概要[編集]

産経新聞とは、株式会社産業経済新聞社が発行する日本の全国紙である。正式な題号は『産經新聞』で、フジテレビジョンなどと同じフジサンケイグループに属する。

詳細[編集]

出発点は新聞社ではなく新聞販売店である。前田久吉が1913年に大阪で販売店を開き、1922年に旬刊『南大阪新聞』を創刊、これが『夕刊大阪新聞』となり、1933年に業界紙『日本工業新聞』を創刊した。この日本工業新聞が現在の産経新聞の前身にあたる。1950年に東京での印刷・発行を始めて全国紙の基盤を作り、1959年に東京と大阪の両本社が合併して現在の産業経済新聞社が発足した。

他の全国紙が一般紙として始まったのに対し、産経は経済・産業の専門紙から一般紙へ広がった。紙面に経済記事の比重が残っているのは理念というより出自の名残である。

フジサンケイグループとの関係[編集]

1967年にフジテレビジョン、ニッポン放送、文化放送とともにフジサンケイグループが結成された。現在の産業経済新聞社は、フジ・メディア・ホールディングスが株式の約4割を持つ持分法適用会社である。

ここが他の全国紙と決定的に違う。朝日新聞読売新聞毎日新聞はいずれも新聞社が親の側に立ち、放送局へ出資する形で系列を作った。産経は逆で、放送持株会社が新聞社を持分法適用会社として抱えている。新聞と放送のどちらが資本の上位に立つかは、報道姿勢ではなく両者の事業規模の差がそのまま現れたもので、紙の部数が相対的に小さいことが資本関係の向きを決めている。

縮小の先行例[編集]

産経は規模が小さいぶん、新聞業界の変化に最も早く手を打ってきた社でもある。2002年には東京本社版の夕刊を廃止し、全国紙として初めて朝刊単独紙へ移行した。同年に大阪新聞を廃刊して大阪本社版へ統合、2016年にはタブロイド紙『SANKEI EXPRESS』を休刊、2021年に経済紙『フジサンケイ ビジネスアイ』を廃刊、2024年10月には『夕刊フジ』を休刊している。

夕刊の廃止が産経から始まったのは、決断が早かったというより、部数の規模が小さい社ほど採算の悪い版を抱え続けられなかったという順序である。その後20年をかけて他社が同じ判断に追い込まれていった。

余談[編集]

  • 創業者の前田久吉は東京タワーの建設を主導した人物でもあり、新聞社の創業者というより事業家に近い経歴を持つ。
  • 産経は一時期プロ野球球団を持っていた。1965年に国鉄スワローズの経営権を取得して「サンケイスワローズ」とし、1969年にヤクルト本社が資本参加、1970年に経営から退いた。現在の東京ヤクルトスワローズはこの系譜にあたる。
  • 『夕刊フジ』は1969年創刊で、駅売り中心のタブロイド紙という形式を日本に定着させた。紙面の作り方が週刊現代週刊ポストのような週刊誌に近く、「見出しで買わせる」売り方の日刊版だったと言える。
  • 紙面の政治的な傾向については、論調が明確すぎるという批判と、他紙とは違う視点を提示する媒体が必要だという擁護の双方があり、どちらかに決着する種類の論点ではない。

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