件が必要だった。光コラボでは事業者との1契約にまとまる。利用者から見た変化は手続きの数が減っただけに見えるが、売る側から見ると意味が大きい。
固定回線を自社の商品として持てれば、携帯電話とのセット割引を自社の判断で設計できる。回線契約は人口を超えて増えないため、既に契約している利用者へ別の商品を売る形が各社共通の方向になっており、固定回線はその中でも解約されにくい商品にあたる。家の工事を伴う契約は乗り換えの心理的な負担が大きく、いったん取れば長く続くからである。
乗り換えの手続きが制度化されている[編集]
光コラボには「転用」(フレッツ光から光コラボへ)と「事業者変更」(光コラボ同業者間の移行)という手続きが用意されており、どちらも原則として宅内工事が不要で、発行された承諾番号を新しい事業者に渡す形で進む。
この設計は、携帯電話の番号ポータビリティと同じ方向を向いている。設備が共通なのだから、契約先を変えるために回線を切って引き直す必要はない。手続きを軽くすれば乗り換えが起きやすくなり、料金やサービスで選ばれる状態に近づく。一方で、乗り換えが容易になるほど価格競争が激しくなり、設備を維持・更新する原資が細るという指摘もあり、どの程度まで軽くするのが適切かは決着した論点ではない。
余談[編集]
光コラボの普及によって、利用者が「自分が誰と契約しているのか」を把握しにくい状況も生まれた。請求元は事業者、設備はNTT東西、プロバイダ機能はまた別という組み合わせがあり得るため、不具合の問い合わせ先が分かりにくいという声は珍しくない。
なお、集合住宅では建物までを光ファイバーで引き込み、各戸へは既設の電話線やLAN配線で分配する方式も使われている。同じ「光回線」という名前でも部屋までの最後の区間が光でない場合があり、速度の体感差が生まれる一因になっている。