山川純一


山川純一

(Source:Google)
本名 不明
誕生日 後述年
出身地 日本
国籍 日本
学歴 不明
職業 漫画家
代表的な実績 くそみそテクニック」の作者
事務所 第二書房
別名 ヤマジュン
掲示板
n/真夏の夜の淫夢



概要[編集]

  • 読み:やまかわじゅんいち(1930年代後半?から1940年代前半ごろ生まれ、生没不明)

日本の元漫画家。「くそみそテクニック」の作者。

歴史[編集]

活動時期[編集]

1982年から1988年までの6年間、『薔薇族』に短編を連載し、単行本も3巻刊行した。しかしその後は少なくとも山川純一名義では一切漫画を描かず、現在何をしているのか、生存しているのかさえ分からない。

基本的な作風は1970年代の純情漫画を思わせる。作品は多様なテーマを同性愛と結びつけたストーリーを持ち、男性キャラクターの過度なセックスアピールと強引な性行為の展開が特徴である。

再評価[編集]

10年以上陽の目を見なかった山ジュン作品が再び脚光を浴びるきっかけは、匿名掲示板「あやしいワールド」で2002年2月〜7月頃、匿名投稿者が代表作『メチャクチャテクニック』の1ページをスキャンして公開した事件だった。実在のゲイとは思えない荒唐無稽な演出と台詞が笑いを誘い、一部ネットユーザーの間で静かに話題に。

2003年3月頃、ふたば☆ちゃんねるに作品が貼られブームの兆しを見せ、ほぼ同時期に2ちゃんねるでも笑いのネタとして火がつき知名度が急上昇した。作中の台詞「ウホッ! いい男…(道下正樹)」、「やらないか(しないか – 阿部高和)"は瞬く間に流行語となり、「山ジュン語」と呼ばれた。「ウホッ!」はゲイを示す隠語にまで浸透し、2ch以外のコミュニティ全体を揺るがすムーブメントとなった。その影響で『横山光輝 三国志』の張飛の台詞など、本来関係のない漫画の「ウホッ!」までもゲイ表現として解釈される現象が起きた。

人気に後押しされ、国立国会図書館で当時の『薔薇族』を探し作品を発掘する者が現れ、ほぼ全作品がウェブ上に公開された。この人気は一部層にとどまらず、ゲーム・Flash・画像コレクション・アスキーアートなど二次創作が活発化。さらにはオンリーイベントまで開催されるに至った。

最終的にファンが復刊運動を行い、『ウホッ!! いい男たち 山ジュンパーフェクト』というタイトルで単行本未収録作を含む総集編が発売された。この人気は『メチャクチャテクニック』のコミカルなインパクトだけでなく、短編としての完成度の高さも評価された結果とみられる。また山ジュンの魅力は本来のターゲットであるゲイ男性のみならず女性をも惹きつけ、女性ファンはペニスがないことにちなみ「無ジュニア」と呼ばれる[* “無棒”の洒落]。

2010年代初頭からブームはやや下火になったものの、2chやネットのサブカルチャー界隈では「基礎教養」として広く定着し、現在でも画像・コラージュの定番ネタとなっている。さらに同人界では山ジュン朗読CDも少数ながら制作され、ファンの間でレアアイテム化している。

人気を得た理由[編集]

山ジュン作品がこれほど支持を得た理由は、雑誌連載をリアルタイムで体験していない世代や同性愛に興味のない読者でも抵抗なく読める絵柄と作風にある。短編ながらシリアスとギャグが程良く混ざり、構成が非常に練られている点も大きい。さらに多くの作品がゲイセックスだけでなく、ゲイを取り巻く環境・犯罪・精神世界・家族形態など多様なテーマを扱うため、ファンの中には「すでに一種の社会/哲学漫画へ昇華した」と絶賛する声さえある。山ジュン以降もミームとしてのゲイ漫画は発掘されたが、これ以上の人気を得た作品はない。

ただし多様性とは別に、登場人物の性格はかなり定型化している。ゲイセックスに幻想や興味はあるが積極的に実践できない肉体的に弱い男Aと、対照的に卓越した同性愛テクニックを誇り、相手がゲイかストレートかを問わず翻弄する魔性のゲイ男B。この2人のセックスがほぼ全作品の基本プロットと言ってよい。阿部高和は典型的な男Bタイプに属する。

またBLと異なり、登場する男達は筋肉質だが比較的リアルな体型で[* あくまでBL内の男性と比較した場合]、性的嗜好を除けば日常で見かけるような男性である点が女性向け同性愛作品との差別化要素となる。

女性の裸体や男女のセックスシーンもごく稀に登場するが、その描写も端正で、往年の正統劇画調に近い。男性同性愛R18漫画ではなく異性愛R18漫画でも通用したであろう作画だ。

本人に関する情報[編集]

『薔薇族』の創刊者兼編集長・伊藤文学(1932年3月19日生)[1]によれば、山川純一は創刊5周年を迎えた薔薇族編集部に、本名どころか住所・身元も明かさず突然原稿を持ち込んできたという[2]。30代後半に見える中年男性で、「暗い人」という第一印象を受けるほど自宅で静かに暮らしていたらしい。1983年頃からは編集部に入室せず、玄関先で原稿だけ置いていくようになり、私的な会話もほとんど無かったという。

インターネットでの人気とは裏腹に、連載当時は薔薇族スタッフや読者から激しく嫌われていた。スタッフが連載中止を度々要請したため、突如連載が打ち切られたことも多かったという。伊藤は当時ゲイ漫画の主流だった「汗臭い筋肉質マッチョが登場し、実在ゲイの性生活を描く内容」とは真逆で、繊細な線の少女漫画風の絵柄でイケメンを主役に据え、性描写も実在ゲイから見ると奇妙なほど非現実的だったため、「ゲイを嘲笑していると受け取られたのでは」と推測している。さらに描写は実際の発展場経験ではなく、想像で描いたように感じたとも述べた。

当時、薔薇族への投稿だけで生計を立てていたらしい山ジュンの困窮ぶりを哀れんだ伊藤は、作品が掲載されない号でも原稿料を支払っていた。しかし山ジュンがその事実を知ってからは編集部に姿を見せなくなった。山川純一が最後に出版社へ現れたのは1988年頃とされ、その間に単行本3巻を発行していた啓政出版が倒産し、伊藤文学の第二書房が販売を請け負うことに。3巻の単行本は大量の返品が山積みだったが、マニアックな読者が少なからずいたため2〜3年後には完売した。スタッフの冷たい反応とは裏腹に、伊藤は1986年の初単行本『君にニャンニャン』巻末で「男と男の愛の賛歌」と評し、「山川純一君の作品が本になって本当に嬉しい。もっと多くの人に知ってほしい」と綴ったが、その願いが成就したのは20年後だった。

伊藤は後に山ジュンの行方について「消息は全く分からず、当時薔薇族の作家や読者で自殺した人も多いので、既に亡くなっている可能性が高い」と推測した[* 同性愛がまだ強く差別されていた時代、ゲイの自殺は珍しくなかった。日本よりも儒教的で権威主義的だった当時の韓国の方が状況は厳しく、2000年代以前まで続いた]。

伊藤の話から逆算すると、1980年代前半に30代後半(1942年1945年生まれ推定)。存命なら2020年代には80代後半の高齢者となっている。

作家失踪後、2000年代に突如再評価され日本サブカル界でパロディのネタとして大人気となった山ジュン作品は、事実上著作権が無い「無法地帯」状態だった。そこで2013年から伊藤文学が著作権管理会社と契約し、現在は出版社株式会社サイゾーが権利を保有している。参考

山川純一は2003年発売の『ウホッ!いい男たち ヤマジュン・パーフェクト』単行本の際も、一切の連絡が無かったという。

一時、「レディースコミックで辻あさみ名義で活動している」という説が有力視されたが、絵柄が似ている程度で根拠に欠けること、辻あさみは山ジュン活動期には既に『少年ビッグコミック』で『初恋スキャンダル』を連載中で絵柄も当時の少年漫画調だったことから、別人と結論づけられている。

2006年11月、『薔薇族』が使用していた事務所を撤収する際、35作品中13作品の原画が23年ぶりに発見された。保存状態は良好でネットオークションに出品されかけたが、「本人に返すべき」「売らずに認知度向上に活用すべき」という好意的意見が多く、山ジュン人気の根強さを示した。

人気が高まると2ちゃんねるユーザーがあらゆる手段で消息を探索。自称「山川の甥」を名乗る人物が近況を語る釣りも発生した。

2023年4月1日、代表作『メチャクチャテクニック』の短編OVA化が決定。原作協力は当時から山ジュン作品を評価し続けていた伊藤文学が担当した。

炎上とバズ[編集]

余談[編集]

  1. 日本の実業家・作家・コラムニスト。出版社・第二書房代表。90歳を超えても出版業界で活動する重鎮。1950年代から同性愛雑誌を刊行してきた。アライだが本人は異性愛者で孫もいる。『淫夢シリーズ』などのホモビデオにカメオ出演したことも
  2. ペンネームも「伊藤文学が付けた」とのこと