概要[編集]
メディアミックスとは、ある特定の知的財産権(IP)を、小説・映画・漫画・アニメ・ゲーム・キャラクターグッズなど、複数の媒体(メディア)を通じて展開する戦略のこと。
他の呼称[編集]
英語圏では「メディア・フランチャイズ(Media Franchise)」または「マーチャンダイジング(Merchandising)」と呼ばれることが多い。「Media Mix」という用語自体は、日本のコンテンツ業界に特有のものとして認識されている。
戦略と発展[編集]
一般的には、ある媒体で成功した作品を別の媒体へと展開していく方式が主流。たとえば、アニメで人気を博した作品が小説・ゲーム・グッズなどに派生する。
一方で、近年では最初からメディアミックスを前提に企画された大規模プロジェクトも多い。例としてはレベルファイブの『イナズマイレブン』や『妖怪ウォッチ』が挙げられる。
また、玩具メーカーが自社製品の販売促進のためにアニメや映画などのメディア展開を行う例もある。アメリカのハズブロが手がけた『トランスフォーマー』や『マイリトルポニー』、マテルの『バービー』などが好例である。
特徴[編集]
メディアミックスの中核は「媒体」ではなく、あくまで「作品」そのもの。
IPの魅力が乏しいと、どれだけ展開しても成功は難しい。
成功すれば爆発的な人気と収益をもたらすが、失敗すれば大規模な損失に繋がる可能性もある。
歴史[編集]
近代的なキャラクタービジネスの起源とされるのは、1920年代のウォルト・ディズニー・カンパニーによる『蒸気船ウィリー』とミッキーマウスの商業展開である。ディズニーはキャラクター商品を積極的に展開し、映画よりもキャラクターグッズで大きな収益を上げるというモデルを確立した。
このビジネスモデルはその後『スター・ウォーズ』や『ハリー・ポッター』といったフランチャイズにも受け継がれている。
日本における展開[編集]
2010年代以降、日本のサブカルチャー市場では、メディアミックスが主軸となった。2020年代には「メディアミックス強盛期」とも呼べる状況に突入しており、一年で数十本単位の大型プロジェクトが同時進行している。
アニメで注目を集めた後、ゲームや声優イベント、音楽活動(ライブ・CD)、グッズ化、舞台化などへと広がるのが定番の流れ。
問題点[編集]
本来本編で描かれるべき物語を、別媒体の商品に分散させることで、作品の本質が損なわれることがある。
原作と派生作品での設定の矛盾、時にはストーリー改変などの問題が発生しやすい。
特に大規模なプロジェクトでは「スピード感重視」によって、クオリティが低下するケースも。
声優業界では、メディアミックスが売れ筋の主要パスとなっており、スポンサー企業の意向でキャスティングが決まるなどの弊害も報告されている。