概要[編集]
『ボボボーボ・ボーボボ』は、澤井啓夫による日本のギャグ漫画。『週刊少年ジャンプ』で2001年から2007年まで連載された、ジャンプ史上でも屈指の「意味不明」「不条理」ギャグ漫画である。単行本は全21巻。
鼻毛を自在に操る戦士・ボボボーボ・ボーボボを主人公に、毛を狩る悪の組織「マルハーゲ帝国」と戦うという、設定からして既に意味不明な物語。本作の真骨頂はストーリーではなく、理屈を超越したシュールなギャグの応酬にある。
「何が起きているのか分からないのに面白い」という独特の読み味で、当時の小中学生を中心に熱狂的な支持を得た。アニメ化もされ、その勢いそのままの怒涛のギャグ演出が話題となった。後のネット文化における「シュール」「カオス」系のノリの源流のひとつともされる、唯一無二のカルト的名作である。
あらすじ[編集]
時は未来。世界を支配する「マルハーゲ帝国」は、人々の毛髪を強制的に狩り取る恐怖政治を敷いていた。これに立ち向かうのが、鼻毛を武器に戦う孤高の戦士・ボボボーボ・ボーボボである。
ボーボボは「ハジケリスト」と呼ばれる、独自の感性で世界を見る者たちのひとり。彼は仲間たちとともに、マルハーゲ帝国の刺客や幹部たちと戦いを繰り広げていく。実際の物語は、この設定をベースにしながらも、毎回常識を超えたカオスなギャグが展開される、純粋なギャグ体験として作られている。
主な登場人物[編集]
ボボボーボ・ボーボボは本作の主人公。鼻毛真拳という、鼻毛を自在に操る奥義の使い手。常人には理解不能な言動を繰り返す「ハジケリスト」で、何を考えているのか誰にも分からない。だが妙に仲間思いな一面もある。
ビュティは数少ない常識人のヒロイン。ボーボボたちの理解不能な言動に、読者を代表してツッコミを入れ続ける苦労人。彼女のツッコミがなければ、本作のカオスは成立しなかったとも言われる。首領パッチは謎の生物で、ボーボボの相棒的存在。このほか、天の助など説明不能なキャラクターが次々と登場する。
「ハジケ」の美学[編集]
本作を理解するキーワードが「ハジケる」である。作中の「ハジケリスト」とは、常識や理屈にとらわれず、自由奔放で予測不可能な発想と行動をする者たちを指す。彼らの暴走こそが本作のギャグの源泉である。伏線も脈絡も意味もなく、読者の予想を裏切り続けることだけを目的にしたかのような展開が畳みかけられる。ヒロイン・ビュティの的確なツッコミがあることで、このカオスが「笑える意味不明」へと昇華されている。
アニメ版とカオス演出[編集]
テレビアニメは2003年から2005年にかけて放送された。原作の意味不明なギャグを、声優の熱演とテンポの良い演出でさらにパワーアップさせ、「動く意味不明」として高い評価を得た。放送当時はそのあまりのカオスぶりが話題を呼び、「子ども向けアニメの皮をかぶった怪作」として注目された。
数々の名エピソード[編集]
本作は基本的に短編形式で進行するため、印象的なエピソードが非常に多い。バトルの最中に突如として意味不明な寸劇が始まったり、キャラクターが脈絡なく変なものに変身したりと、「ストーリーを追うこと」自体がほぼ無意味な、純粋なギャグ体験として作られている。意味不明でありながら、要所では熱いバトル展開も見せるギャップも、本作の魅力のひとつである。
炎上とバズ[編集]
あまりに意味不明な内容ゆえに、「打ち切りになるのでは」と心配されながらも、コアな人気に支えられて長期連載を達成したことは、ジャンプ史上の珍事として語られる。ボーボボの数々の意味不明な名言・名場面は、ネット上でミーム化し、シュールギャグの代名詞として今も引用され続けている。「説明しても伝わらない面白さ」の代表例としてしばしば挙げられる。近年でも、その先進的すぎたカオスなセンスが再評価され、「時代を先取りしすぎていた」とSNSで話題になることがある。
余談[編集]
タイトルの「ボボボーボ・ボーボボ」は、主人公の名前であり、その語感の意味不明さ自体がギャグになっている。
作者・澤井啓夫の独特すぎるセンスは、唯一無二のものとして高く評価されている。
主人公の武器が「鼻毛」という、少年漫画の常識を覆す設定が話題となった。
ヒロイン・ビュティのツッコミは、読者の心の声を代弁するものとして人気が高い。
本作のカオスなノリは、後のネットミーム文化やシュール系コンテンツに影響を与えたとされる。
「ハジケリスト」という言葉は、本作を象徴する造語として一部で使われている。