概要[編集]
テレビ番組とは、テレビ放送で流される個々の内容の単位である。報道・情報・バラエティ・ドラマ・アニメ・スポーツ中継などに分類される。
詳細[編集]
テレビ番組を他の映像作品と分けている最大の条件は、放送される時間帯が先に決まっていることである。映画や配信作品は「作品ができてから公開日を決める」が、テレビ番組は「枠が先にあり、そこへ毎週内容を収める」。1本あたりの長さが30分や60分に揃っているのも、作品として適切な長さだからではなく、時間割としてまとめやすいからである。
この順序が番組の作り方をほぼ決めている。制作費は枠の単価から逆算され、完成が遅れても放送日は動かせない。連続テレビ小説のように半年単位で枠を確保する編成が成立するのも、枠が先という前提があるからである。
編成と収入[編集]
民間放送の収入は広告料で、広告枠の値段は視聴率、すなわちその時間にどれだけの人が見ているかで決まる。ビデオリサーチが測る数字が売り買いの物差しになっており、番組の評価は「面白かったか」ではなく「何人が見たか」に換算されて取引される。
ここから、番組の性格が時間帯で決まるという現象が生まれる。平日昼は在宅している層に合わせた情報番組、夕方は報道、夜は世帯で見られるバラエティ番組、深夜は数字が小さいかわりに制作費も小さく実験的な企画が通りやすい。深夜番組に新しい形式が多いのは作り手の気質ではなく、失敗したときの損失が小さいという計算の結果である。
一方、NHKは受信料が収入源なので、視聴率が直接収入に結び付かない。同じ「テレビ番組」でも、判断の材料が違えば編成の形も変わる。
制作の分担[編集]
番組を実際に作るのは放送局の内部だけではなく、番組制作会社への外注が広く行われている。企画と費用は放送局が持ち、実作業を外部が担う形が一般的で、権利も原則として放送局側に残る。
この分担が長く問題にされてこなかったのは、テレビ番組が「一度放送したら終わり」の商品だったからである。再放送とソフト化以外に二次利用の場がなければ、権利を誰が持つかは金額として現れにくい。配信での二次利用が無視できない規模になって初めて、権利の所在が実務上の論点として浮上した。
配信との関係[編集]
見逃し配信や定額制配信の普及で、テレビ番組は「放送時間に見るもの」ではなくなりつつある。ただし制度上、インターネット配信は放送法上の「放送」にはあたらない。電波の有限性を根拠とする規律が及ばないためで、同じ番組でも流れる経路によって適用される規範が変わる。
配信は視聴のされ方も変える。放送は時間帯ごとに視聴者層が固定されるが、配信では誰がいつ見るかが分散する。時間帯に合わせて内容を設計するという、テレビ番組を成り立たせてきた前提のひとつが効かなくなる領域である。
余談[編集]
- 番組の長さが「54分」「44分」のような半端な数字になるのは、放送枠からCMの時間を引いた残りだからである。作品の尺が先にあるのではなく、枠から引き算して決まっている。
- 打ち切りという言葉は番組そのものの終了を指すが、実際に終わるのは多くの場合「枠」ではなく「その枠に入っていた番組」で、枠自体は別の番組に引き継がれる。枠が長く続くほど放送局にとって資産になるという点は連続テレビ小説が典型である。
- 関西では在阪局が自社制作の番組を昼間に長く持つ傾向があり、情報ライブ ミヤネ屋や探偵!ナイトスクープのように全国へ広がった例もある。