概要[編集]
山梨県とは、日本・本州中央部の内陸に位置する県である。県庁所在地は甲府市。面積は約4,465平方キロメートル、人口は約80万人で、海に面さない内陸県のひとつ。四方を山に囲まれた盆地を中心に県土が構成されている。
詳細[編集]
東は東京都・神奈川県、南は静岡県、西は長野県、北は埼玉県に接する。中部地方に区分されるが、生活圏としては首都圏との結びつきが強く、区分と実態がずれる代表例として挙げられる県である。
県土の約8割が山地で、平地は甲府盆地とその周辺に限られる。南に富士山、西に南アルプス、北に奥秩父の山塊が並び、県境のほとんどが山の稜線である。この閉じた地形が気候・農業・交通のすべてを決めている。
甲府盆地は年間日照時間が長く降水量が少ない。内陸なので夏は暑く冬は寒い。この日較差と少雨という条件が果樹栽培に適していて、県の農業の性格を作った。
首都圏との関係[編集]
東京都の新宿から特急で90分前後、中央自動車道でも同程度で結ばれており、通勤・進学・買い物の流れが東京方面に向いている。県としては中部地方に属するが、テレビの民放局数が少なく東京の放送を受信する世帯が多いこと、企業の支店配置が「関東甲信越」の枠で扱われることなども重なって、実務上は首都圏の周縁として扱われる場面が多い。
このため「山梨は中部か関東か」という問いが繰り返し立つ。天気予報は関東甲信の枠に入り、経済産業局の管轄は関東、国立社会保障・人口問題研究所などの統計では中部に入るという具合に、資料によって扱いが違う。→中部地方
果樹とワイン[編集]
ぶどう・もも・すももの収穫量が全国1位で、ぶどうは全国の約4分の1、ももは約3割を占める。県はこれを「フルーツ王国やまなし」として押し出している。
ワインは県の看板産業のひとつで、日本のワイン生産発祥の地とされる。県内には約100社のワイナリーが集まり、国内生産の約3割を担う。甲州市勝沼を中心に、ぶどう栽培とワイン醸造が同じ地域で完結している構造になっている。
甲州種という白ぶどうの在来品種は、日本で古くから栽培されてきた醸造用品種として国際的にも登録され、海外の品評会に出す際の看板になっている。
水[編集]
ミネラルウォーターの生産量が全国1位で、年間約158万キロリットル、全国シェアの約4割を占める。富士山と南アルプスの両方から地下水が得られるという立地が背景にある。
同じ「水」でも用途によって扱いが分かれる。飲料用の採水地としての価値が高い一方、盆地は昔から水害と水不足の両方に悩まされてきた地域で、釜無川・笛吹川の治水は歴史的な事業だった。武田信玄の名を冠した堤(信玄堤)は、この治水の系譜に位置づけられる。
富士山と観光[編集]
富士山は静岡県との境にあり、北麓の富士五湖(河口湖・山中湖・西湖・精進湖・本栖湖)が山梨県側の観光の中心である。逆さ富士の撮影地として知られる本栖湖畔の眺望は紙幣の図案にも使われた。
忍野八海の湧水群、昇仙峡の渓谷、県内各地の温泉も観光資源で、いずれも「山に囲まれている」という条件から生まれたものである。県の観光は自然景観への依存度が高く、天候と季節の影響を受けやすい構造になっている。
海外の反応[編集]
富士山は海外の旅行情報で日本を代表する景観として扱われ、その撮影地として山梨県側が指名されることが多い。とくに新倉山浅間公園の五重塔と富士山を同じ構図に収められる眺望は、SNS経由で英語圏・中国語圏に広まり、来訪者が急増した地点として知られる。
一方で、登山は静岡県側と山梨県側で登山道・規制・料金の扱いが異なり、海外向けの案内が混乱しやすい。登山者の安全と混雑への対応をめぐって入山管理の方法が議論されてきたが、どの水準が適切かについては評価が分かれている。
よくある質問[編集]
Q. 山梨県は関東?中部? 一般的な地方区分では中部地方。ただし天気予報は関東甲信、経済産業局の管轄は関東で、資料によって扱いが違う。
Q. 富士山は山梨県と静岡県のどちら? 両県の境にある。山頂部の帰属は歴史的な経緯があり、地図上では境界が未確定として描かれることがある。→静岡県
Q. 山梨県の名産は? ぶどう・もも・すももはいずれも収穫量全国1位。ワインとミネラルウォーターも全国1位の産地である。
Q. 県庁所在地はなぜ甲府? 甲斐国の政治の中心が武田氏の時代から甲府盆地にあり、近世の甲府城下町がそのまま県庁所在地になった。
余談[編集]
- 「甲州」「甲斐」という旧国名が現在も商品名・会社名・道路名に多く残っており、県名より旧国名のほうが通りがよい場面がある。
- 名物のほうとうは幅広の麺をかぼちゃなどと味噌で煮込む料理で、麺をゆでてから汁に入れるのではなく生のまま煮るため汁にとろみがつく。この作り方の違いがうどんとは別料理として扱われる理由になっている。
- リニア中央新幹線の実験線が県内に敷設されており、走行試験の様子を見学できる施設がある。
外部リンク[編集]
- 山梨県公式サイト