概要[編集]
ネット小説大賞とは、株式会社クラウドゲートが主催する、ウェブ上で公開された小説を対象とする公募コンテストである。複数の出版社が参加する合同開催の形式をとり、応募数の規模では国内最大級とされる。
詳細[編集]
成り立ち[編集]
第1回は主催者の自社コンテストとして小規模に始まった。第2回で複数の出版社と協同開催の形をとり、受賞作のうち10作ほどが書籍化に至ったことで、現在の枠組みの基礎ができたと説明されている。以後は参加出版社を増やしながら継続し、10年を超える歴史を持つ。
規模については、過去最大の応募作品数が10,156作品、過去最大の受賞作品数が46作品という数字が公表されている。
一般的な文学賞との違い[編集]
従来の新人賞は、原稿を封筒で送り、下読みと選考を経て「大賞1作」を選ぶ形式が基本だった。ネット小説大賞はここが大きく違う。
第一に、対象が小説家になろうなどに既に公開されている作品である。つまり応募の時点で読者の反応が存在する。第二に、受賞が1作ではなく数十作にのぼる。参加出版社がそれぞれ自社のレーベルに合う作品を選ぶ方式なので、「1位を決める」というより「編集部と作品を引き合わせる」性格が強い。
この形が成立するのは、ウェブ小説の書籍化がライトノベル・なろう系レーベルの主要な供給源になったからである。出版社にとっては投稿サイトを常時巡回して有望作を探すコストが高く、応募という形で作品のほうから集まってくる仕組みには利点がある。作家側も、1社ごとに持ち込むより一度の応募で複数社の目に触れる。仲介そのものを目的としたコンテスト、という位置づけになる。
感想サービス[編集]
運営スタッフが1回のコンテストにつき約1,000作品ほどに感想を返すという運用が行われており、応募総数のおよそ半数が感想を希望しているとされる。落選しても講評が返るという設計は、応募者をつなぎとめる仕掛けとしても機能している。
余談[編集]
- 応募総数が1万作を超える規模は、紙の新人賞と比べるとかなり大きい。既に書かれて公開されている作品を対象にしているため、「応募のために新たに書き下ろす」必要がないことが応募数を押し上げている面がある。
- 書籍化された作品はそのまま漫画化に進むことが多く、双葉社のモンスターコミックスをはじめ各社のコミカライズレーベルへ供給される流れができている。ウェブ小説→書籍→漫画→アニメという段階を踏む経路は、この10年で定型になった。