概要[編集]

東海地方とは、日本・本州中央部の太平洋側を指す地域区分で、一般には愛知県静岡県岐阜県三重県の4県を指す。ただし範囲は固定しておらず、文脈によって3県に絞られたり、岐阜県は南部だけを含めたりする。

詳細[編集]

名称は律令制の東海道に由来する。東海道は関東南部から近畿に至る街道および行政区分で、そのうち本州中央部の太平洋沿岸にあたる部分が地域名として残った。

最も広く使われる定義は愛知・静岡・岐阜・三重の4県である。一方、辞書類には「静岡・愛知・三重の3県と岐阜県南部」とする記述もある。岐阜県は海に面しない内陸県で、北部の飛騨は日本海側に近い気候と生活圏を持つため、太平洋側を意味する「東海」に県全体を入れるのは実態に合わないという扱いになる。

つまり東海地方は、国が法律で決めた区分ではなく、地形・気候・商圏・放送圏がそれぞれ別の線を引いた結果として重なり合ってできた呼び名である。どの基準を使うかで県の数が3にも4にもなるのは、そのためである。

「東海3県」との違い[編集]

テレビ放送や新聞が「東海3県」と言うとき、指しているのは愛知県岐阜県三重県である。4県定義から静岡県が抜ける。

理由は放送と流通の圏域にある。名古屋を中心とする放送局の電波は岐阜・三重にまたがって届き、新聞・小売・通勤も名古屋を中心に一体化している。一方で静岡県は東西の距離が155キロあり、東部は東京都を中心とする首都圏の放送・経済圏に属する。名古屋から見ると静岡県は同じ圏内とは言いがたい。→静岡県

整理すると、「東海4県」は地形による区分、「東海3県」は名古屋を中心とした生活圏による区分である。同じ「東海」という語が地形の話と商圏の話の両方で使われているため、どちらの意味で言っているかによって県の数が変わる。

中部地方との関係[編集]

中部地方は新潟から愛知までの9県を指し、東海地方はそのうち太平洋側の部分にあたる。ただし食い違いがひとつある。三重県は9県区分の中部地方に入らないのに、東海地方には入る。

三重県の帰属は役所によっても違い、経済産業省は中部、総務省は近畿地方、国土交通省は東海に分類している。三重県自身は「中部地方にも近畿地方にも属していると考えている」という立場を示している。

経済[編集]

中京工業地帯を抱え、製造品出荷額では国内最大規模の工業集積地である。中核は愛知県の自動車・輸送機器で、周辺に部品メーカーが層をなして立地している。

ほかに、岐阜県の関の刃物と美濃焼、静岡県の楽器・オートバイ・製紙・プラモデル、三重県四日市の石油化学と北勢の電子部品が並ぶ。これらは別々の産業だが、共通するのは「完成品を組む工場ではなく部材を作る工場が厚い」という点で、最終製品の景気に左右されにくい反面、取引先の生産計画の変更がそのまま影響する構造になっている。

気候と地震[編集]

太平洋側気候で、夏は高温多湿、冬は乾いた晴天が続く。岐阜県北部だけは日本海側気候で豪雪地帯にあたり、気象庁は寒候期に限って「岐阜県山間部」という区分を使う。

南海トラフ沿いの地震の想定域にあたり、1944年の東南海地震、1959年の伊勢湾台風は、いずれもこの地域に大きな被害を出した事例として防災計画の前提になっている。伊勢湾台風の高潮被害は、愛知県三重県の海抜の低い埋立地・干拓地に人と工場が集まっていたことと重なって拡大した。

よくある質問[編集]

Q. 東海地方は何県? 一般には愛知・静岡・岐阜・三重の4県。放送や新聞の「東海3県」は愛知・岐阜・三重で、静岡が入らない。

Q. 静岡県は東海地方? 地形の区分としては東海地方に入る。ただし名古屋を中心とした放送・商圏の区分では外れることが多い。→静岡県

Q. 東海地方と中部地方はどちらが広い? 中部地方のほうが広い。東海地方はその太平洋側部分にあたる。

Q. 東海地方の中心都市は? 名古屋。三大都市圏のひとつである中京圏の中心にあたる。

余談[編集]

  • 韓国では日本海を「東海」と呼ぶため、この語をそのまま検索すると日本の地域名と海の名称の話題が混ざる。同じ漢字表記が別の対象を指す例として知られる。
  • 「東海」を冠した学校・企業は全国に散らばっており、東海大学は本部が東京都にある。地域名を冠しているからその地域にあるとは限らない。
  • 東海道新幹線の名は街道の東海道に由来し、沿線には静岡市浜松市名古屋が並ぶが、路線が走るのは東京都から大阪府までで、東海地方はその途中区間にあたる。

外部リンク[編集]

  • 各県公式サイト

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