パキスタンはインドに対抗するための核保有国であり、戦術核を含む多様な核戦力を保有している。
核開発の歴史[編集]
パキスタンは1970年代から核開発を開始し、特にアブドゥル・カディール・カーンの指導の下、中国からの技術協力を受けて核兵器の設計やウラン濃縮技術を取得した。
1998年5月28日と30日、バローチスターン州チャーガイ地区で地下核実験(Chagai-I)が行われ、総出力は40キロトンで、プルトニウム型核爆弾も試験された。 これにより、パキスタンは公式に核保有国として国際社会に認識されることとなった。
核戦力の規模と種類[編集]
2021年時点で、パキスタンの保有核弾頭は推定165発で、増加傾向にあり、2025年には220~250発に達する可能性もある。 。核兵器の材料として、約410kgの兵器級プルトニウムと約3,900kgの高濃縮ウラン(HEU)を保有しており、技術力次第では最大で530発相当の核弾頭を製造可能とされている。
戦術核と配備[編集]
パキスタンは戦場で使用可能な低出力核兵器を重視しており、短距離弾道ミサイル「ナスル(Hatf-IX)」は射程60~70kmで、インドの戦車部隊や国境地帯の軍事目標を想定した戦術核兵器である。 さらに、陸上発射型弾道ミサイル8種類(短距離5種類、準中距離3種類)を配備し、巡航ミサイルや潜水艦発射型ミサイルの開発も進めており、核の三本柱(陸・海・空)による第二撃能力の確保を目指している。
戦略的意図[編集]
パキスタンにとって核兵器は、宿敵インドに対する究極の抑止力であり、通常戦力で劣勢な状況下での安全保障の要となっている。 戦術核の配備は、インドの「コールド・スタート・ドクトリン」に対抗するための戦略的措置であり、地域の安全保障環境に影響を与えています
国際的影響[編集]
パキスタンは核不拡散条約(NPT)に加盟しておらず、核兵器保有はNPT体制の枠外で行われている。
そのため、国際社会からは核拡散の懸念が指摘される一方、外交上の交渉カードとしても機能しており、地域および国際政治における重要な役割を果たしている。